ライオンズイヤー/ カエンキセワタ(火焔着せ綿)の育て方

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの基本情報

科名:シソ科 Lamiaceae
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属名:カエンキセワタ属(レオノチス属)
   Leonotis
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学名:Leonotis leonurus
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和名:カエンキセワタ(火焔着せ綿)
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和名:ライオンズイヤー
   レオノチス
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英名:lion’s ear
   lion’s tail
   wild dagga
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原産:南アフリカ
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開花時期:10月~12月
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高さ:2m~3m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの特徴

レオノチス属はインド~アフリカ東部・南部にかけて15種あり、カエンキセワタ(火焔着せ綿=Leonotis leonurus)は南アフリカ原産で、秋から初冬にかけてオレンジの花を咲かせるシソ科レオノチス属の多年草(地域によって一年草)です。

属名の「Leonotis(レオノチス)」は「ライオンの耳」という意味があり「ライオンズイヤー(lion’s ear)」という別名もあります。

花色は代表的なものはオレンジですが、野生種にもクリームホワイト~アプリコットなどの花色があります。

抗炎症作用・抗酸化作用などがあり現地では伝統的にハーブ利用され、葉が傷つくと芳香が出るためハーブ苗として販売されることも多いですが、日本では観賞用として植栽されることが多いです。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの管理と置き場所

カエンキセワタ(火焔着せ綿)は陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。

原産環境は湿った草原等ですが、日本では夏の多雨多湿で傷むことがあるため排水の良い土壌を好みます。

一方でやせ地や乾燥にもよく耐えるので、比較的簡単に育てることができます。

株が大きく育つため主に地植えが育てやすいですが、鉢で育てる場合は10号以上の大きな鉢で育てます。

茎葉全体に短毛があって株全体がシルバーブルーの色合いに見えますが、短毛で覆われていることから日陰での生育が悪くなるため十分光量が当たる場所で育てた方が良いです。

本来は多年草ですが、耐寒性はあまり高くないため、地域によって防寒して越冬させるか一年草扱いとして育てます。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの年間管理表
 
カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの植え替え

株が大きく育つため、苗を入手後になるべく早く露地に植え替えるか、12~13号以上の大きな鉢に植え替えます。

地植え

カエンキセワタは大きな株に育つため、予め幅・深さともに50~60㎝程度の植え穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割を混ぜて植え付けます。

暖地・温暖地など積雪期間が短く霜の穏やかな地域の場合は、地表の防霜または寒さ対策なしで越冬することがありますが、寒風が厳しい地域では株の周囲に覆いをして寒さから守る必要があります。

寒さの厳しい地域では凍結前に掘り上げて鉢に移し、凍結しない場所で越冬させる必要があります。

鉢植え

カエンキセワタは大きな株に育つため、健康的な株に育てるためには12~13号くらいの大き目の鉢に植え替えた方が管理しやすくなります。

また1年で大きく育つため、毎年初春の霜が降りなくなる時期に植え替えを行い、土替え・根の整理(必要ならば株分け)を行います。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの用土の選び方
地植え

排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

また植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。

鉢植え

市販の花用の培養土で育ちます。

ただ保水性の高い培養土の場合は、市販の培養土に赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ1割ずつ混ぜて植え替えます。

混合する場合は、赤玉土小粒:鹿沼土小粒:腐葉土を等量混合で用土を作ります。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの水やり
地植え

植え付けた後にたっぷりと水を与えた後は基本的に天候任せで水やりをする必要はありません。

ただし夏場で晴天が続くようであれば、表土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。

鉢植え

春~晩秋までは表土が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

夏前後で株が大きく育つと土の乾きが早くなるため、特に梅雨明け以降は水切れに注意する必要があります。

冬も表土が乾いてから水を与えますが、生育が止まって吸水量が減っているため過湿になりやすいので水の与え過ぎに注意します。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの肥料の与え方

やせ地でもよく育ち、かつ肥料が多すぎると株が大きく育ちすぎることもあり、あまり施肥の必要はありません。

ただ地植えする場所の土質や鉢植えの場合では少量肥料を施した方が良い場合もあります。

地植え

地植えの場合は肥料を与える必要はありませんが、植え付け時と越冬株は有機肥料を与えることで健康的に育ちます。

植え付け時は、土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付けると生育が良いです。

越冬株は3月あたりの芽吹く時期に株元から離した株回りに、完熟の有機肥料を与えます。

鉢植え

鉢植えの場合は土が有限なので、株が大きく育つカエンキセワタでも肥料切れを起こすことがあるため、植え付け・初秋(開花前)・植え替え時に肥料を与えた方が良いです。

植え付ける際は、元肥として根を傷めにくい緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。

初秋~開花前にかけて肥料切れが起きることがあるので、鉢縁に緩効性の化成肥料を与えるか液体肥料を薄めて与えます。

また越冬株の植え替えの際にも、植え付け時と同様に緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え直します。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの手入れ
切り戻し

翌年の芽吹くシーズンまで枯れた茎葉が残っていると株の見た目が悪くなるので、降霜期が過ぎて新芽も小さい早春~初春までに前年の茎葉を切り取ります。

開花が終わった初冬に茎葉を切り取ることができますが、枯れた茎葉が霜から根元を守る機能があるので、防寒しない地域では根際から切り取らずに株の半分程度を切り取り、残り半分を早春~初春に切り取ると良いです。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの増やし方

カエンキセワタは株分け・挿し芽・種まきで増やします。

株分け

株分け時期は2月末~3月(降霜期が過ぎて新芽が伸びだす前の時期)に行います。

鉢植えであれば根鉢を取り出し、地植えであれば掘り上げて、株の中心を境に、各株に根が付くように分割します。

挿し芽

挿し芽の時期は4月~6月・9月~10月に行い、固く充実していて、かつ茶色に古木化していない茎部を使って挿し芽します。

充実した茎を3~4節に切り分け、挿し穂の下側1/3の葉を取ってから水に漬けて給水させます。なお親株に前日たっぷりと水を与えておくとより効果的です。

育苗トレーや鉢などに湿らせた挿し芽用の土やバーミキュライトなどの清潔な用土を入れ、挿し穂の1/3が埋まるように土に挿します。

なお挿し穂に発根促進剤を付けたり、活力剤を水に加えることで発根率が上がります。

種まき

種まきは市販の種か前年採種したものを使って種まきできます。

撒き時期:春まき(3月~4月上旬)します。

撒き方:直播きでも芽がでますが、苗を作る場合は育苗トレーなどを使います。

育苗トレーに種まき培土を入れて十分湿らせ種が重ならないようにバラ撒きして5㎜程度軽く覆土します。

発芽後から移植できる大きさに育つまで適宜間引きをしながら育て、本葉数枚育ったころにポットに移植するか花壇に植え付けます。

カエンキセワタ(火焔着せ綿)/ ライオンズイヤーの病害虫

害虫として「ハダニ」など発生することがあります。

害虫

「ハダニ」
乾燥する環境下で葉裏にから広がっていき、葉裏から吸汁するため、葉色がかすれた様な色合いになります。

地植えではあまり大発生することはありませんが、鉢栽培で屋根下や室内に置いている場合は乾燥しやすく発生しやすくなります。

またハダニはクモの仲間なので、大発生すると蜘蛛の巣状の糸を張り始めます。

葉裏から株全体に定期的に水をかけることで発生を抑えることができます。

退治・治療

「ハダニ」が発生した場合では、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防や退治をすることができます。

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