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キキョウ(桔梗)の基本情報
科名:キキョウ科 Campanulaceae
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属名:キキョウ属 Platycodon
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学名:Platycodon grandiflorus
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和名:キキョウ(桔梗)
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別名:キチコウ(桔梗)
オカトトキ(岡止々支)
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英名:Balloon flower
Platycodon
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原産:日本・朝鮮半島・中国・シベリア東部
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開花時期:6月~10月
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高さ:15㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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キキョウ(桔梗)の特徴
キキョウは日本を含む東アジア原産の宿根性の多年草で、日本では全土に自生しています。
山野の開けた草原などの陽当たりと排水の良い場所に自生していますが、自生環境の減少に伴い野生個体は絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
初夏から秋まで開花し「秋の七草」の一つとして数えられ、太い根を生薬として利用されるほか、古くから観賞用としての栽培も行われています。
現在流通するキキョウは多くは園芸品種で、花色は薄紫色から濃紫・白・ピンク・絞り咲きなどの色幅があり、花形は一重咲き~八重咲き、草丈は1m前後の高性種から15㎝前後の矮性種などがあります。
キキョウ(桔梗)の管理と置き場所
キキョウは陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。
宿根草苗として流通する根が発達しニンジンのような形まで育った苗と、根が未発達の実生苗があり、特に根量が少ない実生苗の方は過湿に気を付けて育てます。
暑さ・寒さに強く、環境が整っていれば鉢植え・地植えどちらでも栽培できますが、品種により高性種と矮性種があるので、栽培状況に応じて品種や草丈を選んだ方が良いです。
地植え
高性種・矮性種ともに地植えでき、高性種は花壇後方に植え、矮性種は花壇前方に植えます。
自生環境は直射日光が良く当たる陽当たりで、周囲に多くの植物が生え過湿になりにくい土壌なので、花壇などに植え付ける場合も排水良く土を作り変えるか、レイズドベッドや盛り土をして排水良くしてから植え付けます。
鉢植え
矮性種の方が育てやすいですが、高性種を育てる場合は支柱を立てて株が倒れないように育てます。
陽当たりの良い場所に置き、排水の良い土を使って植え付け、多湿に気を付けて水やりを行えば比較的簡単に育てられます。
ただし梅雨時期だけは土が過湿になりやすくなるため、南向きの明るい屋根下などに取り込み根腐れなどを防ぎます。
キキョウ(桔梗)の年間管理表
キキョウ(桔梗)の植え替え
苗を入手後になるべく早く地植えまたは一回り大きな鉢か複数株をまとめて大きな鉢に植え替えを行います。
越冬株の植え替えは、芽が動き始める少し前あたりの時期が良いので早春(2月~3月)に行います。
鉢植えは根が発達している株ほど根詰まりを起こしやすいので、基本的に毎年早春に1回植え替えます。
地植え株の場合は植え替えの必要はありませんが、株が大きくなって植栽のバランスが崩れる場合は数年に1回掘り上げて株分けを行うと良いです。
植え替えの際は太い根を傷つけないように取り出して土を落とし、根の上部が土内に少し埋まるくらいの深さで植え替えます。
キキョウ(桔梗)の用土の選び方
地植え
排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
また植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。
鉢植え
根が太く多湿では根腐れしやすいため、保水性・排水性に加え通気性もある用土に植え替えます。
混合する場合は、赤玉土小粒:鹿沼土小粒:腐葉土を等量混合で用土を作ります。
一方市販の花用の培養土でも育ちますが、根が未発達の実生苗の場合は植え付け初期が過湿になりやすいので、土質によって赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ2割ずつ混ぜて植え付けた方が良いです。
キキョウ(桔梗)の水やり
地植え
植え付けた後にたっぷりと水を与えた後は基本的に天候任せで水やりをする必要はありません。
