Contents
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の基本情報
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の特徴
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の置き場所と年間管理
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の年間管理表
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の植え替え
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の用土の選び方
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の水やり
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の肥料の与え方
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の増やし方
- アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の病害虫
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の基本情報
科名:キジカクシ科(クサスギカズラ科)
Asparagaceae
————————
属名:リュウゼツラン属(アガベ属)
Agave
————————
学名:Agave attenuata
————————
別名:アガベ・アテナータ
アガベ・アテヌアータ
アガベ・アテヌアタ
————————
英名:Foxtail Agave
Lion’s tail Agave
Swan’s neck Agave
————————
原産:メキシコ中部~西部
————————
高さ:50㎝~1.5m
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:やや弱い
————————
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の特徴
アガベ・アテナータは葉が多肉質で柔らかく、他のアガベに見られる葉の縁の鋸歯や葉先の棘がない特徴的なアガベで、学名の「Agave attenuata」から「アガベ・アテナータ」「アガベ・アテヌアータ」「アガベ・アテヌアタ」とも呼ばれます。
メキシコ中部~西部の標高400~2500mまでの温帯林と熱帯乾燥地帯が移り変わる地帯に野生化しており、火山性の岩などが多くありつつも松類などが生えるような環境に生えています。
ただし野生個体本来の自生地は限られており、メキシコのハリスコ州東部~メヒコ州にわたる標高2000m前後に小さな個体群の報告があるくらいだそうです。
日本では花序を見る機会はあまりないですが、自生地では伸びあがった花序は湾曲して倒れることに由来して「Foxtail Agave」「Lion’s tail Agave」「Swan’s neck Agave」などの英名があります。
地際でロゼットを形成し、十分に根が張れる場所に植えると子株の成長が良く群生株のように育つことがありますが、鉢植えの場合は子株の萌芽と成長が遅く、親株の成長に伴い下葉が落ちるので幹立ちのような株姿に育ちます。
葉色は黄緑~青緑で斑入り個体もあり、特にシルバーブルーの色味が強い「ボーチンブルー」などの品種もあります。
アガベの中では耐寒性がやや低く屋外越冬に工夫が必要ですが、柔らかい葉姿と対照的な力強い幹立ちの姿は他のアガベにない魅力があります。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の置き場所と年間管理
アガベ・アテナータは陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。
暑さや寒さに対してある程度の耐性はありますが、他のアガベの仲間と比べると耐暑・耐寒性はやや下がり、真夏の直射日光で葉焼けしたり、冬期は積雪や霜による凍害があります(※)。
そのため鉢植えで育てて、冬期は室内の陽当たりか屋外の屋根下に移動するか、地植えの場合は陽当たりの良い南側の屋根下など雪・霜が当たらない場所に植えた方が良いです。
夜間も車通りが多い市街地や道路周辺・海が近い地域などは、霜が降りにくく積雪しにくくなるため排水の良い土壌であれば屋根外で地植えができることもあります。
または株が小さいころは耐寒性が低いなどの理由から極度の低温は避けた方が良いと考えられます。
アガベ・アテナータをふくむアガベの仲間は、株の成熟後に開花は生涯で一度だけ行います。その後に株は枯死しますが、生育中に子株が芽吹いたり開花後の種などで増えていきます。
(※)USDA(アメリカ農務省)のHardiness Zoneから自生地の最低平均気温を参考にすると、アガベ・アテナータのHardiness Zoneは9b(-3.9℃~-1.1℃)から11b(7.2℃~10℃)で、-3.9℃くらいまでの耐寒性はあります。
ただし日本の場合は積雪(または積雪期間)、霜、寒風の当たり方などで自生地と日本での耐寒性は異なるため、アテナータを始めアガベを屋外植栽する場合は日本の耐寒性ゾーンマップなどと照らし合わせて植栽した方が良いです。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の年間管理表
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の植え替え
過湿を嫌うため頻繁な植え替えは必要ありませんが、鉢土をリフレッシュするために数年に1度は植え替えをしてください。
植え替えは気温が高くなり始める5月あたりからがお勧めです。温暖な地域では3~4月からの植え替えでも問題ありません。
8月~9月でも植え替えは可能ですが、生育が止まる季節が近いので、翌年5月あたりまで待って植え替えるか、鉢が割れそうなくらいの緊急性があるなら冬場に根腐れし難いように一回り大きい鉢(大きすぎない鉢)で植え替えすると良いです。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の用土の選び方
排水の良い用土を使って植え替えます。
アガベや塊根植物用の培養土での植え替えが理想です。またブレンドする場合は硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土に植え替えが良いです。
ヤシ繊維はベラボンようなアクの少ないものを使い、赤玉土は茨城用土などの潰れにくい硬質タイプを使います。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の水やり
鉢植え
他のアガベと同じく過湿は苦手ですが、夏期や気温が高い時期はかなり水を必要としますし、生育も早くなります。
夏期は表土が乾いたら鉢下から水がでるくらいたっぷりと与えます。
一方で春・秋は鉢土の表面が乾いて数日待ってから水を与えるくらいで良いです。冬場は月に一度ほどの水やりくらいで十分です。
水の渇きで簡単に枯れる植物ではないですが、極端に乾いている状態で放置すると、根の枯死から始まり、葉先から傷み始めます。
地植え
雪霜が当たらない場所に植えている場合は雨も降りこみにくいため、地植えでも適度に水やりを行います。
夏場は数日~1週間に1回くらいの頻度で水を与え、春・秋は月に1~2回くらいの頻度で水を与えます。冬は水やりを完全に止めます。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の肥料の与え方
肥料やりは生育が活発な5月から8月あたりまで、緩効性の置き肥を鉢土の上に与えるか、液体肥料を水やりの際に与えます。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の増やし方
アガベ・ゲミニフローラは子株の株分け、種まきで増やすことができます。
株分け
他のアガベと同じく株の根元などから子株がでます。
発根するくらいの大きさに育った子株を取り分け、切り口に殺菌剤を粉の状態で塗して乾いた専用培土で植え替えます。
3~5日間日陰で静置して切り口を乾かしてから水を与えて下さい。
種まき
アガベの仲間は生涯に一度だけ開花しますし、上記の通り開花までにかなりの年数を要します。
開花まで育て種を採取するより、ネットなどから種を取り寄せて種まきをすると良いかもしれません。
種まきは気温の上がる6月以降が良いです。ポットなどに赤玉土の細粒か多肉植物用の土を入れ、種をまき種が隠れるくらいに覆土します。
水を与え、発芽までは直射日光のあたらない明るい日陰に置きます。発芽は品種にもよりますが1~2週間くらいで発芽します。
アガベ・アテナータ(Agave attenuata)の病害虫
比較的病害虫も少なく管理しやすい観葉植物ですが「カイガラムシ」が発生することがあります。
害虫
「カイガラムシ」は葉や葉の基部などに発生しやすく、風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。大発生すると葉色が著しく悪くなり、すす病などを併発することがあります。
退治・治療方法
大まかなカイガラムシを布などで拭きとり、市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。
また丈が1m以下の場合はアセフェートやクロアチニジンの粒剤を定期的に鉢にばら撒いて予防ができます。