ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)/リッピアの育て方

 ヒメイワダレソウ/リッピアの基本情報

科名:クマツヅラ科 Verbenaceae
————————
属名:フィラ属 Phyla
————————
学名:Phyla canescens
————————
異名(synonym):Lippia canescens
————————
和名:ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)
————————
別名:リッピア
————————
英名:Lippia, Hairy frogfruit, Hairy fogfruit
————————
原産:南米
————————
生育期間:5月~10月(暖地・温暖地では4月~11月)
————————
高さ:5㎝~10㎝
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:強い
————————

 ヒメイワダレソウ/リッピア特徴

ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)は草丈低く地表を這うように広がり、小さな白~ピンクの花を咲かせる多年草です。花は数㎜の小さな花が集まる集合花で、夏場に花付きが悪くなることがあるものの5月~10月(暖かい地域では4月~11月)の長い期間にわたって開花を続けます。

ツルのように伸びていく枝は地表では各節ごとに根を下ろしつつ分枝して広がっていき、鉢植えの場合は鉢縁で垂れ下がります。

耐暑性・耐寒性・繁茂する能力が高く、草丈も低いため、花も楽しめるグランドカバーとして植えられることが多いです。

 「イワダレソウ」と「リッピア」

ヒメイワダレソウは「イワダレソウ」や「リッピア」などの別名で店頭に並ぶこともありますが、イワダレソウという名の近縁種が別にあり、リッピア属でもないので少々ややこしい別名です。

イワダレソウ(岩垂草=Phyla nodiflora)は世界中の熱帯・亜熱帯に分布し、日本では関東以西から南西諸島の海岸に自生している近縁種で、ヒメイワダレソウより葉が大きく草丈が高く、花は松かさやワレモコウのような姿です。

ヒメイワダレソウの方が草丈が低く密に茂り花が目立つため、グランドカバーとしてはヒメイワダレソウの方が人気があります。またイワダレソウの名で店頭に並んでいるものでもヒメイワダレソウであることが多いです。

「リッピア」の別名は、ヒメイワダレソウが以前リッピア属(Lippia)に分類されていた名残で、現在ではイワダレソウやメキシカンスイートハーブなどもともにフィラ属(Phyla)に分類されています。そのためメキシカンスイートハーブも「リッピア」という別名があります。

ヒメイワダレソウにはハーブとしての利用方法は周知されていませんが、同属のメキシカンスイートハーブは甘味料として利用できます。

メキシカンスイートハーブについては以下のリンク先を参照してください。

 ヒメイワダレソウ/リッピア管理と置き場所

ヒメイワダレソウは陽当たりが良く、排水の良い土や環境に植えてください。

グランドカバーとして育てる場合は地上から10㎝前後の深さまで排水が良ければ十分生育します。斜面などの排水の良い場所でも良く育ちます。

ただし頻繁に足を踏み入れる場所では、ヒメイワダレソウが踏みつぶされるだけでなく人の往来で土が転圧され生育が悪くなります。

密に茂った状態では雑草が育ちにくくなるか、雑草が目立つため抜き取りやすく管理は楽になります。苗を植える数によって茂るまでの期間は異なりますが、ヒメイワダレソウが茂るまでは定期的に雑草を除去を行います。

一方で地下茎やこぼれ種などで良く茂るため、望まない場所までヒメイワダレソウが入り込むことがあります。予めコントロールしやすいように地中から地上にかけて境界を設けるか、境目を定期的にスコップなどで掘り起こして取り除きます。

耐寒性は高く-3℃前後までは常緑で越冬でき、-5℃以下で地上部は枯れますが、地中にある茎などが越冬し春から茂ります。防寒せずに越冬できますが、防寒と土質の改良のため腐葉土か芝の目土を一面に敷き詰める方法もあります。

 ヒメイワダレソウ/リッピア年間管理表
 ヒメイワダレソウ/リッピア植え替え

ヒメイワダレソウは冬場以外はいつでも植え替えできます。

ただし高温期に地植えする場合は地表部分が乾きやすいため、根付くまでは定期的に水やりを行います。

ヒメイワダレソウの成長は早いため、苗の購入後は花壇や二~三回り大きな鉢へ植え替えを早めに行います。

鉢植えの場合は根詰まりが起きやすく、根詰まり状態でも枯れないものの葉が枯れ込み見た目が悪くなります。1年に1回の頻度で大きな鉢に植え替えるか、株分けを行い新しい根と茎が茂ることができるようにします。

