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ペンタス(クササンタンカ)の基本情報
科名:アカネ科 Rubiaceae
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属名:クササンタンカ属(ペンタス属)
Pentas
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学名:Pentas lanceolata
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和名:クササンタンカ(草山丹花)
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英名:Starcluster
Egyptian starcluster
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原産:熱帯アフリカ東部~イエメン
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開花時期:5月~10月
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高さ:30㎝~60㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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ペンタス(クササンタンカ)の特徴
クササンタンカ属(ペンタス属)は熱帯アフリカ東部を中心に南アフリカ~アラビア半島にかけて自生するアカネ科の一属で、多年草~低木があります。
「ペンタス」として流通する花はペンタス属の一種で、ペンタス・ランセオラータ(Pentas lanceolata)とその園芸品種などがペンタスと呼ばれます。
晩春~秋まで咲き続け、特に花が少なくなる暑い季節も開花を楽しめるほか、花色も鮮やかな赤・白・ピンク・紫の花が咲き夏花壇の彩りに最適です。
本来は1.5m前後の低木状に育ちますが、非耐寒性のため春に種を撒き秋まで開花を楽しむ一年草として扱います。
また園芸品種も多くあり、草丈30~50㎝くらいの矮性品種や八重咲き品種、斑入り葉品種などもあります。
ペンタス(クササンタンカ)の管理と置き場所
ペンタスは陽当たりと排水性の良い場所で育てます。また暑さに強いものの蒸れは苦手なので、風通しの良い環境が良いです。
またm自生地では多年草ですが、寒さは苦手で霜・雪または地面の凍結で株が傷み枯死するため、春から種を撒くか苗を植えて一年草として育てます。
ペンタスは地植えだけでなく鉢植えやプランターでも育てることはできます。
品種によって草丈が異なり、鉢植えで育てる場合は草丈が低い矮性種を良く、地植えの場合は草丈が高い高性種は花壇後方に植え、矮性種でも秋には50㎝前後に育つので花壇中方に植えた方が良いです。
ペンタス(クササンタンカ)の年間管理表
ペンタス(クササンタンカ)の植え替え
苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。
鉢植えの場合は、6~7号鉢(直径18㎝~21㎝)で3株程度植え付けます。秋まで開花しながら株が大きくなるため、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
地植えの場合は、陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。
ペンタス(クササンタンカ)の用土の選び方
市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭や花壇に植える場合は、肥料とともに土質改良のために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
ペンタス(クササンタンカ)の水やり
ペンタスの水やりは一般的な花の水の与え方に準じますが、やや過湿を嫌う傾向があるため植え付け初期や高温期など過湿になりやすく根が傷みやすい時期の水やりに注意します。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。
ペンタス(クササンタンカ)の肥料の与え方
鉢植えの場合は、元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。
地植えの場合は、土質改良のための完熟堆肥とともに完熟の有機肥料か根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。
以降は地植え・鉢植えともに追肥として1ヶ月に1回の頻度で株回りの株元から離れたところに置き肥を与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。
ペンタス(クササンタンカ)の剪定と刈り込み
ピンチ(摘芯)
苗を定植後、分枝や根を活着させるために一度ピンチ(摘芯)します。開花苗の場合でもピンチして花を落とした方が株の成長と開花が良くなります。
花穂摘み
ペンタスは花穂の花がある程度咲き進むと脇から次の花が立ち上がって開花します。
咲き終わった花穂は切り取ることで、次の花が咲きやすくなるため、適宜花穂を切り取ります。
切り戻し
夏に株姿が乱れている場合は、株の半分まで切り戻しを行います。ただし、高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るような剪定を行います。
ペンタス(クササンタンカ)の増やし方
ペンタスは種まき・挿し木で増やします。
種まき
撒き時期は4月~5月で、種まきトレーやポットなどに種まき用の土を使って種まきをします。種まき用土は給水しにくいことがあるので、予め湿らせておくと良いです。
種まきトレイまたはポットに種まき用土を入れた後、種まきトレーやポットに種が重ならないようにバラ撒きします。
種まきトレーの場合は発芽後本葉が2~3枚に育ったあたりでポットへ移すか、定植します。
ポットの場合は、発芽後間引きをしつつポット内で育てます。根が傷まないように間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、1ポットに1苗まで間引きつつ育てます。
トレーの苗・ポットの苗ともに定植時に一度摘芯することで、脇芽が伸びやすくなり、株張りと開花量が増えます。
挿し木
5月~7月あたりに行います。先端部分を除いた5~6㎝で切り取り、土に挿すところまでの葉を落とします。その後、挿し穂を水につけて給水させます。鹿沼土か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を1節以上土の中に入るように挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。
日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。
ペンタス(クササンタンカ)の病害虫
害虫
「スズメガ」「ハダニ」「カイガラムシ」が発生することがあります。
「スズメガ」の幼虫により初夏から秋まで食害を受けます。生育した幼虫は大きく太いイモムシになるため、食害も酷くなります。幼虫が小さいうちは葉裏から食害しますが、葉表からでも食害痕が目立つようになります。
定期的な消毒により予防をするか、食害痕を見つけ次第捕殺するか消毒で退治します。
「ハダニ」は夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。
発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をしてください。
「カイガラムシ」は葉の付け根や枝などに発生します。アブラムシ同様に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。
病気
「灰色かび病」などが発生することがあります。
「灰色かび病」は終わった花柄や枯れた葉に発生します。灰色~灰褐色のカビが伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去します。
上記病害虫が発生した場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「スズメガ(イモムシ類)」「ハダニ」「カイガラムシ」「灰色かび病」が対象になっているものを使っていけば退治できます。
また害虫はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。