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ピラカンサ(ピラカンサス)の基本情報
科名:バラ科 Rosaceae
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属名:トキワサンザシ属(ピラカンサ属)
Pyracantha
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学名:Pyracantha
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和名:トキワサンザシ
(常盤山査子=Pyracantha coccinea)
和名:タチバナモドキ
(橘擬き=Pyracantha angustifolia)
和名:カザンデマリ
(花山手毬=Pyracantha crenulata)
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別名:ピラカンサ
ピラカンサス
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英名:Pyracantha
Firethorn
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原産:(P. coccinea)
ヨーロッパ南部~西アジア
原産:(P. angustifolia)
中国南西部
原産:(P. crenulata)
ヒマラヤ地方
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高さ:3~4m
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観賞期(実):10月末~翌3月上旬
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開花期:5月~6月
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ピラカンサ(ピラカンサス)の特徴
ピラカンサは冬期に赤・黄・オレンジのツヤのある実がたわわに実る常緑低木で、耐暑性・耐寒性ともに高く管理も楽なため庭木・生垣などの植栽から盆栽などでも楽しまれます。
実は冬を挟んで晩秋~早春まで観賞でき、春に白い花を咲かせることもあり観賞期間の長い樹木です。
「ピラカンサ」という樹木名は、園芸利用されるバラ科ピラカンサ属のいくつかの種類に対して使われますが、代表的な種類は庭木利用されることが多かった「トキワサンザシ(常盤山査子=Pyracantha coccinea)」を指すことが多いです。
その他には明治期に日本に渡来し黄やオレンジの実がなる「タチバナモドキ(橘擬き=Pyracantha angustifolia)」、ヒマラヤ地方原産で昭和期に渡来し赤い実がなり庭木利用も多い「カザンデマリ(花山手毬=Pyracantha crenulata)」などもあり、園芸品種も含めピラカンサと呼ばれます。
ピラカンサの仲間には葉元に棘があり、属名の「Pyracantha → (pyr=火) (akanthos=棘)」や英名の「firethorn」などの由来になっています。
ピラカンサ(ピラカンサス)の管理と置き場所
ピラカンサは陽当りで風通しの良い環境が良く、土質は選びませんが保水・排水性のバランス土質を好みます。
5月~6月に白い花が開花し、秋には赤または黄色のツヤのある実が枝回りに実ります。
基本的な管理は定期的な剪定・刈り込み・施肥だけで、病害虫の発生も少なく極めて手がかかりません。
ピラカンサ(ピラカンサス)の年間管理表
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ピラカンサ(ピラカンサス)の植え替え
植え替えは3月~4月・10月~11月が適期です。また冬期に落葉樹等とともに実付き株が店頭に並ぶことも多く、冬に入手することがありますが土が凍る厳寒期を避けて植え付けた方が良いです。
地植え
株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。
およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。
鉢植え
根詰まり防止のため2年に1回の頻度で植え替えます。植え替えは根鉢を取り出して傷んでいる根や伸びすぎた根を整理します。
一回り大きな鉢に植え替える場合は軽く切りつめる程度に根を整理しますが、盆栽のような同じ大きさの鉢に植え替える場合は1/3程度まで根を切り詰めます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の用土の選び方
地植えの場合は、土質を改良するための完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
新築の庭で山砂や真砂土などの土質の場合は、堆肥類以外にも黒土や赤玉土なども1~2割程度混ぜ込み保水・保肥力も改善した方が良いです。
鉢植えにする場合は赤玉土:腐葉土=7:3の土で植え付けます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の水やり
ピラカンサの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
特に鉢植えの場合は春以降の枝の生育から秋に果実が色づくまでは水枯れしないように気を付けます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の肥料の与え方
庭植え
植え付けの際に元肥として土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を株回りに混ぜ込んでから植え付けます。
追肥は寒肥として2月下旬~3月上旬に固形油粕などの有機肥料を株元から離した株の周りに与えます。
鉢植え
植え付けの際に元肥として根が傷まないような緩効性化成肥料を土に混ぜ込んで植え付けます。
追肥は庭植えと同じく2月下旬~3月上旬に固形油粕を与え、開花後(6月中旬~6月下旬)にお礼肥として再度固形油粕または緩効性化成肥料を与えます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の剪定
ピラカンサの花芽は晩秋(11月頃)にできるため、剪定は開花後の6月下旬から9月までに行います。
庭植え
自然樹形に育てる場合は、他の樹木の剪定と同じく込み合う枝・徒長枝・内向きに伸びる枝などを剪定して樹形を整えます。
生垣の場合は、枝が良く生育し徒長枝も良く出るため、実を切り落とさないように気を付けつつ9月までの間に数回剪定を行います。
特に徒長枝は樹形を乱しやすいため、強剪定することで樹形をまとめやすくなります。
9月あたりの最後の剪定の際は、実が前面になるような剪定を行うと秋以降に実を観賞しやすくなります。
鉢植え
鉢栽培のピラカンサは樹形をコンパクトにまとめることが多いので、6月下旬~9月の期間で込み入った枝や内向きに伸びる枝を剪定し、徒長枝は強剪定しながら樹形を整えます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の増やし方
ピラカンサは「挿し木」「種まき」で増やします。
挿し木
時期は6月~7月に行い、その年に伸びた枝(新梢)のうち固く充実した枝を使います。
枝を10㎝前後で切り取り、挿し穂下側の葉を取り除き、数時間水につけて給水させます。
湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。また挿し穂の給水に活力剤を使ったり、発根剤を付けることで成功率が上がります。
日陰に置き、土が乾かないように水を与えつつ、発根して新芽が成長するまで管理します。
種まき
秋から早春に収穫し、果肉を洗いおとしてから種まきします。秋から種をまいた場合は冬までに芽が出ることがありますが、幼苗のまま寒風や霜雪に当たると傷みやすいので、寒さに曝されない場所に置いた方が良いです。
種まきの土や花用の土をポットか育苗トレーに入れて、種を撒き軽く覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。
ピラカンサ(ピラカンサス)の病害虫
害虫として「ハマキムシ」「カイガラムシ」「ネキリムシ」、病気にはかなり強いですが環境によって「うどんこ病」などが発生することがあります。
害虫
「ハマキムシ」
ハマキガの幼虫で、主に春と秋に発生しやすく複数の葉を糸で絡めて幼虫が内側から食害します。
消毒などで退治した場合でも絡めとられた葉は戻らないため、食害にあった葉または枝ごと切り取った方が良いです。
「カイガラムシ」
枝・葉の付け根などに発生しやすく、被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。
親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、鉢植えならば消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。
生垣などの場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を定期的に満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。
「ネキリムシ」
コガネムシの幼虫で、土内を根を切りながら移動するため主に鉢で大きな被害を受けやすくなります。
病気
「うどんこ病」
葉の表面に白い粉のようなカビが発生し、極度に陽当たりや風通しが悪い場合に発生しやすくなります。
被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、消毒の前に環境改善を行った方が良いです。
退治・治療方法
もし被害が酷い場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木類」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
また「ネキリムシ」は土内を食害するため、クロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。