地植の場合は植え替えは必要ありませんが、定期的に望まない場所まで茂った茎葉や地下茎を掘り上げて取り除きます。

 ヒメイワダレソウ/リッピア用土の選び方

ヒメイワダレソウは保水・排水の良い用土に植え替えします。

鉢植えの場合は市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを、茂らせたい場所の地表から10㎝前後まで混ぜ込み通水を良くして植え付けます。

 ヒメイワダレソウ/リッピア水やり

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合は基本的に鉢土の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。ヒメイワダレソウは密に茂るため、かなり茂った株の場合は土の表面が見えにくくなるだけでなく水の乾きが早くなります。水枯れで傷まないように定期的に確認を行うと良いです。

 ヒメイワダレソウ/リッピア肥料の与え方

ヒメイワダレソウは多肥で育てると草丈が高くなります。

グランドカバーとして育てる場合は、土質改良のための堆肥類とともに元肥として緩効性の化成肥料か完熟の有機肥料を与え、以降は追肥を控えて草丈低くグランドカバーとして育てます。

鉢植えの場合は、鉢上からこんもり茂る株に育てるためには定期的な肥料やりが必要になります。植え付ける際に緩効性の化成肥料を混ぜ、5月~9月(暖かい地域であれば4月~11月)の生育期間中は2ヶ月に1回の置き肥と月に1~2回の液体肥料を与えます。

 ヒメイワダレソウ/リッピア剪定・刈り込み

ヒメイワダレソウは短期間でかなり繁茂するため、地植えの場合は望まない場所まで茂った茎葉や地下茎を定期的に掘り上げて取り除きます。

取り除く際は、ヒメイワダレソウと茂ってほしくない場所との境目に大き目のスコップを挿しこみ、土を掘り上げながら地下茎と一緒に取り除きます。

また保肥力の高い土質では草丈も伸びて他の植物を覆うことがあるので、地際で刈り込み取り除きます。

 ヒメイワダレソウ/リッピア増やし方

ヒメイワダレソウは挿し木や蔓伏せで増やします。

挿し木:ヒメイワダレソウの挿し木は極めて簡単で、冬期を除いて一年中行うことができます。枝を切り取る際は先端の柔らかいところだけでなく充実した固い枝のところまで切り取ります。育苗トレイやポットなどに花の土を入れ、挿し穂の枝の固いところを地表にピン止めするか、地表から数㎜のところに植えこみます。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

蔓伏せ:通常は伸びた枝を土の上に固定させることで根を出させてから分ける増やし方ですが、ヒメイワダレソウの地表を這っている枝は各節からすでに根が出ていることが多いため、根ごと枝を切り取り植え替えます。

植え替え方は挿し木の場合と同じく、育苗トレイやポットに花用の土を入れ、根が土中に入るように枝を地表に置きピン止めするか、地表から数㎜のところに植えこみます。

 ヒメイワダレソウ/リッピア病害虫

病害虫に極めて強く地植えで病害虫に悩まされることはほぼありませんが、鉢植えの場合は「カイガラムシ」「ハダニ」「ネキリムシ」が発生することがあります。

「カイガラムシ」は葉の付け根や茎、葉裏などに白い綿状のカイガラムシが発生します。特に日陰や風通りの悪い場所では大発生しやすいので置いている場所の環境改善を行うことも重要です。

「ハダニ」は通常屋外では大発生はしにくいですが、雨が降らない日が続いたり、屋根下で育てている場合などで発生しやすくなります。水を嫌うため、株全体を濡らすような水やりをすることで発生を抑えることができます。

鉢で育てている方は「ネキリムシ(コガネムシの幼虫)」が鉢の土で発生することがあります。

「カイガラムシ」「ハダニ」が発生してしまった場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

上記の害虫の中で「ネキリムシ」だけ土中に発生するので、植え替えて土をかえるか、「ネキリムシ」が退治できるクロアチニジンなどを含む粒剤を使う必要があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする