シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の育て方

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の基本情報

科名:イワタバコ科 Verbenaceae
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属名:シンニンギア属 Sinningia
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学名:Sinningia insularis
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原産:ブラジル(アルカトラズ島:Ilha dos Alcatrazes)
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開花時期:5~7月
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高さ:~30㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の特徴

シンニンギア・インスラリスはブラジルのサンパウロから30㎞離れた沖合にあるアルカトラズ島の固有種で、近縁の「シンニンギア・レウコトリカ(断崖の女王)」と同じく着生型の塊根を持つ塊根植物です。

自生地では花崗岩で形成された急斜面の陽当たりの良い場所に、ブロメリア・アンスリウム・蘭の仲間などとともに岩の隙間の腐植質が溜まった場所などに着生または根を張って生育しています。

塊根から茎を立ち上げ葉を展開し、茎・葉ともに表面が微毛に覆われています。

ただ断崖の女王のようなシルバーリーフと呼べるほどの微毛はなく、シンニンギア・インスラリスの葉はやや白みがかった緑色です。

特徴的な筒状のオレンジ色の花を咲かせ、現地ではポリネーター(花粉媒介者)をハチドリが担っているそうですが、自家受粉でも着果できます。

なお種小名の「insularis」はラテン語の「insula(島)」の形容詞で、アルカトラズ島の固有種であることに由来しています。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の管理と置き場所

シンニンギア・インスラリスは陽当たりよく、風通りの良い環境で育てて下さい。また春から秋の生育期は直射日光を当てて育てます。

自生地では白い微毛が直射日光から葉を守る役目も果たしているため、陽当たりが悪いと徒長や生育不良などの影響が出やすいです。

冬期は葉を落とし休眠します。休眠中で葉がない場合でも窓辺の陽当たりの良い場所に置いて管理します。

塊根植物の中では比較的寒さに強い方ですが、室内に取り込むなど寒風・霜・雪などから守ってください。

なお休眠前から水やりを抑えつつ、植物体内の水分量を減らすことで耐寒性が上がり、暖房のない室内でも越冬しやすくなります。

夜間も暖房が入る暖かい部屋では冬期でも葉が出ている場合があります。この場合は南側の窓辺など室内に日光が入る場所に置いてください。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の年間管理表
 
シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の植え替え

植え替えは3月中旬~4月下旬に行います。地域により植え替え期間は変わりますが、気温が上がり葉が出る少し前の植え替えが理想です。

頻繁な植え替えは必要ないですが、塊根が育って鉢に余裕がなくなったり、土質をリフレッシュするために数年に一度は植え替えると良いです。

シンニンギア・インスラリスは扁平な玉状の塊根があり、塊根から細かな根を沢山だして土を絡めとるように根を張っています。

自生地では岸壁の岩や岩場の隙間などの土に着生するように根を張っているそうです。

植え替えは、鉢から鉢土と株を取り出します。根がかなり張って土が崩れない場合は棒などで突き崩します。

新しい鉢と用土を準備し、根が土内に入るように用土を足して植え替えます。塊根部分の半分~1/3は地表に出るようにします。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の用土の選び方

用土は排水が良いものに植え替えることで休眠期の過湿による失敗を減らせます。

用土ブレンドして作る場合は、硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2のものを使います。¥

なお通水・通気性が良いため乾きやすく、生育期は乾ききらないように水を与える必要があります。

市販の用土では多肉植物の培養土かサボテン用の培養土で植え替えできます。

また観葉植物の土に軽石や鹿沼土を混ぜて排水性を高めて植え替えることもでき、観葉の土:軽石:鹿沼土=6:2:2で配合すると良いです。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の水やり

シンニンギア・インスラリスは夏型のサボテンや多肉植物と水やりと同じです。

冬期は室内の寒さにもよりますが、無加温の室内など室温が低い場合は断水し、暖かい日の午前中に水を与えるか、霧吹きで塊根と土を湿らせます。

一方で比較的長い時間暖房している室内で、葉がでている場合は、生育期間中と同じかやや頻度を減らし気味に水を与えます。

暖房がしている部屋で葉が出ていない場合は、塊根や土への霧吹きを数日に一度行って乾燥を防いでください。

室温が高まる4月あたりから徐々に水やりを開始しますが、4月上旬~中旬にかけては霧吹きで軽く土を湿らせる程度に水を与えます。

これは冬期断水している場合は水を吸うべき細根は枯れている可能性があるためです。

5月以降屋外に出した後は、一般的な花や観葉植物と同じ水やりとなり、鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

その後秋になり夜間温度が低下に合わせ、水やり頻度を減らしていき休眠状態にします。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の肥料の与え方

シンニンギア・インスラリスは夏型のサボテンや多肉植物と同じで生育期間中の5月~10月までの期間で与えます。

規定の濃度より薄めた液体肥料を与えます。低肥料の環境で自生しているため多肥栽培は必要ありません。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の増やし方

シンニンギア・インスラリスは「種まき」で増やします。

種まき

種まきは3月下旬~5月あたりに行います。植え替えに使う用土と同じものか、赤玉土など雑菌の少なく保水・排水の良い用土を使ってください。

ポットに用土を入れ、たっぷりと水を与えて種を植え付け前の準備をします。

シンニンギア・インスラリスの種子は発芽に光が必要なため(好光性種子)、種が明るさを認識できるよう軽く土内に抑え込むか、軽く土を被せるくらいで植えます。

種を植えた後に、再度軽く水を与え、明るい日陰で発芽まで管理をします。この際に種が地表近くにあるため、土表面の乾ききらないように確認しつつ水を与えます。

シンニンギア・インスラリス(Sinningia insularis)の病害虫

病害虫に極めて強いですが、大株になると鉢栽培のためコガネムシの幼虫「ネキリムシ」の被害がでることがあります。

クロアチニジンを含む粒剤などを鉢内に撒くことで予防ができます。

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