プリムラ・マラコイデスの育て方

プリムラ・マラコイデスの基本情報

科名:サクラソウ科 Primulaceae
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属名:サクラソウ属(プリムラ属)
   Primula
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学名:Primula malacoides
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和名:オトメザクラ(乙女桜)
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別名:プリムラ・マラコイデス
   ケショウザクラ(化粧桜)
   ヒメサクラソウ(姫桜草)
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英名:Fairy primrose
   Baby primrose
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原産:中国南部・ミャンマー・アッサム地方(インド)・ヒマラヤ
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開花時期:1月~4月
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高さ:10㎝~50㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや弱い
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プリムラ・マラコイデスの特徴

プリムラ・マラコイデスは中国南部(雲南省)~ヒマラヤ原産のサクラソウの仲間(プリムラ属)で、早春~晩春にかけてピンク系~白色の花を咲かせる二年草(または一年草)です。

葉はライムグリーン~緑のような明るい色合いで、花茎を立ち上げながら小輪の花を多数咲かせます。

花は小輪種や大輪種などがあり、その他にも一重~八重咲き種、花色は濃ピンク~淡ピンクと白花が多いですが、ライムグリーンや青系の薄紫色の品種などもあります。

凍結するほどの寒さは苦手なものの、寒い時期に花を楽しめ、花壇の春の彩りとして植栽したり寄せ植えの花材としても楽しめます。

プリムラ・マラコイデスの管理と置き場所

プリムラ・マラコイデスは初夏に種を撒いて、凍らない程度の寒さで越冬させ、春から花を楽しむ二年草(冬型一年草)です。

種または初冬あたりに店頭に並ぶ未開花苗から育てるか、早春から店頭にならぶ開花苗を植え付けて花を楽しみます。

プリムラ・マラコイデスは基本的に屋外の陽当たりと風通しの良い場所で育てますが、夏の高温と冬の霜などによる凍結や寒風は避けた方が良いのです。

そのため種から育てる場合は夏~初秋は明るい日陰で育て、秋から陽当たりで育てますが、比較的耐寒性がある小輪系は地植えできますが、小輪系以外は霜・雪が当たりにくい場所で育てた方が良いです。

また厳寒期に開花株を入手した場合は、寒さが落ち着くまで加温していない室内の窓辺で育てた方が良いです。

プリムラ・マラコイデスの年間管理表
 
プリムラ・マラコイデスの苗の選び方

株がグラつかない苗が良く、葉に黒色の斑紋がある苗(病気または寒さによる痛みなど)や葉に瑞々しさがない苗(根痛み・根腐れなど)は避けます。

プリムラ・マラコイデスの葉色は緑~ライムグリーンで他の植物より葉色が薄いですが、ライムグリーンより葉色が薄い苗や黄化している葉が多い苗は避けて、極力葉色が濃い苗を選んだ方が良いです。

プリムラ・マラコイデスの植え替え

冬~春に開花株が店頭に並びますが、未開花苗は初冬から店頭に並ぶこともあります。

鉢栽培の場合は苗を購入後、一~二回りの大きな鉢や酔え植え等に植え替え、地植えの場合は霜の心配がなくなる頃に植え替えます。

植え替えの際は、根鉢の土を落とし過ぎて根が傷むと著しく生育が悪くなるため、根詰まり気味の場合でも根鉢底面と根鉢上側面を軽くほぐす程度した方が良いです。

プリムラ・マラコイデスの用土の選び方

市販の花用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えます。

根腐れが気になる場合は、市販の培養土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割まぜて排水を良くしたものを使うこともできます。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:酸度調整ピートモス:軽石小粒(または日向土小粒)=4:3:3:2の土に植え替えもできます。

庭や花壇へ植え付ける場合は、土質改良のために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

プリムラ・マラコイデスの水やり

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

いずれの場合でも冬期の夕方以降に水やりをすると夜間に凍結して根や株を傷めることがあるので、午前中に水やりを行った方が良いです。

プリムラ・マラコイデスの肥料の与え方

定植時に元肥として根が傷まないような緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んでから植え付けます。

以降は追肥として10月~4月までは月に1回頻度で緩効性化成肥料を置き肥として与えます。

開花が始まる1月~4月までは置き肥に加えてリン酸が多めの液体肥料も月に1~2回の頻度で与えます。

なお種から育てている場合は、6月~7月に規定の希釈倍率より薄めにした液体肥料を与えます。

プリムラ・マラコイデスの増やし方

プリムラ・マラコイデスは「種まき」で増やします。

種まき

種まきは5月末~7月あたりが適期です。

種を撒く場合は、ピートバンまたは育苗トレーやポットに市販の種まき用土を入れて、十分に水を浸み込ませた後に種が重ならないようにばら撒きします。

なおプリムラ・マラコイデスの種は好光発芽種子のため、種まき後は覆土しません。

発芽するまで明るい日陰に置いて、下面から吸水させながら乾かないように管理し、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

高温期の移植は枯れやすいため、夏の間は明るい日陰と風通しの良い場所に置いて育苗トレーやピートバンのまま管理し、9月中旬あたりからポットなどに移植します。

移植後1~2週間までは日陰に置き、以降は陽当たりの良いところで苗を大きく育てます。

プリムラ・マラコイデスの手入れ
花柄・枯葉摘み

咲き終わった花柄(および花茎)・黄化した葉・枯葉は病気の原因になるため適宜摘み取ります。

また花茎や葉柄の摘み残しがあると、残った茎が病気の原因になるため、付け根から摘み取ります。

プリムラ・マラコイデスの病害虫

害虫として「アブラムシ」、病気として「灰色かび病」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
花や葉裏などに発生しやすく、大発生して蕾や成長点に被害がでると葉や花に生育異常になることがあります。

特に生育期間中の陽当たり・風通しが悪い環境下で発生しやすいため、環境改善を行うことで発生を抑えることができます。

病気

「灰色かび病」
低温環境で多湿の場合に発生しやすく、咲き終わった花柄や枯れた葉に発生します。

初期は葉柄や花茎に水浸状の被害でて、後に灰色~灰褐色のカビして周辺に伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去して発生を抑えます。

退治・治療方法

各病害虫が発生してしまった場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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