ディコンドラ(ダイコンドラ)の育て方

ディコンドラ(ダイコンドラ)の基本情報

科名:ヒルガオ科 Convolvulaceae
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属名:アオイゴケ属(ディコンドラ属)
   Dichondra
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学名:Dichondra
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シノニム:Dichondropsis
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和名:アオイゴケ
   (葵苔=Dichondra micrantha)
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原産:熱帯~温帯地域
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高さ:3㎝~10㎝(長さは約50㎝)
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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ディコンドラ(ダイコンドラ)の特徴

匍匐性で地表を這うように茂るので、グランドカバーとして植栽したり、下垂する性質からハンギングバスケットや寄せ植えの花材としても使うことができます。

属名の「Dichondra」は、開花後に小さな2つの実をつけることからギリシャ語の「δίς(=DIS:2)」および「χόνδρος(=chondros:穀物)」を由来としています。「ダイコンドラ」や「ディコンドラ」と読まれ、流通上はどちらの名前も使われています。

ディコンドラは十数種で構成される小さな属で、どこまでをディコンドラに含めるかなどは確定していませんが、熱帯から涼しい温帯地域まで自生しています。

ディコンドラ・ミクランサ(Dichondra micrantha)は日本にも自生しており「葵苔」という和名もあります。

店頭で見かけるディコンドラは緑葉種と銀葉種の2種があり、緑葉種はアジア等が原産のディコンドラ・ミクランサをもとにした品種でやや土の湿度を好む傾向があり、銀葉種はアメリカ南部~メキシコ北部原産のディコンドラ・アルゲンテア(D. argentea)をもとにした品種で過湿を嫌い排水の良い土壌を好みます。

多くの場合、緑葉種は「エメラルドフォールズ(D. micrantha ‘Emerald Falls’)」、銀葉種は「シルバーフォールズ(D. argentea ‘Silver Falls’)」という品種が出回っています。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の管理/置き場所

緑葉種のディコンドラは比較的土中の湿度に強く、根の部分であれば滞水していても育ちます。

また陽当たりを好みますが、明るい日陰でも良く育ちます。一方で銀葉種のディコンドラは排水性の良い環境と陽当たりを好みます。

地表を這うように伸びる蔓は、各節ごとに葉と根を伸ばして成長していきます。

株は地表を這うように茂りグランドカバーのように育ちます。特に排水の良い土を好む銀葉種は、根が地表近くを浅く張ることもあり、頻繁に足を踏み入れる場所では土が固くなるため生育が悪くなります。

冬期の寒さが氷点下になる場合は葉が少なくなるか、葉が枯れますが、暖地や温暖地では蔓が越冬し多年草として育ちます。

寒冷地など積雪や土中が凍結が厳しい地域では根が凍るため一年草として扱います。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の年間管理表
 
ディコンドラ(ダイコンドラ)の植え替え

苗を購入後、一回り大きな鉢、寄せ植え、または花壇などに植え替えます。

植え替えの適期は3月~5月、9月~10月です。ただ秋の植え替えは、10月末や晩秋に差し掛かると越冬に支障がでることもあるので、早めの植え替えが良いです。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

特に根詰まりを起こすと葉が枯れ混み、見た目が著しく悪化するので適宜の植え替えが良いです。

暖地または温暖地では地植えでグランドカバーとして育てることもできます。

陽当たりの良い場所に根が張りやすいように土を作ったうえで植え付けます。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の用土の選び方

市販の花用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の水やり

ディコンドラの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。一方で夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の肥料の与え方

ディコンドラはあまり肥料を必要としませんが、鉢植えの場合は置き肥を春と秋に与えた方が良いです。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の剪定/刈り込み

ディコンドラは這うように茂るため、望まない場所まで伸びすぎた場合は適宜切り取り除去します。

寄せ植えでは下垂して演出することも多く、伸びすぎた場合は寄せ植えのバランスが崩れるため、茂りすぎた部分を思い切って刈り込むことで新芽を出だせて更新します。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の増やし方

ディコンドラは株分け・挿し芽(蔓伏せ)・種まきで増やします。

株分け

株分けの適期は4月~5月で、蔓と根が揃って分けられるように、地面から掘りあげるか、親株を切り分けて植えなおします。

挿し芽(蔓伏せ)

ディコンドラの挿し芽は蔓伏せで行う方法が良いです。適期は株分けと同じく4月~5月あたりで、親株から伸びた蔓を土の上に置き針金などで蔓を土に固定します。発根後に親株から切り分け増やします。

すでに接地している蔓が発根している場合は、根ともに蔓を切り分けて増やすこともできます。

種まき

種まきの適期は4~6月、9月~10月で、市販の種まき用土か花用の土に種を撒き、1㎝程度覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。

本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

ディコンドラ(ダイコンドラ)の病害虫

比較的病害虫に強いですが、「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は葉裏などから発生し、グランドカバー状に育つので気づきにくいですが、大発生すると吸汁害虫なので葉に黒いカビが生える「すす病」を併発します。

特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。

「カイガラムシ」は葉の付け根や枝などに発生し、アブラムシ同様に大発生すると吸汁害虫なので葉に黒いカビが生える「すす病」を併発します。

陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。

退治・治療方法

どちらの害虫も極度の日陰や風通しの悪い環境で害虫が発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

発生した場合は市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と「アブラムシ」「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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