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レックスベゴニアの基本情報
科名:シュウカイドウ科 Begoniaceae
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属名:シュウカイドウ属(ベゴニア属)
Begonia
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学名:Begonia または Begonia rex-cultorum
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英名:Rex begonia
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原産:インド~ベトナム(原種 Begonia rex の自生地)
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観賞時期:一年中(葉色の観賞)
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開花時期:6月~9月
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高さ:5㎝~1m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:弱い
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レックスベゴニアの特徴
レックスベゴニアは根茎性ベゴニアの一種のベゴニア・レクス(Begonia rex)を元に多種との交配をして生み出された葉色の美しいベゴニアのグループです。
葉色は緑葉に斑点模様のものから銅葉や紫色の模様が入るもの、メタリックなシルバーやレッドの模様が入るもの、それらの色の複色葉などカラーバリエーションが豊富です。
また葉の形も丸い葉から渦巻き状に展開する葉など様々です。
花はあまり大きくなく葉の鮮やかさを上回るものではないですが、花色は白、ピンク、赤、オレンジ、黄色などの色幅があります。
レックスベゴニアは多種との交配された品種群のため株姿も多様で、原種のベゴニア・レクスと同じく地下を多肉質の根茎が伸びて生長する根茎性の品種から茎が立ち上がる木立ち性の品種もあります。
湿度を好むのでテラリウムやパルダリウムなどで育てたり、葉色を活かして寄せ植えなどで楽しむことができます。
周年屋外管理した場合は冬期の寒さで枯れますが、本来は多年草なので、屋内管理や冬期のみ屋内に取り込むことで越冬できます。
葉は季節に寄らず出て続けているため年中楽しむことができます。
レックスベゴニアの管理と置き場所
レックスベゴニアは直射日光を避け年間通して明るい日陰で育てます。また湿度の高い環境を好みますが、用土の過湿は苦手なため排水性の良い土などで育ててます。
冬越しは5℃以上で管理した方が良いので、屋外管理の場合は秋から冬にかけて夜間温度が5℃前後になるあたりから室内に取り込みます。
屋外のみで管理する場合、冬期の寒さで枯れるため一年草として扱います。
空中湿度を好みますが、本来はある程度の風通しも必要なため、品種にもよるものの暖かい時期は屋外の日陰で育てた方が健康的な株に育つことがあります。
以下に多年草として育てる場合での「通年屋内管理(テラリウム/パルダリウム)」「通年屋内管理(鉢植え)」「屋外管理」の注意点などを説明します。
通年室内管理(テラリウム/パルダリウム)
レックスベゴニアの育て方として湿度を保ちやすいテラリウムやパルダリウムでの管理が適しており、最も楽です。明るさも育成灯で葉焼けしない光量に調節すれば、室内のどの場所でも育てることができます。
ただし空間が限られているため育ちすぎたら適宜剪定するか、容器に対して株が大きくなりすぎたら挿し木して株を更新する必要があります。
通年室内管理(鉢植え)
鉢植えや寄せ植えで通年室内管理する場合、置き場所は直射日光が当たらない明るい窓辺か朝日のみ当たる東側の窓辺などが良いです。
南向きの窓辺の場合は秋から春の日差しが入ってくる時期だけレースのカーテンで日差しを弱めます。
室内管理で気を付ける点は、空調による空気の乾燥で葉が傷むことです。他の植物のように霧吹きでの葉水を行うとレックスベゴニアの場合はうどんこ病を発生させやすくなります。
そのため空調を多用する夏と冬だけガラス容器内で育て、短期的にテラリウム化すると良いです。
また葉が傷んだ場合は暖かい時期であれば屋外の日陰で株全体を濡らしつつ管理して、健康的な株に戻します。
屋外管理
暖かくなる4月~5月から屋外で育てることができます。直射日光が苦手なため、鉢植え・寄せ植えどちらの場合でも直射日光を避けた明るい日陰が良いです。
梅雨時期で連日雨にさらされると根腐れや葉が傷むことがあるので、梅雨時期だけは雨があたらない場所に置いた方が良いです。
寄せ植えでの管理は、植え方によっては一緒に植えている植物により木陰のようになったり、周囲の植物が水を吸うことで土の過湿を避けることができるなどの利点があります。
気温が下がる11月前後から室内に取り込みます。寄せ植えの場合は、予めレックスベゴニアをなるべく多く根を付けて抜き取り、鉢に植えなおしておきます。
取り込みは夜間の最低気温が5℃近くになる時期を目安にすると良いです。以降は通年室内管理と同じくガラス容器など保湿できる容器内に入れ、室内の明るい日陰で越冬させます。
レックスベゴニアの苗選び
レックスベゴニアは多肉質のため根の状態が株に現れにくい植物です。他の植物も同じですが購入時の苗の状態が重要になります。
ポットを持って株元からグラグラと揺れないような根張りの良い苗で、茎が間延びせずにコンパクトに締まった苗を選んだ方が良いです。
レックスベゴニアの年間管理表

レックスベゴニアの植え替え
苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えなどに植え替えます。以降鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
