ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の育て方

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の基本情報

科名:アカバナ科 Onagraceae
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属名:マツヨイグサ属(オエノテラ属)
   Oenothera
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学名:Oenothera lindheimeri
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異名(Synonym):Gaura lindheimeri
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和名:ヤマモモソウ(山桃草)
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別名:ハクチョウソウ(白蝶草)
   ガウラ
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英名:Lindheimer’s beeblossom
   Lindheimer’s gaura
   Lindheimer’s clockweed
   Indian feather
   Gaura
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原産:アメリカ(ルイジアナ州南部~テキサス)
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開花時期:5月~11月
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高さ:30㎝~1.5m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い~やや弱い
  (品種により異なる)
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ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の特徴

「ガウラ」または「ハクチョウソウ(白蝶草)」はアカバナ科マツヨイグサ属の多年草で、蕊が長く蝶のような花を初夏~晩秋にかけて咲かせます。

「ガウラ」の名は旧学名の「Gaura」が元になっていて、現在のガウラ属は「Oenothera sect. Gaura」としてマツヨイグサ属(Oenothera)に分類されています。

主に流通するのは米国ルイジアナ州南部~テキサス原産の多年草「オエノテラ・リンドヘイメリ(Oenothera lindheimeri)」で、和名は「ヤマモモソウ(山桃草)」ですが、旧学名から「ガウラ」や花姿から「ハクチョウソウ(白蝶草)」の名が一般的です。

日本へは明治時代に伝わって観賞用として栽培され、多くの園芸品種も作られています。

野生種のような白花で草丈も2m前後まで高くなる種類以外にも、花色は白~濃ピンク・複色花などがあり、草丈も30㎝~1mくらいの矮性種があります。

葉色も赤葉や斑入りの品種もあり、矮性品種を寄せ植えの花材に使ったり、開花期間の長さと草丈を活かして花壇の後方の演出する多年草として植えることもできます。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の管理と置き場所

ガウラ(ハクチョウソウ)は陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。

秋咲きの品種や半耐寒性の品種もありますが、多くの品種が耐暑性高く初夏~晩秋まで花を楽しめ、耐寒性も高いので幅広い地域で植栽できます。

鉢植え・地植えどちらでも栽培できますが、品種により高性種と矮性種があるので、栽培状況に応じて品種や草丈を選んだ方が良いです。

地植え

高性種・矮性種ともに地植えでき、高性種は花壇後方に植え、矮性種でも30~1mくらいの草丈に育つので花壇中方に植えます。

根茎が発達して太くなるため土壌の過湿を嫌います。花壇などに植え付ける場合も排水良く土を作り変えるか、レイズドベッドや盛り土をして排水良くしてから植え付けます。

鉢植え

矮性種の方が育てやすいですが、高性種を育てる場合は大き目の鉢に植え支柱を立てて株が倒れないように育てます。

陽当たりの良い場所に置き、排水の良い土を使って植え付ければ比較的簡単に育てられますが、根詰まりしやすいため株の生育にあわせて植え替えが必要になります。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の年間管理表
 
ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の植え替え

苗を入手後になるべく早く地植えまたは一回り大きな鉢か複数株をまとめて大きな鉢に植え替えを行います。

越冬株の植え替えは真夏と凍結する時期を除き年間通して植え替えできますが、芽が動き始め(または芽が動く少し前)あたりが良いので早春~春(2月末~4月上旬)に行います。

鉢植えの越冬株は根詰まりしていることが多いので、基本的に毎年春に1回植え替えます。

植え替えの際は、根鉢を取り出して太い根を傷つけないように土を落とし、新しい土で植え替えます。

地植え株の場合は植え替えの必要はありませんが、株が大きくなって植栽のバランスが崩れる場合は数年に1回掘り上げて株分けを行うと良いです。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の用土の選び方
地植え

