ハイビスカスの育て方

 ハイビスカスの基本情報

科名:アオイ科 Malvaceae
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属名:フヨウ(ヒビスクス)属 Hibiscus
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学名: Hibiscus
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和名:ブッソウゲ(仏桑花)本来はハイビスカス全体ではなくHibiscus rosa-sinensisの和名です
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原産:中国~インド洋諸島またはハワイ諸島
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開花時期:5~10月
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高さ:~2m
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耐暑性:強い~やや弱い
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耐寒性:弱い
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 ハイビスカスの特徴

ハイビスカスは赤、黄、ピンク、オレンジなどビビッドな色合いとトロピカルな雰囲気が魅力ですよね。ハイビスカスという名は英名の「Hibiscus」をもとにしていますが、学名でいう Hibiscusにはフヨウやアオイなどの花も含まれています。ここでは在来系と呼ばれるグループと、ブッソウゲなどの中国南部からインド洋・モーリシャス諸島などを由来とするグループ、ハワイ諸島の原種などを交配されて生み出されたグループで説明をしていきます。

よく見かけるハイビスカスは上記のグループによって咲き方・育て方などが変わってくるので、知っておくとハイビスカスを上手に咲かせることができます。

 ハイビスカスの管理/置き場所

ハイビスカスは陽当たりを好みますので、特によく開花する春と秋は直射日光下で育てた方が良いです。また、ハイビスカスを始めアオイの仲間は一日花(朝から咲き夕方開花が終わる性質)なので、光量が少ないと数日~1週間おきの開花になる場合もあるので、注意が必要です。

夏のイメージが強いハイビスカスですが、実はいくつかのタイプに分けられ、タイプ毎に性質が異なるため育て方や楽しみ方が変わってきます。

在来(オールド)系
暑さ寒さともにある程度強く、夏でも比較的良く開花します。花の大きさは中~小輪で、始めてでも育てやすいグループです。

コーラル系
ブッソウゲなどをベースに改良されたグループで、花の大きさは小輪で下垂するものが多く、花の形がサンゴ(コーラル)のような形からこのグループ名になっています。ここで紹介する3系統の中では一番暑さに強いグループです。

ハワイアン系
ハワイにが導入され、ハワイの原種とブッソウゲなどのハイビスカスの仲間との交配で生まれたグループです。花の大きさは大輪で、葉も他のグループよりやや丸みを帯びたものが多いです。暑さが苦手で、主に春秋によく開花します。

どのグループも寒さは苦手なので、霜が降りない地域でなければ庭植えはむずかしいです。そのため多くの場合は鉢植えでの観賞が主になりますが、在来系やハワイアン系は鉢の方が夏に厚くない場所に移動することもでき、夏の開花のためには鉢栽培が有利な場合もあります。

寒くなる11月~12月あたりから水やりの頻度を落とし、室内など強い寒さにさらされない場所へ移動してください。

ただ昨今の住宅の気密性の高さから、冬場窓辺に置いておくと春同様開花することがあります。その場合は、薄めに作った肥料なども与えつつ、生育期間中と同様に育ててください。

 ハイビスカスの年間管理表

 ハイビスカスの植え替え

ハイビスカスの植え替えは暖かくなり始めの5~6月あたりがお勧めです。温暖地であれば4月から植え替えることもできます。また夏の生育が良すぎて根詰まりが起きた場合は9月あたりの植え替えもできます。9月の植え替えは根を崩さず、一回り大きな鉢までで植え替えが良いです。特に大き目の鉢に植え替えてしまうと、冬場に根腐れしやすくなりますので注意が必要です。

また庭へ植える場合でも5~6月に行います。越冬させる場合は、10月までには鉢に植え戻し、寒くなるまでに十分根を張らせたいので屋外で育て、11月あたりから屋内に取り込みます。

 ハイビスカスの用土の選び方

排水の良い用土で植え替えてください。一般の花と野菜の培養土では水持ちが良すぎるので、観葉植物用かバラ用などの排水性を意識した樹木も植えられる培養土で植え替えた方が良いです。

あるいは自分でブレンドする方は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

 ハイビスカスの水やり/肥料の与え方

基本は鉢土の表面が乾いたら、鉢下から水がでるくらいたっぷりと与えてください。

肥料やりは生育が始まる5月から8月あたりまで緩効性の置き肥を鉢土の上に与えるか、液体肥料を水やりの際に与えてください。

 ハイビスカスの剪定

剪定は4月に行うと良いです。生育期間中に剪定した場合は、長い間開花しない期間ができるため避ける方が良いです。伸びすぎた場合の剪定は10月あたりもできますが、伸びすぎた枝だけを切るようにし、秋も咲かせるために切らない枝を残す方が良いです。

 ハイビスカスの増やし方

ハイビスカスは挿し木で増やすことができます。ハワイアン系の品種によっては接木でなければ増やせない品種もありますが、ここでは主流の挿し木を説明します。

挿し木:ハワイアン系で5月~9月あたりに行い、コーラル系で4~6月あたりに行います。3~4節ほどで切り取り、土に挿すところまでの葉を落とします。その後、挿し穂を水につけて給水させます。挿し木用などの清潔な土を準備し、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 ハイビスカスの病害虫

病害虫として代表的なものは「ハマキムシ」「コナジラミ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

「ハマキムシ」は葉を巻き取るように丸めて、幼虫が内側から葉を食害します。被害の葉が少数なら葉ごと除去してください。一方で被害が酷い場合は、ほとんどの葉を除去しなくてはならない場合もあるため、葉を残したままで消毒で退治してください。

「コナジラミ」は幼虫・成虫ともに葉裏に発生します。株を触ると白い小さな成虫が舞い飛ぶので判別できます。

「アブラムシ」は花の蕾に発生しやすいです。被害が酷いと花が委縮して咲いたり、その他の病気を併発します。

「コナジラミ」「アブラムシ」「カイガラムシ」はいずれも汁を吸うタイプの害虫で、排泄物が甘い液状のものなので、被害が酷いと葉上に砂糖水がかかったようにベタベタし始めます。その後放置すると、甘い液に黒いカビが生え「すす病」という病気を併発するので早めの対処がお勧めです。

また「ハマキムシ」は丸めた葉の内側にいるため浸透移行タイプといわれる葉の中に浸透する薬剤で退治してください。

どの場合でも、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と上記の病害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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