ウキツリボク(浮釣木)/ツル性アブチロンの育て方

 ウキツリボク/ツル性アブチロンの基本情報

科名:アオイ科 Malvaceae
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属名:アブチロン属 Abutilon
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学名: Abutilon megapotamicum
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和名:ウキツリボク(浮釣木)
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別名:チロリアンランプ
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原産:ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ
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開花時期:4月~11月
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高さ:~1.5m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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 ウキツリボク/ツル性アブチロンの特徴

アブチロン属は熱帯から亜熱帯に一年草、多年草、低木などが自生しており、多くの種類が下垂気味に花を咲かせます。交配種も作られ花色も増えましたが、流通する品種と特徴として木立ち性の種類やツル状に枝を伸ばす種類があります。

ウキツリボク(浮釣木=Abutilon megapotamicum)はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイに自生している半ツル性低木のアブチロンで、赤と黄色の鮮やかなコントラストの花を吊り下げるように咲かせます。細い花茎に釣られるように浮いていることから「浮釣木」という和名や、吊られた花をランプに見立て「チロリアンランプ」という名でも呼ばれます。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン管理と置き場所

ウキツリボクやツル性アブチロンの仲間は陽当たりと排水性の良い場所で育てて下さい。やや日陰の場所でも十分生育はしますが、極度の日陰では花が咲かなくなったり、害虫の発生が増える場合があります。

ウキツリボクは比較的寒さに強く、暖地や温暖地の平地のような場所であれば地植えでも越冬しやすいです。特に最低気温が-5℃以上であれば年間屋外管理が可能です。

開花は4月~11月にかけてツル状の枝を伸ばしながら断続的にさかせます。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン年間管理表

 ウキツリボク/ツル性アブチロン植え替え

植え替えは4月~5月、または9月に行います。暖地であれば3月から植え替えもできます。また根を傷めない植え替えであれば4月~10月の期間のどこでも可能です。

地植え:株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。

地植えの場所移動を行う場合は4月~5月・9月に行い、なるべく大きめに根を掘りあげ、上記と同じ方法で植え替えます。なお掘りあげる場合は剪定も同時に行うことで蒸散を抑え、株の痛みを抑えるようにすると良いです。

鉢植え:株の成長が早いため根詰まり起きやすく、1年に1~2度は植え替えが必要になります。春に植え替えた株でも成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン用土の選び方

保水・排水の良い用土で植え替えてください。

赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えてください。市販の花や野菜用の培養土で育たないわけではないですが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがあるので、市販の用土に等量~3割くらいの赤玉土小粒を混ぜたものに植え替えると良いです。

庭や花壇に植える場合は、植えこむ周囲の土量に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン水やり

ウキツリボクは一般的な花苗や樹木の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、梅雨前までは晴天が続く場合のみ水を与えて下さい。一度根を張ると夏までは水やりをしなくても元気に育ちます。一方で夏場は晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

二年目以降は夏で晴天が続くような場合を除けば、基本的に天候任せで大丈夫です。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン肥料の与え

鉢植えの場合は植える際に、緩効性肥料を土に混ぜて植え替えます。以降は成長にあわせ4月~10月の期間に液体肥料や置き肥を与えます。与える量や頻度は肥料に記載されている表記に従って与えます。

庭に植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに与えます。もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜて下さい。その後は鉢植えと同様に肥料を与えていきます。

 ウキツリボク/ツル性アブチロンの剪定/刈り込み

ウキツリボクやアブチロンの仲間の剪定は、春から秋までの期間であれはいつ剪定しても大丈夫です。特に強剪定や切り戻しを行う場合は4月~5月に行いますが、葉が残らない剪定をすると枝や株が枯れ混むことがあるため、数枚の葉が株に残るように剪定します。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン増やし方

ウキツリボクは挿し木で増やせます。時期は4月~6月あたりが良いです。

硬く充実した枝を選び10㎝前後で切り挿し穂にします。土に挿す下半分の葉を落とします。水につけて挿し穂に十分給水させて、湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿してください。挿し穂に発根剤を使うことで発根率が上がります。

日陰に置き、乾くならば水を与えて管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 ウキツリボク/ツル性アブチロン病害虫

病害虫として代表的なものは「ハマキムシ」「コナジラミ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

「ハマキムシ」は葉を巻き取るように丸めて、幼虫が内側から葉を食害します。被害の葉が少数なら葉ごと除去してください。一方で被害が酷い場合は、ほとんどの葉を除去しなくてはならない場合もあるため、葉を残したままで消毒で退治してください。

「コナジラミ」は幼虫・成虫ともに葉裏に発生します。株を触ると白い小さな成虫が舞い飛ぶので判別できます。

「アブラムシ」は花の蕾に発生しやすいです。被害が酷いと花が委縮して咲いたり、その他の病気を併発します。

「コナジラミ」「アブラムシ」「カイガラムシ」はいずれも汁を吸うタイプの害虫で、排泄物が甘い液状のものなので、被害が酷いと葉上に砂糖水がかかったようにベタベタし始めます。その後放置すると、甘い液に黒いカビが生え「すす病」という病気を併発するので早めの対処がお勧めです。

また「ハマキムシ」は丸めた葉の内側にいるため浸透移行タイプといわれる葉の中に浸透する薬剤で退治してください。

どの場合でも、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と上記の病害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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