ポーチュラカ/ハナスベリヒユの育て方

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの基本情報

科名:スベリヒユ科 Portulacaceae
————————
属名:スベリヒユ属(ポーチュラカ属) Portulaca
————————
学名:Portulaca umbraticola あるいは Portulaca oleracea x Portulaca pilosa subsp. grandiflora など
————————
和名:ハナスベリヒユ(花滑莧)
————————
原産:園芸種
————————
開花時期:5~11月
————————
高さ:10~15㎝
————————
耐暑性:強い~やや強い
————————
耐寒性:弱い
————————

 ポーチュラカの特徴

ポーチュラカという名は、本来スベリヒユ科スベリヒユ属(ポーチュラカ属)という種属全体の属名ですが、一般的に流通している場合は和名でハナスベリヒユ(花滑莧)と呼ばれる一年草の園芸種を指します。

田畑や花壇等で雑草として生え、黄色い小さな花を咲かせるスベリヒユ(Portulaca oleracea)という一年草があり、花が大きく観賞できることからハナスベリヒユの和名が付いています。

花色はビビッドなピンク、黄色、白、複色まであり鮮やかです。日中は花が開いて、夕方から花を閉じ気味に窄めます。多湿は苦手なものの乾燥に強く、夏の日差しに強さと水管理などが楽なため梅雨以降の夏花壇の植栽に向いている花です。また斑入り葉品種などもあり寄せ植えの花材としても魅力です。

1983年にドイツから日本に入ってきたとされていますが、植物としての由来ははっきりしておらず、スベリヒユを改良した園芸種という説、タチスベリヒユ(P. oleracea var. sativa)の変異種という説、スベリヒユとその他のポーチュラカとの種間交雑種(Portulaca oleracea x P. pilosa subsp. grandiflora)という説、ポーチュラカ・ウンブラティコラ(Portulaca umbraticola)をもとに改良された園芸種という説などがあります。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの仲間

ポーチュラカ属の中には、マツバボタン(松葉牡丹=P. grandiflora)やヒメマツバボタン(姫松葉牡丹=Portulaca pilosa)、乾燥に強く多肉植物として流通しているポーチュラカ・ウェルデルマニー(Portulaca werdermannii)なども含まれます。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの管理/置き場所

ポーチュラカは陽当たりよく、風通りと排水性の良い土など過湿を避ける環境で育てて下さい。

6月~10月(暖地であれば11月まで)の開花期であれば随時開花します。ポーチュラカは不稔性(種が付かない)か種が付きにくい性質がありますが、開花後放置した場合見た目が悪くなるので、ある程度の花柄摘みを行った方が良いです。

ポーチュラカはかなり過湿を嫌う傾向がありますが、苗の流通は5月末~6月あたりから出回るため、植えた後に梅雨を挟み株が傷むことがあります。梅雨を意識して排水良く土を作ってから植えるか、梅雨後に植えるなどの工夫をすると良いです。

寒さとともに枯れるため一年草として扱われます。上記の通り種の販売はないため、越冬させる場合は一部の挿し穂を室内に取り込むなどの防寒対策が必要となります。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの育て方/年間管理表
 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの植え替え

5月末~6月あたりから苗が出回ります。苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えて下さい。

根が細く切れやすいため、根詰まりを起こしている場合を除き、根鉢を崩さずに植え替えた方が生育が良いです。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくしてください。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの用土の選び方

土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土を選んでください。多肉植物用の土や観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が良く育ちます。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、植えた初期は過湿気味になりやすいため水の与え方に注意が必要です。市販の花や野菜用の培養土をそのまま使う場合は、鉢やプランターに植えるポット数を増やすか、市販の培養土に軽石の小粒を2~3割混ぜて植えると水管理での失敗が減ります。

庭や花壇に植え替える場合は、排水の良い土質に作り替えてから植えて下さい。もし排水が悪い場合は、軽石小粒や堆肥、腐葉土などの混ぜ込み水通りを良くしてから植え替えます。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの水やり/肥料の与え方

水やり:ポーチュラカの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いた翌日~翌々日に鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後に水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。一方で夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

肥料:ポーチュラカは連続開花をするため比較的肥料が必要となります。植えるときの元肥や開花中の追肥を与え、肥料切れがおきないようにしましょう。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度は与えた方が良いと思います。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの剪定/刈り込み

まず苗を植え付けた時点でピンチ(摘芯)を行い枝数を増やします。摘み取った枝が10㎝以上の長さがある場合は周囲に挿すことで簡単に増やせます。

基本的に剪定や刈り込みは必要ありませんが、花後の花柄が目立つようであれば摘み取るか、全体的に軽く刈り込みを行うと良いです。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの増やし方

ポーチュラカは挿し芽で増やします。ポーチュラカ(ハナスベリヒユ)は種が付きにくいため種子の販売はほぼ見かけません。同属のマツバボタンが「ポーチュラカ」の名で種子販売があるため、購入時に気を付けて下さい。

挿し芽は5月~9月の気温が高い時期であればいつでもできます。

挿し穂を先端から10~15㎝くらいくらいで切り取り、土に挿すところまで(2~3㎝くらい)の葉を落とします。挿し木専用土や赤玉土の小粒など清潔な土を準備し、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。かなり発根する能力が高いため、切り取った挿し穂を親株の周囲に挿しても根付くことがあります。

明るい日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられます。数回ピンチを行い枝数と根数を増やしてから根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 ポーチュラカ/ハナスベリヒユの病害虫

病害虫にかなり強いですが「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

「アブラムシ」は葉裏や花弁裏などから発生します。土の過湿や風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「カイガラムシ」は葉の付け根や茎などに白い綿状に発生します。被害が酷いと「すす病」を併発します。アブラムシ同様に陽当たりや風通しの悪い場所では特に被害が酷くなりやすいので注意が必要です。

「アブラムシ」や「カイガラムシ」の退治する場合、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤などを鉢内に撒くことでどちらの害虫も予防と退治ができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする