ハツユキソウ(初雪草)の育て方

ハツユキソウ(初雪草)の基本情報

科名:トウダイグサ科 Euphorbiaceae
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属名:トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
   Euphorbia
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学名:Euphorbia marginata
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和名:ハツユキソウ(初雪草)
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別名:フクリンタイゲキ(覆輪大戟)
   ミネノユキ(峰の雪)
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英名:Snow-on-the-mountain
   Smoke-on-the-prairie
   Variegated spurge
   Whitemargined spurge
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原産:カナダ東部~米国南東部
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開花時期:7月~9月
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高さ:30㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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ハツユキソウ(初雪草)の特徴

ハツユキソウ(初雪草)はトウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の非耐寒性一年草で、初夏から初秋までの開花期に杯状花序(花の周りの葉)が白い覆輪となり、暑い季節に涼し気な色どりで楽しめます。

学名は「ユーフォルビア・マルギナータ(Euphorbia marginata)」で種小名の「marginata(マルギナータまたはマージナータなど)」は「縁取りのある」という意味があり、開花期の白い覆輪を表しています。

鉢植えや花壇の植栽として観賞したり、草丈は1mに達するので切花としても利用できます。

ハツユキソウ(初雪草)の管理と置き場所

ハツユキソウは陽当たりと風通りの良い環境、排水性の良い土で育てます。

春に種を撒く一年草で、直根性で移植や根痛みを嫌うため草丈高めに育てる場合は観賞に使う鉢や庭に種を直播きした方が良いです。

また草丈は低めになるものの晩春から初夏にかけて花付きの鉢物も店頭に並ぶので根を傷めないように植え替えて育てられます。

また枝葉が傷つくとユーフォルビアの仲間特有の白い乳液が出ます。乳液に触れるとかぶれることがあるため、植え替えや剪定などの作業する際は手袋を着けた方が良いです。

以下は「庭植え」「鉢植え」の場合の説明です。

庭植え

庭植えのハツユキソウで気を付ける時期は梅雨~夏です。梅雨の多雨で根腐れしやすく、梅雨明けは梅雨で光量が減った状態から夏の日差しへ変わることで葉焼けやを起こすことがあります。

植える場所は梅雨の多雨も想定した排水の良い場所に植えます。土質を排水良く作り替えるか土を盛って排水を良くし梅雨時期でも水が滞留しない場所は育てやすくなります。

梅雨明けは多水と弱光で軟弱になった枝葉が日差しで葉焼けを起こすことがあります。傷んだ部分を刈り込み新しい枝葉を芽吹かせますが、刈り込み過ぎはさらに弱らせるため注意が必要です。

鉢植え

鉢管理する場合の利点は移動できることです。基本的には直射日光の当たる場所で育て、梅雨時期のみ軒下など雨の当たらない場所へ移動します。

ハツユキソウ(初雪草)の年間管理表
 
ハツユキソウ(初雪草)の植え替え

ハツユキソウは植え替え等で根が傷むのを嫌うため、観賞時に使う鉢や花壇などに種を直播きした方が良いです。

またポットに種を撒いて苗を作る場合は、苗が小ぶりなうちに(ポットに根が回る前までに)定植した方が良く、根鉢を崩さずに植え替えを行います。

また晩春から初夏にかけて花付きの鉢物が店頭に並びますが、鉢花のハツユキソウを植え替える場合も根鉢を崩さずに植え替えます。

なお鉢花や根が回った苗を植え替えた場合は草丈が低めになります。

ハツユキソウ(初雪草)の用土の選び方

ハツユキソウは市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、梅雨時期の長雨も考慮して土を排水良くしておくと良いです。

土質改良のため完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ハツユキソウ(初雪草)の水やり

ハツユキソウの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植え

鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植え

庭植えのハツユキソウは基本的に水やりの必要はありません。苗を定植した場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね天候にまかせます。

ハツユキソウ(初雪草)の肥料の与え方
庭植え

種を花壇などに直撒きする場合は、予め有機肥料などを元肥として混ぜ込んでから種まきします。

苗を定植する場合は、定植するまでに元肥を混ぜ込んでから植え付けます。

追肥は開花が始まる6月~7月あたりから2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えます。

鉢植え

植え替え時に元肥として根を傷めないような緩効性の化成肥料を混ぜて植え付けます。

以降は庭植えの場合と同じく、開花が始まる6月~7月あたりから2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えます。

ハツユキソウ(初雪草)の摘芯・手入れ
摘芯

苗の段階で摘芯を行い枝数を増やします。特に地植えでは草丈が高く倒れやすくなるため、摘芯を数回行って草丈を抑えると良いです。

支柱立て

ハツユキソウを切花用に育てる場合では草丈を高くなるため、強風で倒れたり茎が折れることがあります。

ある程度の草丈まで育った段階で支柱を立てて倒れないようにします。

また花壇に植栽する場合で、演出上支柱を立てたくないときはハツユキソウの周囲に草丈が高めの草花を植栽しハツユキソウを支えると良いです。

ハツユキソウ(初雪草)の増やし方

ハツユキソウは種まきで増やします。

種まき

発芽適温は25℃あたりで、種まきは4月~5月が適期です。種は市販のものを使うか、前年度採種したものを使います。

先述の通りハツユキソウは直根性で移植を嫌うため、種を撒く場合は、庭や観賞時使う鉢やプランターに直撒きするか、ビニールポットで苗を育て早めに定植します。

●庭・花壇への直撒き
種まき前に土の準備を行います。完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

もし完熟に達していない堆肥や有機肥料を混ぜる場合は、土に混入後さらに1~2週間おいてから種まきします。

土の準備ができたら、種をばら撒きまたは筋撒きします。

もしばら撒きで雑草との区別がつかなくなる恐れがある場合は、筋蒔きにすることで発芽箇所に規則性ができ区別しやすくなります。

種まき後に薄く覆土し、土の中まで染み込むようにたっぷりと水を与えます。

発芽後本葉が出たあたりで間引きします。根が傷むのを嫌うため、間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、最終的な株間が15㎝前後までは行った方が良いです。

●ポット撒き
ビニールポットに培養土を入れ、種を撒いて薄く覆土し、たっぷりと水を与えます。

発芽後は直撒きと同様に間引きを行い、1ポットに1苗になるまで間引きつつ育成します。

なおポットで育てた場合の注意点として、直根性のためポット内で育ちすぎると、ポットから移植しても大きく育たなくなります。ある程度育てた段階で定植します。

ハツユキソウ(初雪草)の病害虫

害虫として「ハダニ」「カイガラムシ」、病気として「うどんこ病」などが発生することがあります。

害虫

「ハダニ」
夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。

主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。

発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をします。

「カイガラムシ」
葉の付け根や枝などに多く発生します。極度に陽当たり・風通し・排水の悪い環境で発生しやすくなりますが、基本的に病害虫に強いため、環境を整えた上で消毒を行えば以降の発生は抑えることができます。

病気

「うどんこ病」
葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。風通しが悪い場所や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。

被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、消毒の前に環境改善を行った方が良いです。

退治・治療方法

「ハダニ」「カイガラムシ」「うどんこ病」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また害虫類についてはアセフェートやクロアチニジンを含む殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防ができます。

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