ラッセリア/ハナチョウジ(花丁字)の育て方

 ラッセリア/ハナチョウジの基本情報

科名:オオバコ科 Plantaginaceae
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属名:ハナチョウジ属(ラッセリア属)Russelia
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学名:Russelia equisetiformis
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和名:ハナチョウジ(花丁字=Russelia equisetiformis
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別名:ルッセリアナ
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英名:Fountainbush, Firecracker plant, Coral plant, Coral fountain, Coralblow, Fountain plant
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原産:メキシコ~グァテマラ
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開花時期:5月~10月(気温が高ければ周年開花)
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高さ:50㎝~2m前後
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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 ラッセリア/ハナチョウジの特徴

ラッセリアナ(ラッセリア)は、スギナやトクサのような細い枝を茂らせる常緑低木で、赤・ピンク・クリームなどの花色で筒状の細い花を咲かせます。

枝は地上部から伸びあがり湾曲するように茂るシュラブの樹形に育ちますが、光量次第で下垂するように茂るため吊り鉢で育てることもできます。

気温が上がる5月あたりから開花を始め、9月末から10月まで咲き続けます。冬場でも室内で十分な光量と室温が維持できれば年中開花させることもできます。

一般に「ラッセリア」と呼ぶ細い枝を茂らせる独特な雰囲気を持つ植物はハナチョウジ(花丁字=Russelia equisetiformis)を指し、本来「ラッセリア」という名はハナチョウジを含む属名です。実際ハナチョウジ以外のラッセリア属は普通の葉を出す種もあり、細い枝葉を茂らせるハナチョウジとは違う葉姿をしています。

属名の Russelia は、18世紀のスコットランドの医師でありナチュラリストであるアレクサンダー・ラッセル(Alexander Russell)にちなんで付けられています。ローマ字的な読み方で「ルッセリア」と読まれることもあります。

また学名の Russelia equisetiformis の種小名「equisetiformis」は、「Equisetum(トクサ属)のような」を意味しトクサやスギナのような枝や葉を表しています。

 ラッセリア/ハナチョウジ管理・置き場所

ラッセリアは陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てて下さい。陽当たりが悪いと花付きが悪くなるので、半日は直射日光が当たる場所が良いです。

耐寒性もあり関東以西であれば地植えで育てることができますが、霜や雪で地上部は枯れ、春から芽吹いて茂ります。

海外サイトで-6℃でも耐えられるという意見も見かけますが、日本では雪があるため0℃前後まで耐えられると考えた方が良いようで、寒冷地や温暖地でも冬に冷え込む地域では室内に取り込んだ方が良いです。また常緑で維持するためには最低温度を5~8℃で管理した方が良いです。

地植えの株を鉢に植え替える場合は根の活動が止まる前までに行った方が良いので、9月末~10月までに堀り上げ、植え替えします。

 ラッセリア/ハナチョウジ年間管理表
 ラッセリア/ハナチョウジ植え替え

植え替えは4月~9月の温かい時期であれば行えます。

購入した苗や鉢花は、購入後に一回り大きな鉢や花壇などに植え替えます。

鉢植えの場合、株がよく茂るぶん根詰まりも起きやすいので1~2年に1回は植え替えします。鉢は植え替えの時にサイズアップしますが、サイズアップができなくなったら株分けを行います。

 ラッセリア/ハナチョウジの用土の選び方

鉢植えの場合:市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土がよく、観葉植物用の土も良く育ちます。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合:土を排水良く作り替えるためにも完熟の牛糞堆肥または馬糞堆肥と腐葉土を土に混ぜ込みます。また元肥として完熟の有機肥料を堆肥と一緒に混ぜ込みます。

 ラッセリア/ハナチョウジ水やり

ラッセリアの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合:基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

一方で比較的乾燥にも耐えるため、表土の乾きを目安にして水を与えるだけでなく、土内の乾きを目安に水を与えることもできます。土内の乾きを目安にする場合は、鉢を持った時の重要を目安にして、軽くなった際に水を与えるようにします。

水やり頻度が多いと株は旺盛に茂り、乾かし気味に管理すると枝の生育を抑えることができコンパクトに育てることができます。

なお冬期に室内に取り込んだ鉢の水やりは乾かし気味に管理した方が良いため、土内の乾きを目安にする水の与え方が良いです。

庭植えの場合:植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

 ラッセリア/ハナチョウジ肥料の与え方

植えるときの元肥や生育中に追肥を与えます。

地植えの場合:土質改良のための堆肥類とともに元肥として完熟の有機肥料を混ぜ込みます。生育期にあたる4月~9月までリン酸が多めの肥料か3成分等量の肥料を追肥として与えます。

鉢植えの場合:緩効性の化成肥料を元肥として土に混ぜ込み、地植えの場合と同じく生育期にあたる4月~9月までリン酸が多めの肥料か3成分等量の肥料を追肥として与えます。鉢植えは肥料切れが起きやすいので置き肥と液体肥料の両方を与えます。

なお置き肥や液肥の与える量・頻度は、持っている肥料の説明を元に与えた方が良いです。

 ラッセリア/ハナチョウジの剪定

ラッセリアは株が旺盛に茂るため、株が込み合うようであれば、生育期の4月~9月に適宜間引くように剪定するか、全体を切り戻して樹勢を抑えます。

 ラッセリア/ハナチョウジ増やし方

ラッセリアは株分けか挿し木で増やします。

挿し木:時期は生育期の4月~8月で行います。9月にも挿し木はできますが、気温が下がる時期が近く十分な発根量が望めないこともあるので、なるべく気温がある時期が良いです。

枝を10㎝前後で切りって挿し穂を作り、挿し穂を水に漬けて給水させます。なお挿し穂を作る前日から半日前に親株にたっぷりと水を与え、枝内に水を行きわたらせておくとより良いです。

湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。また挿し穂の給水に活力剤を使ったり、発根剤を付けることで成功率が上がります。

日陰に置き、保湿のためにビニールなどで覆いをかけます。数か月で発根します。

株分け:時期は植え替えと同じく生育期間中の4月~9月に行えますが、特に生育時期初期の4月~5月に行うと植え替え後の痛みが出にくいです。

ラッセリアの株は地際から幾本もの枝が伸びあがっています。株分けの際は、スコップやノコギリなどを使い株を半分や3等分に切り分けて植え替えします。

 ラッセリア/ハナチョウジ病害虫

害虫:病害虫に極めて強いですが「カイガラムシ」などが発生することがあります。

「カイガラムシ」は枝や枝の分岐部分などに発生しやすく、風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。地植えで冬期に枝が枯れ混む場合の発生はほぼ見かけませんが、枝が残る状態で管理している場合で上記のように環境が悪いと発生することがあります。

「カイガラムシ」の退治には、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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