イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の育て方

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の基本情報

科名:イチョウ科 Ginkgoaceae
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属名:イチョウ属 Ginkgo
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学名:Ginkgo biloba
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和名:イチョウ(銀杏・公孫樹・鴨脚樹)
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別名:ギンナン(銀杏)
   ギンキョウ(銀杏)
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英名:Ginkgo(Gingko)
   Maidenhair tree
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原産:中国
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黄葉:10月末~12月中旬(地域によって異なる)
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収穫時期(雌株):10月~11月
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高さ:20~40m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の特徴

イチョウはイチョウ科イチョウ属の落葉高木で、秋に鮮やかな黄色に色づく黄葉を観賞したり、種子をギンナンとして食用にします。

また「生きている化石」でもあり、古生代ぺルム紀には出現しジュラ紀に多くのイチョウ科植物が世界的に繁茂してしたようですが、現在ではイチョウ(Ginkgo biloba)の一種だけが現存しています。

中国原産と言われており、日本への伝来は古墳時代~室町時代までと諸説ありますが、文献上は南北朝~室町時代には伝来しているようです。

耐寒性・耐暑性ともに高く日本では北海道から沖縄まで植栽されて、耐火性のあるコルク質の表皮から防火用に植林されたり、病害虫や刈り込みに強いために公園や街路樹などの植栽されています。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の管理と置き場所

イチョウは陽当たり・風通しの良い場所で、土質はあまり選びませんが保水・排水のバランスが良い土質を好みます。

ただし苗の場合は極度に乾く土質では生育が悪化するため、もし山砂や真砂土などのような砂質の土壌の場合は適度に保水性を持たせるため赤玉土などを半量加えて土作ってから植え付けます。

病害虫被害も少なく育てやすい樹木で、高木で数十m以上に育つため庭木として地植えすることがほとんどですが、庭木として植える場合でも大きく育つことを想定して場所選びを行う必要があります。

またギンナンとして収穫をする場合は雌株と雄株を植栽する必要がありますが、近隣に街路樹や公園で雄株が植栽されている場合は雌株のみでも実(種)が収穫できます。

ただしギンナンは果肉部に異臭があるため、住宅街で植栽する場合は近隣の住んでいる方の十分な理解してもらったうえで植栽した方が良いです。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の年間管理表
 
イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の植え替え

植え替えは3月~4月に行い、開花後の新芽が動く前か新芽の伸び始めまでに植え替えます。

ポット苗のような比較的小ぶりな苗でも50㎝~60㎝の穴は掘って植え付け、根鉢が大きい場合は根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘って植え付けます。

植え付けの際は、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土と黒土を混ぜ保水性を高めます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の用土の選び方

定植する前に完熟の牛糞堆肥または馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土と黒土を混ぜ保水性を高めます。

鉢植えの場合は赤玉土小粒:腐葉土:黒土=5:3:2を混合した土に植え替えます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の水やり

イチョウの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植えの場合は概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えて下さい。9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合は年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

特に水切れを嫌うため、夏場は土が乾ききらないようにたっぷりと与えます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の肥料の与え方
元肥

地植えの場合は植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

鉢植えの場合は緩効性の化成肥料を混ぜ込んでから植え付けます。

追肥

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、2月下旬~3月に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

鉢植えの場合は開花後の6月あたりにお礼肥として鉢の縁に緩効性の化成肥料などを与えます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の剪定/刈り込み

イチョウの剪定は落葉期の11月末(地域によって12月)~2月(地域によって3月)に行います。積雪しやすい地域では降雪期間を避けた初冬と早春の芽吹き前までに行います。

自然樹形

イチョウは数十mの高さに育つ高木で自然樹形で育てる場合は、外壁や電線など周囲や上方に十分に広い空間が必要になります。

自然樹形の場合は大掛かりな剪定は必要なく、徒長した枝や込み合った枝などを剪定します。

武者立ち樹形

空間が限られる場合は「武者立ち」と呼ばれる仕立て方で育てます。

上方への生育を抑えるため主幹の上部を切り取り、その後側枝も全体的に刈り込んで樹形をコンパクトに育てます。

武者立ち樹形の場合は、以降は側枝の込み合う枝や徒長枝を剪定しバランスを整えます。

また幹上部から新たな主幹となる徒長枝が伸びた場合は適宜切り取り樹高を抑えます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の増やし方

イチョウは「挿し木」「種まき」で増やします。

挿し木

時期は3月~4月あたりに、前年の枝から直径1~2㎝のものを選んで15~20㎝くらいに切り分け挿し穂を作ります。

良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

種まき

秋に熟した実を採集し、実から種を採りだして果肉を洗い落とし、そのまますぐに種まきするか翌春(3月~4月)に種まきします。

春から種まきする場合は、種が乾ききらないように湿らせたキッチンペーパーなどにくるんだ後にビニールなどに入れ、春まで冷蔵庫内で保管してから種まきします。

種まきする場合は、花用の土などをポットやプランターなどに入れて種を深さ1~2㎝に埋め込みたっぷりと水を与え、発芽するまで明るい日陰に置きます。

イチョウ(銀杏・公孫樹)/ ギンナン(銀杏)の病害虫

イチョウは病害虫に強く、病気や害虫による目立った被害はありません。

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