ヴィジュアル版「世界植物探検の歴史」原書房

ある程度植物を育てているともっと深く知りたくなりますよね。

今回はそんな深みにはまってしまった方へお勧めの1冊です。

原書房出版の

ヴィジュアル版「世界植物探検の歴史」地球を駆けたプラント・ハンターたち

原書房(出版)

キャロリン・フライ(著)甲斐理恵子(翻訳)

植物の名前・育て方のその先に

特にバラのような人との関わりが長い植物は人類の歴史にそった変遷を遂げていますが、調べてもナポレオン皇后のジョゼフィーヌ、東インド会社、ルドゥテなどの情報は手に入りますが、それ以上になると本気で調べていかないと難しいです。(大体1個調べると2、3個知りたいことが出てきて終わりがありません。)

例えばモッコウバラ

学名はRosa banksiae(ロサ・バンクシア)あるいはレディ・バンクス・ローズという名もありますが、このバンクスというのは英国のキューガーデンの顧問で博物学者でプラントハンターだったサー・ジョセフ・バンクスです。(※バンクシアの命名者はブラウン運動とかのロバート・ブラウンですバンクス本人ではありません)

などなど植物の育て方だけでなく、名前だけでなく、その先にもっと面白い情報がザクザクあります。

人と植物で織りなすストーリー

ネットで調べても情報が網の目状にしか手に入りません。だって本当に知りたい人にとっては、先にも書いたように1個調べると2、3個知りたいことが出てくるから。

そこからストーリーとして頭の中で組み立てるのは中々に至難の業です。

私たちの身近にある植物は大半が本来日本の植物ではないことがおおいです。ということは世界中の植物が私たちのもとに来る切欠があったということです。

「われわれが庭や公園で目にする植物の多くはわれわれの地域原産ではない。—略—それらの植物は、珍しい種を探し求め世界中を旅した「プラント・ハンター」と呼ばれる探検家たちがヨーロッパにもたらしたものである。」(巻頭の概要から引用)

現在の学名の二名法を確立したカール・フォン・リンネは植物学者からスタートした博物学者だったし、幕末に日本にやってきたロバート・フォーチュンも植物学者でプラントハンターです。

そんな歴史を近現代にいたるまでストーリーとして読むことができる至極の一書です。

こんな方にもオススメ

もちろんそこまで詳しく知らなくてもいいよ・・・という方もいるでしょうが、「ヴィジュアル版」とあるように視覚的にも楽しくルドゥテの薔薇図譜などが好きな方は楽しいかもしれません。

またマニアックな本であることは否めないのですが、一方で元々マニアックな動植物、古生物、歴史が好きな方へは個人的にかなりお勧めです。分野違いでも楽しめると思います。

ハルキゲ二アと言われてピンと来る方は読んだ方が良いです。

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