年を越した株は盛夏の除く春から秋までに行います。鉢から根鉢を抜き取り土を1/3~半分落とし、同サイズか一回り大きな鉢へ植え替えます。
屋外で寄せ植えに使っていた株を冬期室内に取り込む場合は、寒くなる前までになるべく多く根を付けて株を抜き取り、鉢に植えなおしておきます。
なお寄せ植えやパルダリウムなどの植え替えのポイントとして「葉の向き」があります。
レックスベゴニアの葉は、葉柄に近い丸い側と葉柄から離れているやや尖った側があります。レックスベゴニアのもとになったベゴニア類は斜面などに自生して、丸い側が上・尖った側が下で葉を展開しています。
平らな場所でもある程度葉の向きはそろって出るので、寄せ植えなど向きが重要になる植え替えの場合は葉の形を意識して植え替えた方が良いです。
レックスベゴニアの用土の選び方
鉢栽培
レックスベゴニアは土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土を選びます。
市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が良く育つこともあります。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
テラリウム/パルダリウム栽培
パルダリウム専用ソイルや熱帯魚用のソイルなどを使って植え付けます。テラリウムではその他に硬質赤玉やミズゴケを使うこともできます。
またガラス容器など排水用の穴がない容器で育てる場合で、専用ソイルではなく硬質赤玉やミズゴケなどで植える際はゼオライトや珪酸塩白土のような水質維持ができるものも底部に加えた方が良いです。
レックスベゴニアの水やり
レックスベゴニアの水やりは、一般的な花の水の与え方と同じく鉢土の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
屋外管理の場合は梅雨時期の多雨で土が過湿になり根腐れを起こしたり、葉が傷むことがあります。梅雨時期のみ軒下などの雨にさらされない場所に移動した方が良いです。
レックスベゴニアの肥料の与え方
植える際に、元肥として根に障害がない緩効性の化成肥料を土に混ぜ、以降は春・秋に追肥として鉢の縁か株元から離した株回りに緩効性の化成肥料を与えるか薄めた液体肥料を与えます。
また夏の高温などで生育が悪化している株は、秋になってすぐに肥料を与えることでさらに弱ることがあるため、晩夏~初秋にかけてメネデールなどの活力剤を与えて生育状態を戻してから肥料を与えます。
レックスベゴニアの手入れ
花摘み
基本的に葉を観賞しますが、初夏から小さいながら開花を始めます。
花柄などが腐り病原になることもあるので、一通り観賞が終わったら花茎は根元から取り除きます。
花茎を取り除く際は、ハサミなどは必要なく、手で花茎の根元から倒すと簡単に折り取ることができます。
切り戻し
草姿が荒れたところで適宜切り戻しを行います。また容器栽培している場合は容器に対して株が茂りすぎたら適宜枝を切って調整します。
レックスベゴニアの増やし方
レックスベゴニアは「株分け」「葉挿し」で増やします。
株分け
5月~7月上旬(暖かい地域であれば4月から)、9月~10月に行います。茂った株を根茎とともに分けることで株分けできます。また根茎だけでも増やすことができます。
根茎の分岐部分から切り取って、根茎が入るくらいの大きさの鉢に新しい土で植え替えます。
葉挿し
株分けと同じく5月~7月上旬(暖かい地域であれば4月から)、9月~10月に行います。
葉挿しする場合は、葉と葉に少し葉柄を付けた状態で切り取り、バーミキュライトや挿し木用の土などの無菌の土に挿します。
保湿のためにビニール袋で覆うか衣装ケース内に入れ、日陰で管理します。葉の根元から新芽が出てきたら鉢上げして育てます。
レックスベゴニアの病害虫
害虫として「アブラムシ」「ハダニ」「カイガラムシ」、病気として「灰色かび病」「うどんこ病」などが発生することがあります。
害虫
「アブラムシ」
新芽や花弁、葉裏などに発生します。屋外で風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
「カイガラムシ」
葉裏・葉の付け根・茎などに発生し、通風が悪い環境で発生しやすくなります。
見つけ次第除去していくか、消毒で退治します。
「ハダニ」
乾燥する環境下で葉裏にから広がっていき、葉裏から吸汁するため、葉色がかすれた様な色合いになります。
またハダニはクモの仲間なので、大発生すると蜘蛛の巣状の糸を張り始めます。
水を嫌うため葉裏から株全体を濡らして弱らせ、消毒することで退治できます。また屋外であれば定期的に水をかけることで発生を抑えることができます。
室内管理するレックスベゴニアに霧吹き等で葉水を与えると、ハダニは予防できるもののうどんこ病が発生しやすくなるため、予防のために殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くと良いです。
病気
「灰色かび病」
終わった花柄や枯れた葉に発生します。主に梅雨時期など過湿期に発生しやすく、灰色~灰褐色のカビが伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去します。
また夏場の夜の水やりは株の周囲を過湿にし灰色かび病の発生させやすくなります。
早朝に水やりを行うことで発病リスクを抑えることができます。
「うどんこ病」
葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。室内で霧吹きによって空中湿度を保つ場合や、屋外で風通しが悪い場所や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。
被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、消毒の前に環境改善を行った方が良いです。
退治・治療方法
上記のような病害虫が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
また害虫類については殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防ができます。