イソトマ(ローレンティア)の育て方

イソトマ(ローレンティア)の基本情報

科名:キキョウ科 Campanulaceae
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属名:イソトマ属 Isotoma
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学名:Isotoma
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異名(Synonym):
   Laurentia sect. Isotoma
   Lobelia sect. Isotoma
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流通名:イソトマ
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別名:ローレンティア
   ラウレンティア
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英名:Isotoma
   Laurentia
   Blue star
   Star flower
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原産:オーストラリア、ニュージーランド
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開花時期:5月~7月・9月~10月
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高さ:20㎝~40㎝
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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イソトマ(ローレンティア)の特徴

イソトマ属はオーストラリア・ニュージーランドなどが原産のキキョウ科の半耐寒性多年草ですが、観賞上は春に種をまく一年草として育てます。

「イソトマ」として流通するのはイソトマ・アキシラリス(Isotoma axillaris)とその園芸種が多く、星形の薄青色や薄桃色の涼し気な花色が特徴的です。

イソトマ・フルビアティリス(Isotoma fluviatillis)をもとにした大輪花の園芸品種や、花色も薄青・薄桃色以外に白花品種や青・桃色が濃い品種などがあります。

「イソトマ」の名で店頭に並ぶことが多いですが、旧学名の「Laurentia」から「ローレンティア」と呼ばれることもあります。

イソトマ(ローレンティア)の管理と置き場所

イソトマは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

自生地では多年草ですが、寒さは苦手で霜・雪または地面の凍結で枯れ、越冬株の株姿や花付きも良くないため、春から種を撒くか苗を植えて一年草として育てます。

枝は柔らかく、立ち上がった後に緩やかにたわむためドーム状の株姿に育ちます。

草丈が40~50㎝くらいの高さに育つため、花壇に植える場合は前方~中方あたりに植えた方が良いです。

また鉢植えやプランターでも育てることはできるほか、たわんでドーム状に育った姿を活かして吊り鉢やワインカップ型の鉢で楽しむこともできます。

なおイソトマは花摘みや切り戻しの際に白い乳液がでて、肌に触れるとかぶれることがあるため、肌が弱い場合は作業時に手袋を着けると良いです。

イソトマ(ローレンティア)の年間管理表
 
イソトマ(ローレンティア)の植え替え

苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

地植えの場合は、陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。

イソトマ(ローレンティア)の用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

イソトマ(ローレンティア)の水やり

イソトマの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

イソトマ(ローレンティア)の肥料の与え方

鉢植えの場合は、元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

地植えの場合は、土質改良のための完熟堆肥とともに完熟の有機肥料か根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

以降は地植え・鉢植えともに、猛暑期を除く4月~9月まで追肥として1ヶ月に1回の頻度で株回りの株元から離れたところに置き肥を与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

イソトマ(ローレンティア)の手入れ

イソトマは花摘みや切り戻しの際に白い乳液がでて、肌に触れるとかぶれることがあるため、以下の作業を行う際に肌が弱い場合は作業時に手袋を着けると良いです。

花柄摘み

イソトマは花が咲き終わるとシードポットが育ち始め、開花しにくくなります。

咲き終わった花は花茎ごと付け根から随時折り取るか切り取ることで、次の花が咲きやすくなります。

切り戻し

夏に開花しにくくなるため株姿を整えて秋にきれいに咲かせるために、株の高さの半分まで切り戻しを行います。

ただし高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るように剪定する高さを調整します。

イソトマ(ローレンティア)の増やし方

イソトマは種まきで増やします。

種まき

撒き時期は3月~4月です。イソトマの種は好光性種子(明るい環境下で発芽する種子)のため覆土はしないか種に光が当たるくらいに極薄く覆土します。

種も極めて小さいため用土はピートバンや市販の種まき培土のように土の目が細かいものを使います。

種まきトレイに用土を入れた後、種が小さく水やりなどで流されやすいため、種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。ピートバンの場合は水に浸して給水させます。

種が固まりになったり重ならないように注意しながらバラ撒きか筋撒きします。

本葉が2~3枚出るまで育ったら定植するかポットに移植します。

定植やポットへの移植の際は、根が傷まないように苗の周りの土ごと取り出すか、土を解しながら苗を取り出します。

苗の時点で一度摘芯することで、脇芽が伸びやすくなり、株張りと開花量が増えます。

イソトマ(ローレンティア)の病害虫
害虫

「ハダニ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

「ハダニ」は夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。

発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をします。

「アブラムシ」は新芽や花穂に発生しやすいです。特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。

「カイガラムシ」は葉の付け根や枝などに発生します。アブラムシ同様に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「ハダニ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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