カンパニュラ / ツリガネソウ(釣鐘草)の育て方

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の基本情報

科名:キキョウ科 Campanulaceae
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属名:ホタルブクロ属(カンパニュラ属)
   Campanula
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学名:Campanula medium
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和名:フウリンソウ(風鈴草)
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別名:カンパニュラ
   ツリガネソウ(釣鐘草)
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英名:Canterbury bells
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原産:南ヨーロッパ
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開花時期:5月~7月
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高さ:50㎝~1m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや強い
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カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の特徴

「カンパニュラ」はキキョウ科カンパニュラ属の植物を指す属名で、ホタルブクロやモモバギキョウなどがカンパニュラ属に分類されています。

草花として「カンパニュラ」と呼ぶ植物はいくつかありますが、切花や花壇の植材に使われる「ツリガネソウ(釣鐘草)」(※標準和名は「フウリンソウ(風鈴草)」)という名でも呼ばれる「カンパニュラ・メディウム(Campanula medium)」が代表的な種類です。

また「ベルフラワー」の名で流通する「オトメギキョウ(C. portenschlagiana)」や、「涼姫」などのカンパニュラ属園芸品種もカンパニュラと呼ばれています。

カンパニュラ・メディウムは濃紫・青・ピンク・白など単色でクリアな花色のものが多く、草丈は地植えでは1mくらいまで育ち花壇の中~後方への植栽に向いています。

さらに草丈の高さに加えて、花もちも比較的良いので切花として楽しむことができます。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の管理と置き場所

カンパニュラ(ツリガネソウ)は陽当たりと風通りよく、排水の良い環境で育てます。

全国的に幅広い地域で栽培される一~二年草で、寒さに強く管理も楽でこぼれ種から花が咲くこともあります。

苗を購入して育てる場合はあまり問題になりませんが、種から育てる場合は一年草タイプ・二年草タイプにより種の撒き時期に違いがあります。

また本来は開花に寒さを経験する必要がありますが、園芸品種によって寒さが必要ない種類もあり、種の撒き時期や開花性質などは入手時の苗のラベルや種のパッケージの説明に従って育てると良いです。

当年に開花株や開花予定株から楽しむこともできますが、大きな株に育て多くの花を咲かせる場合は前年に種または苗を植え付け、冬は地際でロゼットを形成して春から茎を伸ばして花を咲かせます。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の年間管理表
 
カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の植え替え

種まきから育てた苗または苗の購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。

また鉢植えの場合は8号~10号以上の大き目の鉢に3株くらいを目安に植え付けます。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の用土の選び方
地植え

中性~弱アルカリ性の土壌を好むため予め苦土石灰を混入して中和し、1~2週間後に排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

また排水の良い土壌を好むため、植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。

鉢植え

市販の花用の培養土でも育ちますが、少量の苦土石灰を混ぜて中性~弱アルカリ性に調整すると生育が良いです。

また土の過湿が続くことを嫌うため、土質によって市販の培養土に赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ1割ずつ混ぜて植え替えます。

ブレンドする場合は、赤玉土小粒:腐葉土を=7:3の混合用土で植え付けできます。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の水やり

カンパニュラ(ツリガネソウ)の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の肥料の与え方
地植え

土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付けます。

また酸性土壌を嫌うため、堆肥類を混ぜ込む1~2週間前までに苦土石灰を混ぜて土を中和します。

以降は追肥として冬を除く夏~春に月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

特に春から開花が始まる頃は花用の液体肥料を重点的に与えると花付きが良くなります。

鉢植え

植え付ける際は、元肥として根を傷めにくい緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。

以降は追肥として冬を除く夏~春に月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

特に春から開花が始まる頃は花用の液体肥料を重点的に与えると花付きが良くなります。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の手入れ
支柱立て

高成種のカンパニュラは草丈を高くなるため、春の強風で根際から傾いたり倒れることがあります。

春にある程度の草丈まで育った段階で支柱を立てて倒れないようにします。

また花壇に植栽する場合で、演出上支柱を立てたくないときはカンパニュラの周囲に草丈が高めの草花を植栽しカンパニュラを支えると良いです。

花摘み

花が咲き終わり次第、適宜花を摘み取ります。種が付くと次の花が咲きにくくなるため、採種などの目的がないのであれば、種が付かないように花首(花茎の元)から切り取ります。

また見た目良く花を摘み取りなら、花穂から下の節(または花穂下から出ている別の花穂の分岐部分)で切り取ると株の見た目が良くなります。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の増やし方

カンパニュラ(ツリガネソウ)は「種まき」で増やします。

種まき

撒き時期:種まきは二年草タイプであれば5月~6月に種をまき、一年草タイプであれば7月~8月(寒地・寒冷地では7月末~8月、温暖地・暖地では8月中旬~9月上旬)に種をまきます。

撒き方:種を撒く場合は、育苗トレーに市販の種まき用土を入れて育てるかピートバンなどを準備し、種まき前に水をかけて十分吸水させます。

種をばら撒きして乾燥防止のために上部に遮光ネットをかけるか薄く覆土し、再度柔らかく水をかけて土を馴染ませます。

高温期の種まきのため発芽~移植するまで明るい日陰で管理し、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

本葉が3~4枚くらいで根を傷めないように苗を取り出しポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

カンパニュラ/ ツリガネソウ(釣鐘草)の病害虫

害虫として「アブラムシ」「エカキムシ」「オンシツコナジラミ」、病気として「うどんこ病」「斑点病」「立枯病」が発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
花裏や葉裏などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「エカキムシ」
ハモグリバエの幼虫で、3月~10月に葉の表皮下の葉肉を食害するため、葉面に模様のような白い食害痕ができます。

「オンシツコナジラミ」
葉裏などに発生し、葉裏から吸汁するため葉色が悪くなり、株を触れると白い小さな羽虫が舞うようになります。

また大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

病気

「うどんこ病」
葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。陽当たりが悪い場合、または風通しが悪い場所や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。

被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、消毒の前に環境改善を行ってください。

「斑点病」
葉に茶褐色の小さな斑点状の病斑が表れ、病葉はやがて枯れます。病葉が次の病原になるので取り除き、消毒などを行います。

また密植気味で風通しが悪い場合や土の過湿で発生しやすくなります。

「立枯病」
土壌病原菌による病気で、地際周辺の茎から被害を受けて萎れるようになり、やがて枯れます。

連作障害の一種で毎年同じ場所にキキョウ科の植物を植えると発生しやすくなるので、定期的に植える場所を変えたり、堆肥類を多く混ぜ込んで発生を抑えます。

退治・治療方法

「アブラムシ」「エカキムシ」「コナジラミ」や「うどんこ病」「斑点病」の場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

「立枯病」は一度発症すると株の治療はできないため、予め発症しにくい土管理をするか、植栽前に土壌消毒します。

また「エカキムシ」は表皮下を食害するため接触剤での退治が難しいため、アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤のような浸透移行性で植物内に残効する薬剤を株の周囲に撒くことで予防や退治がしやすくなります。

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