比較的土を選びませんが根が太くなり多湿を嫌うので、排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

排水の悪い土壌の場合は植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。

鉢植え

市販の花用の培養土でも育ちます。また混合する場合は、赤玉土小粒:腐葉土=7:3で用土を作ります。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の水やり
地植え

植え付けた後にたっぷりと水を与えた後は基本的に天候任せで水やりをする必要はありません。

ただし夏場で晴天が続くようであれば、表土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。

鉢植え

新芽がでて葉が枯れるまでの春~晩秋までは表土が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

冬も表土が乾いてから水を与えますが、根を残して休眠しているため給水量が極めて少なく過湿になりやすいので水の与え過ぎに注意します。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の肥料の与え方
地植え

土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付けます。

地植えの場合は追肥を与えなくても良く育ちますが、土質を維持するために休眠期の冬に完熟堆肥などを株の周囲に混ぜ込みます。

鉢植え

元肥として、植え付ける際に根を傷めにくい緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。

追肥は開花期間中は月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えるか、液体肥料を月に2回の頻度で薄めて与えます。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の手入れ
摘芯

新芽が伸びだす4月~5月あたりに摘芯を行うと、枝数が増えて株張りと花数も増やすことができ、草丈を抑えることもできます。

剪定・切り戻し

花がある程度咲き終わった茎を適宜切り取ることで、開花期間中であれば次の花を咲かせることができます。

あるいは一茎ごとに切り取らず、株全体である程度花が咲き終わった段階で切り戻して咲かせます。

切り戻す際は、草丈の半分程度で切り戻しを行うと草丈は高めになるものの早めに咲かせることができ、株元から切り戻しを行うと開花が少し遅れるものの草丈を抑えることができます。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の増やし方

キキョウは「挿し芽」「種まき」「株分け」で増やします。

挿し芽

挿し芽の時期は5月~7月に行い、新芽を使って挿し芽します。

新芽先端から3~5㎝を切り取り、挿し穂の下側1/3の葉を取ります。茎や葉の切り取りの際に乳液がでるため洗い流し、水に漬けて給水させます。親株に前日たっぷりと水を与えておくとより効果的です。

育苗トレーや鉢などに湿らせた挿し芽用の土やバーミキュライトなどの清潔な用土を入れ、挿し穂の1/3が埋まるように土に挿します。

なお挿し穂に発根促進剤を付けたり、活力剤を水に加えることで発根率が上がります。

種まき

園芸品種では花色が親株と異なるものが咲いたり、種が付きにくい場合がありますが、野生種に近い白花種などは比較的採種しやすく零れ種でも良く増えます。

撒き時期は5月あたりが良く、暖かい地域であれば4月~5月に種まきでき、寒い地域では5月~6月に種をまきます。

育苗トレーに種まき培土を入れて十分湿らせ種が重ならないようにバラ撒きして軽く覆土します。

育苗トレーの場合は発芽後から移植できる大きさに育つまで適宜間引きをしながら育て、本葉数枚育ったころにポットに移植するか花壇に植え付けます。

株分け

株分けは休眠開け~生育初期あたりが良く、目安として3月あたりの時期で、地際から複数の芽が出ているような大き目の株で行います。

鉢から根鉢を取り出すか、地面から掘り上げた株を少なくとも3芽くらいの芽数を付け根もセットにして取り分けます。

ガウラ/ハクチョウソウ(白蝶草)の病害虫

害虫として「アブラムシ」、病気として「灰色かび病」など発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は春先に新芽・蕾周辺・花裏・葉裏などに発生します。

陽当たりや風通しが悪い場所やで発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

病気

「灰色かび病」は終わった花柄や枯れた葉に発生します。

主に梅雨時期など過湿期に発生しやすく、灰色~灰褐色のカビが伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去します。

退治・治療方法

「アブラムシ」「灰色かび病」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

害虫の場合で、草丈が1m以下であればアセフェートやクロアチニジンを含む浸透移行性の粒剤などを撒くことで退治・予防ができます。

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