ただし夏場で晴天が続くようであれば、表土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。
鉢植え
新芽がでて葉が枯れるまでの春~晩秋までは表土が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
冬も表土が乾いてから水を与えますが、根を残して休眠しているため吸水量が極めて少なく過湿になりやすいので水の与え過ぎに注意します。
鉢植えの場合は、梅雨時期の連続する降雨で根腐れしやすくなるため、南向きの明るい屋根下などに移動し土の多湿を避けた方が良いです。
キキョウ(桔梗)の肥料の与え方
地植え
土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付けます。
芽吹き~開花までは骨粉入り油粕などを鉢の縁に記載の規定量与えます。
開花が始まる6月~10月の間は追肥として月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えるか、液体肥料を月に2回の頻度で薄めて与えます。
鉢植え
植え付ける際は、元肥として根を傷めにくい緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。
芽吹き~開花までは骨粉入り油粕などを鉢の縁に記載の規定量与えます。
開花が始まる6月~10月の間は追肥として月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えるか、液体肥料を月に2回の頻度で薄めて与えます。
キキョウ(桔梗)の手入れ
花摘み
花が咲き終わると、花柄は落ちて葉を傷めたり、湿度の高い時期は灰色かび病の発生源になるため適宜取り除きます。
また種を付けさせないように花の付け根から摘み取ることで、次の花が咲きやすくなります。
切り戻し
花がある程度咲き終わったら、草丈の半分程度で切り戻しを行うことで新しい芽が出て花を咲かせます。
ただし葉が株元に残らないような切り方をすると枝が枯れ混むことがあるので、株元に葉が少ない場合は切り戻す高さを調整して葉が残るようにします。
支柱立て
高性種は強風で倒れたり茎が折れることがあります。ある程度の草丈まで育った段階で支柱を立てて倒れないようにします。
また花壇に植栽する場合で、演出上支柱を立てたくないときはキキョウの周囲に草丈が高めの草花を植栽し支えると良いです。
キキョウ(桔梗)の増やし方
キキョウは株分け・挿し芽・種まきで増やします。
株分け
株分け時期は植え替えと同じく早春(2月~3月)に行います。
年月が経つと根が発達し、ニンジンのような根が横に連なったような姿になります。
株分けの際はニンジンのような根の結合部分で切り分け、切り分け後は切り口に殺菌剤などを塗布して根が腐るのを防ぎます。
分けた株は植え替えと同じく根の上部が少し土の中に埋まるように植え替えます。
挿し芽
挿し芽の時期は5月~6月に行い、新芽あたりを使って挿し芽します。
新芽先端から3~5㎝を切り取り、挿し穂の下側1/3の葉を取ります。茎や葉の切り取りの際に乳液がでるため洗い流し、水に漬けて給水させます。親株に前日たっぷりと水を与えておくとより効果的です。
育苗トレーや鉢などに湿らせた挿し芽用の土やバーミキュライトなどの清潔な用土を入れ、挿し穂の1/3が埋まるように土に挿します。
なお挿し穂に発根促進剤を付けたり、活力剤を水に加えることで発根率が上がります。
種まき
種まきは市販の種か前年採種したものを使って種まきできます。
撒き時期は5月あたりが良く、暖かい地域であれば4月~5月に種まきでき、寒い地域では5月~6月に種をまきます。
育苗トレーに種まき培土を入れて十分湿らせ種が重ならないようにバラ撒きして軽く覆土します。
またポットに種を撒く場合は培養土を入れ種を2~3粒まき、軽く覆土して水を与えます。
育苗トレーの場合は発芽後から移植できる大きさに育つまで適宜間引きをしながら育て、本葉数枚育ったころにポットに移植するか花壇に植え付けます。
ポットの場合はある程度生育させてから定植しても良いですが、ポット内で根詰まりさせないようにします。
キキョウ(桔梗)の病害虫
害虫として「アブラムシ」、病気として「灰色かび病」「立枯病」など発生することがあります。
害虫
「アブラムシ」は春先に新芽・蕾周辺・花裏・葉裏などに発生します。
陽当たりや風通しが悪い場所やで発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
病気
「灰色かび病」は終わった花柄や枯れた葉に発生します。
主に梅雨時期など過湿期に発生しやすく、灰色~灰褐色のカビが伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去します。
「立枯病」は茎と根の周囲が腐って水を吸い上げることができなくなり、株は緑のまま萎れる様に枯れます。
主に梅雨~夏場にかけて発生しやすく土の過湿や風通しが悪い環境で発生しやすくなります。
発生すると治療が困難なので、土壌や周囲の環境を整えて発生しにくい育て方にします。
退治・治療方法
「アブラムシ」「灰色かび病」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。