アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の育て方

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の基本情報

科名:キジカクシ科 Asparagaceae
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属名:アルブカ属 Albuca
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学名:Albuca spiralis cv. ‘Frizzle sizzle’
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原産:南アフリカ・ケープ州北部~西部
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開花時期:4~5月
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高さ:~20㎝(開花時)
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の特徴

くるくるとスパイラルする変わった葉が魅力の球根植物で、特に特徴的な葉姿が多いケープバルブと呼ばれる南アフリカ・ケープ州原産の球根植物の一種です。

その中でも「フリズルシズル」は野生種のアルブカ・スピラリスから葉の巻が強く出るようにオランダで選抜された園芸品種で、店頭で見かけるアルブカ・スピラリスはほとんどが「フリズルシズル」です。

このくるくるとした不思議な葉の形は、自生地の強風によるダメージを減らすために他の植物に絡むことができるように進化したのではないかとも言われています。

分類方法の違いからユリ科にも属しますが、遺伝子を基にした分類法(APG分類体系)ではキジカクシ科に分類されています。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の管理/置き場所

アルブカ・スピラリスはケープバルブの中で冬型球根という秋から春に生育し、夏に休眠する生育サイクルをとります。

生育期の9月~4月までは陽当たりよく、風通りの良い環境で育て、休眠期の夏は風通しの良い日陰で断水します。

葉の巻きを強く出したい場合は、葉が出る少し前から直射日光を当て、水やり肥料やりを抑え気味に管理します。

一方で明るい日陰や水・肥料を十分に与えて育てることも可能ですが、程度により間延びした葉姿やネギのように真っすぐ葉が伸びた姿になります。

冬型のため寒さには強く、積雪する寒冷地を除けば屋外越冬ができます。温暖地ならば雪や霜が降りる地域でも屋外屋根下に出した状態で越冬できます。

春から太めの茎を球根の中心から伸ばして黄緑色の花を咲かせます。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の育て方/年間管理表
 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の植え替え

夏場の断水だけでなく生育期も水やりを抑えるため、まめな植え替えは必要ありませんが、1年~2年に一度は土を変えるために植え替えた方が良いです。

また鉢土が乾きやすくなるように鉢は大きすぎない鉢に植えてください。目安としては球根の大きさに対して一~二回りの大きさが良いです。

植え替え時期は、8月中~下旬あたりの生育が始まる少し前で植え替えを行ってください。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の用土の選び方

市販の多肉植物の培養土かサボテン用の培養土で植え替えできます。休眠期の土の過湿を嫌うため排水の良い用土で植えてください。観葉植物の土に軽石や鹿沼土を混ぜて排水性を高めて植え替えることもできます。観葉の土:軽石:鹿沼土=6:2:2で配合してください。

またブレンドする場合は硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土に植え替えもできます。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の水やり/肥料の与え方

アルブカ・スピラリスは冬型の多肉植物の水やり・肥料やりに似た管理をします。

休眠期の夏は断水して全く水を与えません。

8月下旬~9月上旬あたりから葉を伸ばし始めます。活動にあわえせて徐々に水やりを開始します。ただし活動初期の水やりが多いと根腐れすることもあるので、霧吹きで軽く土を湿らせる程度に水を与えてください。

その後は徐々に水やりを増やしますが、鉢土の表面が乾いてから2~3日後あたりで水を与えるか、鉢の重さが軽くなったのを目安に水を与えてください。

5月下旬あたりで気温が徐々に上がり始めると葉が黄色く枯れ始め休眠に移行します。葉が黄色くなり始めたら、まだ緑の葉が残っているうちに水やりを減らすか断水状態にして鉢土を乾かすようにします。

肥料は間延びの原因にもなるため極力抑えますが、植え替え時に元肥の緩効性肥料を少量混ぜるか、開花から休眠の間までの充実期に薄めた液体肥料を数度与えてください。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の増やし方

アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」は球根を株分け、鱗片挿し、種まきで増やします。

球根を株分けする場合は、植え替えと同じく8月下旬あたりの生育が始まる少し前に行います。

まず鉢から株を抜き取り土を崩します。親株の球根横に子株ができていれば取り分けて植え替えします。その後の生育を考えて子株は親株の半分の大きさに育っているものを分けてください。株分け後、切り口に殺菌剤をまぶして乾いた土に植え替えて数日待ってから水を与えてください。

鱗片挿しは、鱗片という球根の一部分を切り取り増やす方法です。形は少し違いますが玉ねぎをばらして植えるような増やし方です。

球根を表面側から剥がします。この時になるべく一つのパーツが大きくなるように剥がすと成功しやすくなります。剥がした鱗片は傷口側が周辺に接さないようにして日陰に置きます。およそ1~2ヵ月で新しい球根が出るので、球根を確認後に球根が土に入るように土に挿します。その後は乾燥を抑えるために霧吹きをかける程度の水やりで管理します。葉が出始めたら本格的な水やりを開始します。

種まきの場合は、春の開花後の種を採種して秋まで日陰で風通しの良い場所で保管し、9月あたりから播種します。親株を植えるときと同じ用土を準備して種を撒き、水を与えて日陰で発芽するまで管理し、発芽後は陽当たりの良い場所へ移動して育てます。

 アルブカ・スピラリス「フリズルシズル」の病害虫

病害虫に極めて強いですが、開花中の花穂や日陰に置いている場合は葉の周囲に「アブラムシ」が発生することがあります。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤などを定期的に鉢内に撒くことで予防ができます。

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