ギョリュウバイの基本情報
科名:フトモモ科 Myrtaceae
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属名:ネズモドキ属(レプトスペルマム属) Leptospermum
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学名:Leptospermum scoparium
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和名:ギョリュウバイ(檉柳梅 または 御柳梅)
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別名:ネズモドキ(杜松擬き)
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英名:Manuka, manuka myrtle, Tea tree, New Zealand teatree, Broom tea-tree
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開花時期:3月中旬~6月
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高さ:1m~5m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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ギョリュウバイの特徴
ギョリュウバイはオーストラリア、ニュージーランド原産の半耐寒性常緑低木で、ギョリュウ科のギョリュウ(檉柳 または 御柳)のような葉とウメのような花を咲かせることからギョリュウバイ(檉柳梅 または 御柳梅)という名が付いています。
現地では昔からハーブとして利用されており、マオリの言葉からマヌカ(Manuka)と呼ばれたり、葉を煎じてお茶として利用されたことから同じくお茶として利用されたメラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)などとともにティーツリー(Tea tree)と呼ばれています。
樹高は1~5mのこんもりと茂る低木で、花も赤、白、ピンクなどの種類もあり観賞植物としても魅力的です。
ギョリュウバイの管理/置き場所
ギョリュウバイは陽当たり、風通し、排水性の良い環境で育てて下さい。
極度の寒さは苦手ですが、積雪や霜のゆるやかな地域であれば地植えできます。寒冷地では置き場所を移動できるように鉢での管理が良いです。
また根が細かく水の渇きに弱いため、鉢で管理する場合は葉が垂れるほどの水枯れを起こさないようにします。
ギョリュウバイの育て方/年間管理
ギョリュウバイの植え替え
鉢植えの植え替えは4月~6月で、主に開花後~新芽が成長するまでの間に植え替えた方が良いです。また根詰まりを起こすと水枯れしやすいため、1~2年に一度は植え替えを行った方が良いです。
購入後の鉢内は根詰まり気味の場合が多いため、根鉢の上部と下面の根を少しだけ解して植え替えを行います。植え替えの際に剪定を行うことで、もし植え替えで根を傷めた場合でも地上部と根のバランスが保たれて枯れにくくなります。
開花期に「ギョリュウバイ」の名で流通するだけでなく、「レプトスペルマム」の名でカラーリーフとして開花期以外も流通しています。上記のとおり水枯れを嫌うため、植え替え時期以外でも購入後はなるべく早めに植え替えを行った方が良いです。また植え替え時期以外では根鉢を崩さずに植え替えた方が良いです。
庭植えの場合:株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。
鉢植えの場合:成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。苗が大きくなり、鉢のサイズを大きくすることができなくなったら、庭植えにして下さい。
ギョリュウバイの用土の選び方
庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。
鉢植えの場合は、市販の花や野菜用の培養土で植え替えができます。排水性の良い土を好むため、観葉植物用の土のような排水の良い用土も育てやすいです。混合して植え替える場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えてください。
ギョリュウバイの水やり
ギョリュウバイの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。ただし鉢植えの場合は水枯れしないように注意が必要です。
庭植えの場合:概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えて下さい。9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
鉢植えの場合:年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。他の植物同様に水を頻繁に与えすぎると根腐れのもとになりますが、水が乾きすぎ葉が垂れるほどの水枯れを起こすと、落葉や枝が枯れ込みなどの症状が表れ、場合によっては枯死します。
水の乾く速さを緩やかにするためにも、適宜の植え替えを行うと水枯れの危険を減らせます。
根が細かいため根詰まり気味の鉢土は水を吸いにくくなります。もし鉢土に水が染み込みにくくなった場合は、バケツなどに水を溜めて鉢を沈め、鉢内まで水を染み込ませます。
ギョリュウバイの肥料の与え方
ギョリュウバイは低肥料でも良く育ちますが、地植え・鉢植えともに適宜肥料を与えて、充実した株と開花を促してください。
地植え:植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。
もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜて下さい。
開花後で新芽が出始める時期に、芽の成長を促すため有機肥料を株元を避つつ株回りに与えます。
鉢植え:植える際に緩効性の肥料を元肥として土に混ぜて植え替えます。開花後から9月あたりまで、肥料の使用説明に準じつつ鉢上に与えてください。
ギョリュウバイの剪定/刈り込み
ギョリュウバイは5月~6月あたりの開花後を目安にして剪定を行います。特に樹形をコンパクトにまとめたい場合は、樹高の半分くらいまで刈り込むと良いです。
枝葉細く葉も小さいですが、成長とともに細い枝が枝垂れるように茂ることもあるので、過密状態にならないように内側の枝を空くように剪定して、各枝の陽当たりと風通しが良くなるようにします。
ギョリュウバイの増やし方
ギョリュウバイは挿し木で増やします。
時期は5月下旬~7月上旬あたりに行います。挿し穂にする枝は、充実しつつ木質化まで至らない枝を使うため、伸びたばかりの柔らかい新芽や根元の木質化した太く硬い枝を除きます。
10㎝前後の長さに枝をカットし、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切ります。その後挿し穂を数時間水につけて給水させ、挿し穂の下側の葉を取り除き、2㎝~3㎝くらい土に挿します。
鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。
ギョリュウバイの病害虫
害虫:基本的に病害虫に強いですが「カイガラムシ」が発生することがあります。
特に極度の日陰や風通しが悪い場所で大発生しやすいため、剪定などで発生しにくい環境作りも大事です。
親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、鉢植えならば消毒の前に使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。生垣などの場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。