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ゴデチア(ゴデチャ)の基本情報
科名:アカバナ科 Onagraceae
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属名:クラーキア属 Clarkia
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学名:Clarkia または Clarkia amoena
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異名(Synonym):Godetia amoena(=Clarkia amoena)
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和名:イロマツヨイグサ(色待宵草)
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別名:ゴデチャ
ゴテチア
ゴテチャ
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英名:Godetia
Farewell to spring(=Clarkia amoena)
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原産:アメリカ西部
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開花時期:4月下旬~6月
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高さ:15㎝~1m
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耐暑性:弱い
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耐寒性:強い
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ゴデチア(ゴデチャ)の特徴
ゴデチアは赤、ピンク、白の鮮やかな花を咲かせるアメリカ原産の一年草です。
鉢植えに向く15㎝~20㎝くらいの矮性種もありますが、多くは50㎝~80㎝の草丈になり花壇の植栽から切花まで楽しむことができます。
流通しているゴデチアは、イロマツヨイグサ(Clarkia amoena)とタイリンイロマツヨイグサ(Clarkia grandiflora)の交配した園芸種と言われています。(※1)
「ゴデチア」の名は、英名であり旧学名でもある「Godetia」に由来し「ゴデチア」「ゴデチャ」などと呼びますが、「ゴテチア」「ゴテチャ」「ゴテチヤ」などの呼び方も散見されます。
※1:タイリンイロマツヨイグサをイロマツヨイグサと同種という見方があり、Clarkia grandiflora は Clarkia amoena の異名(Synonym)となります。
ゴデチア(ゴデチャ)の管理と置き場所
ゴデチアは耐寒性の一年草で、暑さや蒸れに弱いため暖かい地域では秋に種をまき春に花を咲かせる一年草として育てます。
一方耐寒性はあるものの長期間積雪する地域では冬越しが難しくなるため、春に種を撒き夏前まで花を咲かせる一年草として育てます。
育てる環境は、陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てます。特に土の過湿は苦手なので排水の良い環境が重要になります。
また秋の植え付けが遅れると霜の時期までに根の張りきれず、霜柱で根元が土から飛び出すことがあります。なるべく早めに定植するか防寒すると良いです。
ゴデチア(ゴデチャ)の年間管理表
ゴデチア(ゴデチャ)の植え替え
11月~12月あたりから苗が出回ります。苗を購入後、一~二回りの大きな鉢、または花壇などに植え替えます。
高性種・矮性種などの品種があり、鉢植えの場合は15㎝~20㎝くらいの矮性種の方が育てやすいので、どのように植えたいのかを考え購入時に品種や性質を知ったうえで苗を選んだ方が良いです。
ゴデチアは直根性(根が下方に真っすぐ伸びる性質)で植え替え等で根を傷めることを嫌うため、根鉢やポットの土を崩さずに植え替えます。
また育ちすぎた苗や根詰まりした苗は植え替え後も育ちが悪くなります。苗を選ぶ際は、やや小ぶりのものを選んだ方が良いです。
種から育てる場合は、最初から観賞時に使う鉢やプランターに直撒きもできます。
ゴデチア(ゴデチャ)の用土の選び方
鉢植え
市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えます。
根腐れが気になる場合は、市販の培養土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割まぜて排水を良くしたものを使うこともできます。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭植え
排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
また粘土質の土壌は嫌うため、植える場所が粘土質の場合は堆肥類以外にもパーライト、軽石小粒、川砂などを混ぜ込み土質を作り変えます。
ゴデチア(ゴデチャ)の水やり
ゴデチアの水やりは一般的な花の水の与え方に準じますが、土の過湿を嫌うため定期的な水やりを避けて、土の乾きを確認しながら水を与えた方が良いです。
鉢植え
基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
庭植え
植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
ゴデチア(ゴデチャ)の肥料の与え方
ゴデチアは肥料を多く与えすぎると徒長して倒れやすくなったり、病害虫が発生しやすくなるため少量の肥料で育てます。
鉢植え
庭植えと同じく植え替え時に元肥を混ぜて植え付けます。
鉢植えの場合は肥料が切れることがあるため、翌春に蕾が大きくなったあたりに追肥として株の周囲に追肥を与えます。
与える肥料の量は、お持ちの肥料の説明に準じます。
庭植え
種を花壇などに直撒きする場合は、予め有機肥料などを元肥として混ぜ込んでから種まきします。
苗を定植する場合は、定植するまでに元肥を混ぜ込んでから植え付けます。
ゴデチア(ゴデチャ)の増やし方
ゴデチアは種まきで増やします。種は購入するか採種したものを撒くことになります。
種まきは暖かい地域では9月末~10月、寒い地域では3月~4月が適期です。
先述の通りゴデチアは直根性で移植を嫌うため、種を撒く場合は、庭や観賞時使う鉢やプランターに直撒きするか、ビニールポットで苗を育て早めに定植します。
庭・花壇への直撒き
種まき前に土の準備を行います。苦土石灰を撒いて耕し土壌混入して水を撒き、1~2週間おきます。
さらに完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
もし完熟に達していない堆肥や有機肥料を混ぜる場合は、土に混入後さらに1~2週間おいてから種まきします。
土の準備ができたら、種をばら撒きまたは筋撒きします。もしばら撒きで雑草との区別がつかなくなる恐れがある場合は、筋蒔きにすることで発芽箇所に規則性ができ区別しやすくなります。
種まき後に薄く覆土し、土の中まで染み込むようにたっぷりと水を与えます。
発芽後本葉が出たあたりで間引きします。根が傷むのを嫌うため、間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。
間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、最終的な株間が15㎝前後までは行った方が良いです。
ポット撒き
ビニールポットに培養土を入れ、種を撒いて薄く覆土し、たっぷりと水を与えます。
発芽後は直撒きと同様に間引きを行い、1ポットに1苗になるまで間引きつつ育成します。
なおポットで育てた場合の注意点として、直根性のためポット内で育ちすぎると、ポットから移植しても大きく育たなくなります。ある程度育てた段階で定植します。
ゴデチア(ゴデチャ)の病害虫
害虫として「アブラムシ」、病気として「立枯病」などが発生することがあります。
害虫
「アブラムシ」
春先に蕾周辺に発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
病気
「立枯病」
土壌が原因で起きる病気で、土壌の過湿やゴデチアやアカバナ科の植物(ガウラ、フクシア、マツヨイグサ等)を連作している場合に発生します。
症状は定植後少し経ってから出始め、枯れだしたものは治らないため除去します。
対策は土の排水性を良くするか、ゴデチアを植える場所を変えるなどの対応が必要になります。
また連作障害を抑えるため堆肥類を多めに混入したり、ゴデチアを植えない年は冬に天地返しを行うなどの対応も良いです。
退治・治療方法
「アブラムシ」が発生してしまった場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
「立枯病」の発症株は治療ができないため、上記の通り発症させない管理が重要になります。