オレガノ「ケントビューティ」の育て方

オレガノ「ケントビューティー」の基本情報

科名:シソ科 Lamiaceae
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属名:ハナハッカ属(オリガヌム属)
   Origanum
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学名:Origanum ‘Kent Beauty’
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流通名:オレガノ「ケントビューティー」
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英名:Oregano ‘Kent Beauty’
   Ornamental oregano ‘Kent Beauty’
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原産:園芸品種
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開花時期:5月~7月・9月~11月
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高さ:10㎝~40㎝
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耐暑性:やや弱い
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耐寒性:やや強い
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オレガノ「ケントビューティー」の特徴

ハーブとして知られているオレガノの仲間には、食用にされる「オレガノ(Origanum vulgare)」や「スイートマジョラム(O.majorana)」など以外に観賞利用される種類があります。

オレガノ「ケントビューティー」は観賞用オレガノまたは花オレガノの一つで、「オレガノ・スカブルム(O.scabrum)」と「オレガノ・ロツンディフォリウム(O. rotundifolium)」の交配種です。

花は春と秋に開花し、薄緑~薄紫のホップのような姿の苞を垂れ下がるように茂らせ、苞の間に小さな薄ピンク~薄紫花を咲かせるます。

苞と花色は気温で変わり、暖かい時期に開花した場合は苞は薄緑・花は薄ピンクで開花し、気温が低い時期に開花した場合は苞が薄紫・花は薄紫で色合いも変わります。

鉢植えに単植するだけでなく柔らかい花色は寄せ植え利用もしやすく、垂れ下がるように茂る株姿を活かしハンギングポットなどでも楽しむことができます。

オレガノ「ケントビューティー」の管理と置き場所

オレガノ「ケントビューティー」は高温多湿と土の凍結を嫌うため季節に応じて環境を整えます。

鉢栽培

花はやや垂れ下がるように咲くので高さのある鉢・ハンギングポット・寄せ植えなどで楽しみ、季節ごとに置き場所を移動します。

春・秋は陽当たりよく、風通りと排水性の良い土など過湿を避ける環境で育てます。

夏は高温多湿で根が傷みやすいため、日陰の風通しの良い場所に置いて、乾かし気味に管理します。

冬は寒地・寒冷地や温暖地でも雪・霜の厳しい地域では屋内の凍らない場所に移動し、暖地・温暖地の凍結しにくい地域は屋外の屋根下で越冬させます。

地植え

地域によって多年草として育てることは難しくなりますが、暖地や温暖地などの雪・霜の影響が少ない地域では多年草として育てることができます。

その他の地域では春・秋に楽しむ一年草として育てるか、秋に掘り上げて鉢に移し凍らない場所で越冬させます。

地植えで夏越し・冬越しさせるためには、オレガノ「ケントビューティー」の周囲に草丈がやや高めで、夏または冬に元気な草花を植えると良いです。

周囲に草花を植えることで、夏場の場合は周囲の草花が水を吸うことで土の過湿を防ぎ、日陰を作ることで地温の上昇や暑さから守る役目を果たし、冬場の場合は直接の霜や雪から守る役目を果たします。

オレガノ「ケントビューティー」の年間管理表
 
オレガノ「ケントビューティー」の植え替え

オレガノ「ケントビューティー」は比較的四季咲き性が高く春・秋に開花苗が出回ります。苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えます。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

越冬・越夏した株の植え替えは春(3月~4月)か秋(9月~10月)に行います。鉢から根鉢を抜き取り土を1/3~半分落とし、同サイズか一回り大きな鉢へ植え替えます。

オレガノ「ケントビューティー」の用土の選び方

オレガノ「ケントビューティー」は土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土を選びます。

鉢植え

市販の花用の培養土でも大丈夫ですが、多年草として育てる場合は市販の花用の土に軽石小粒・鹿沼土小粒を1~2割ずつ混ぜた方が育てやすいです。

または観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が良く育つこともあります。

庭植え

梅雨時期の長雨も考慮して土を排水良くしておくと良いです。完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

なお粘土質土壌の場合は堆肥類以外に軽石小粒や鹿沼土小粒を2割ずつ混ぜた方が夏越ししやすくなります。

オレガノ「ケントビューティー」の水やり

オレガノ「ケントビューティー」の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

オレガノ「ケントビューティー」の肥料の与え方

オレガノ「ケントビューティー」は植えるときの元肥と春・秋に追肥を与えます。

元肥は根が当たっても傷まないような緩効性の化成肥料を土に混ぜてから苗を植え付けます。

追肥は3月~7月上旬・9月中旬~10月に液体肥料を薄めて与えるか、緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えます。

ただし肥料が多すぎると徒長気味に育ったり、病害虫や耐暑性に難がでることがあるので、規定の施肥量の半分の量(または濃度)で与えた方が良いです。

なお春の肥料やりの場合は、株が弱る高温期までに肥料効果が切れた方が良いので、肥効が切れやすい液体肥料で与えるか、置き肥であれば芽吹きの時期に一度だけ与えた方が良いです。

オレガノ「ケントビューティー」の手入れ
摘芯

春から伸びた新芽を摘芯することで枝数を増やすことができます。新芽が5節以上に育った段階で3~4節残して摘芯します。

花摘み/切り戻し

春・秋の開花時期であれば、花が咲き進んだころに花摘みか切り戻しを行うことで新しく花芽がでます。

特に花穂が全体的に咲き終わるころは、地際から葉を残しつつ5㎝前後で切り戻すと株姿も良く次を咲かせることができます。

オレガノ「ケントビューティー」の増やし方

アルメリアは株分け・挿し芽で増やします。

株分け

春(3月~4月)または秋(9月~10月)に行います。特に鉢が大きくなった株は夏に土の過湿で傷みやすいので株分けした方が夏越ししやすいです。

分けた後の株それぞれに根がつくように半分~数分割して株分けします。

挿し芽

春(4月~5月)または秋(10月~11月)に行います。挿し木専用土や鹿沼土小粒など清潔な土を準備して湿らせた後、枝先から10㎝前後を挿し穂として切り取り、数時間水に漬けて水揚げした後に土に挿します。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられるので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

オレガノ「ケントビューティー」の病害虫
害虫

「アブラムシ」が発生することがあります。

「アブラムシ」は新芽などに発生しやすいです。特に風通しの悪い環境や窒素肥料が多い場合などで発生しやすくなります。施肥量を抑え、間引きをして風通しを良くするなどの環境改善が重要になります。

「アブラムシ」が発生した場合では、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また草丈が1m以下での害虫類の場合は、アセフェートやクロアチニジンを含む殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防ができます。

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