クンシラン(君子蘭)の育て方

 クンシラン(君子蘭)の基本情報

科名:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
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属名:クンシラン属(クリビア属) Clivia
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学名:Clivia miniata
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和名:ウケザキクンシラン(受咲君子蘭)=Clivia miniata
和名:クンシラン(君子蘭)=Clivia nobilis
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原産:南アフリカ~エスワティニ
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開花時期:3月~5月
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高さ:30㎝~70㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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 クンシラン(君子蘭)の特徴

クンシラン(君子蘭)はヒガンバナ科クンシラン属(クリビア属)の植物で、元々は花が下垂するクリビア・ノビリス(Clivia nobilis)をクンシラン、花が上向き咲くクリビア・ミニアータ(Clivia miniata)をウケザキクンシランという和名が付いていますが、現在クンシランとして流通する種類の多くはウケザキクンシランの園芸品種です。また名前に蘭が入っていますがラン科ではなく、上記の通りヒガンバナ科に属しています。

濃い緑でツヤがあり幅広い葉を重ねるように対生させ、春にオレンジ系の花が10~20輪開花します。本来は株幅・花丈ともに50㎝~70㎝の大きさに育ちますが、ダルマ系と呼ばれるコンパクトな品種群や斑入り葉の品種などもあります。また花色もクリーム~黄花や緑花の品種も作られています。

 クンシラン(君子蘭)の管理/置き場所

クンシラン(君子蘭)は直射日光の当たらない明るい日陰、風通しの良い環境で育てます。雪・霜が苦手で基本的に鉢栽培を行い季節によって置き場所を移動します。

生育のためには明るさは大事ですが、開花させるためには葉が8枚以上は必要なため、強すぎる日差しで葉焼けを起こさないように注意が必要です。

生育期の4月~11月は屋外の明るい日陰に置き、12月~翌3月は屋内の窓辺またはレースのカーテン越しの日差しがある環境で育てます。屋内外への移動の際に、日差しが当たって葉焼けすることもあるので、注意が必要です。

冬期の管理は室内に取り込む方が無難ですが、比較的寒さが緩やかな暖地や夜間でも交通の多い市街地近隣などでは年間通して屋外(屋根下または木陰)管理ができることもあります。

 クンシラン(君子蘭)の育て方/年間管理
 クンシラン(君子蘭)の植え替え

植え替え時期は4月~5月あたりで、開花できるくらいに育った株の場合は開花後を目安に植え替えを行います。植え替え頻度は2~3年に一度行います。

鉢から株を抜き取り、根を解しながら古い用土を落とします。根を解す際に、黒く傷んだ根や枯れて潰れるような根を取り除きます。

成長中の株の場合は一回り大きな鉢を使い、育ち切った株であれば親株の周囲の子株を株分けして元の鉢と同じ大きさの鉢に植え替えます。

 クンシラン(君子蘭)の用土の選び方

根が太く多湿では根腐れしやすいため、保水性・排水性に加え通気性もある用土に植え替えます。混合する場合は、軽石(またはボラ石)中粒:赤玉土中粒:腐葉土=3:3:4で用土を作ります。また市販のクンシラン用の培養土で植え替えもできます。

上記の通り多湿を嫌い通気性を好むため、市販の花や野菜用の培養土はクンシランには多湿のため使いません。

 クンシラン(君子蘭)の水やり/肥料の与え方

水やり:一年を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

肥料:置き肥として4月、6月、9月に油粕と骨粉を固めた有機肥料か緩効性の化成肥料を与えます。7月~11月はリン酸が多めの液体肥料(花用の液体肥料など)を1月に1回の頻度で与えます。

 クンシラン(君子蘭)の増やし方

クンシランは株分け、種まきで増やします。

株分け:株分け時期は植え替え時期と同じく4月~5月で、植え替え際に子株を取り分けて増やします。小さな子株は開花まで数年間必要になる場合があるため、親株の半分くらいまで育った子株を株分けします。

子株の根が収まるくらいの鉢(大きすぎない鉢)を準備し、親株同様の用土で植え替えます。

種まき:開花後にできる実が、秋になり赤く熟した頃に収穫し、湿らせた用土に埋め込んで春まで保管します。3月あたりに実を取り出し、果肉が残っている場合は水洗いして果肉を洗い流します。

プランターや平鉢などある程度用土が入る鉢を準備し、赤玉土小粒を入れ、種が隠れるくらいに埋め込みます。水を与えた後は明るい日陰に置いて管理します。表土の渇きに応じて水を与え、翌春に本葉が2~3枚まで育っていれば鉢上げします。

 クンシラン(君子蘭)の病害虫

害虫:「カイガラムシ」の発生や「ナメクジ」に食害されることがあります。

「カイガラムシ」は葉の裏から広がりつつ、葉表、株の根元などまで広がります。親虫も小さく目立ちませんが、被害が酷いとカイガラムシ周囲の葉が黄色~茶色に変色します。変色は小範囲ですが、カイガラムシの発生が多いと葉全体の色が悪くなります。特に通風が悪い環境や極度に日陰の環境で発生しやすくなります。

「ナメクジ」の発生は周囲の環境によって左右されます。ベランダなどでは持ち込むか近隣にいない限り食害はありません。一方庭などで接地するように鉢を置いている場合は、鉢下に潜み、食害されることがあります。

食害が目立つのは5月~10月あたりで、梅雨あたりから被害が目立つようになります。殺蛞蝓剤などでナメクジの数を減らすことで被害を減らすことができます。

病気:「白絹病」「軟腐病」が発生することがあります。

「白絹病」は白い糸状の菌糸が株元や半地中、根の周囲に発生し、立ち枯れます。多湿が続くと発生しやすく、気温が25℃を上回る6月~9月に発生しやすくなります。発生した用土は菌核が残るので、熱殺菌などを行わない限り他用できません。発生した株は感染源にならないように破棄します。

「軟腐病」は多湿環境で発生しやすく、特に株元や葉の付け根に溜まった水が乾かずに残り続ける状況で発生しやすくなります。乾きやすい夏期以外は株の上から水を与えないようにすることで発生を抑えることができます。

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