Contents
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の基本情報
科名:ウコギ科 Araliaceae
————————
属名:キヅタ属(ヘデラ属)
Hedera
————————
学名:Hedera canariensis
————————
和名:カナリーキヅタ(カナリー木蔦)
————————
別名:オカメヅタ(お亀蔦)
ヘデラ・カナリエンシス
————————
英名:Canarian ivy
————————
原産:カナリア諸島、マデイラ諸島などの北アフリカ地域
————————
ツルの長さ:~10m
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:強い
————————
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の特徴
カナリーキヅタ(カナリー木蔦)は、カナリア諸島などの北アフリカ周辺に自生するアイビー(ヘデラ属)の仲間で、木本性の常緑ツル植物です。
一般的にアイビーやヘデラの名で店頭に並ぶ「セイヨウキヅタ(西洋木蔦=Hedera helix)」より大き目の葉が特徴的で、別名の「オカメヅタ(お亀蔦)」という名でも呼ばれます。
常緑性でツルは地を這ってグランドカバー状に茂ったり、壁面に気根を下ろして壁面を這うこともできるため壁面緑化に使われることもあります。
また耐陰性が高く、管理も簡単なので玄関周囲の植栽から公園など公共の様々な植栽に使われます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の管理/置き場所
カナリ―キヅタ(オカメヅタ)は半日くらい陽が当たる日陰で風通しの良い環境が良く、土質は選びませんが保水・排水性のバランス土質を好みます。
春・秋は直射日光でも育ちますが、夏場の午後の日差しや西日で葉や株が傷みやすいため、年間通して明るい日陰になるような樹下や上部に遮蔽物がある場所に植えます。
樹木や遮蔽物には別の役目もあり、温暖地でも積雪期間が長い地域や霜が厳しい地域では株が傷むことがあるので、樹木や遮蔽物で雪霜から守ってもらいます。
耐陰性が高く明るさが足りない場所でもある程度生育できますが、徒長気味に育ったり、斑入り品種の場合は斑がなくなることがあります。
木・コンクリート・レンガ・錆びた鉄など凹凸があるものに気根を下ろして這い上るため、壁面を這わせたい場合は上記のような材質を設置します。
一方で家や木などに這い上ることもできるため、不必要な場所に伸びていかないように適宜切り取って整えます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の年間管理表
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の植え替え
植え替えは春から秋までが適期です。冬期も店頭に並びますが土が凍る厳寒期を避けて植え付けた方が良いです。
地植えの場合は、植え付ける周辺を耕し、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。
またオカメヅタ単一を列植する場合は、植栽箇所全体に完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて株幅15~20㎝間隔で植え付けます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の用土の選び方
カナリ―キヅタ(オカメヅタ)は多くの場合壁面緑化やグランドカバーとして庭植えにするため、植栽場所の土質を改良した上で植栽します。
前項と同じく土質を改良するための完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
新築の庭で山砂や真砂土などの土質の場合は、堆肥類以外にも黒土や赤玉土なども1~2割程度混ぜ込み保水・保肥力も改善した方が良いです。
鉢植えにする場合は赤玉土:腐葉土=7:3の土で植え付けます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の水やり
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の肥料の与え方
カナリーキヅタ(オカメヅタ)は肥料を与えなくても良く育ちますが、植えるときの元肥、春から秋の追肥を与えると葉色や生育悪化のリスクを減らせます。
元肥は土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を株回りに混ぜ込んでから植え付けます。
鉢植えの追肥は春~秋に2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を鉢の縁に与えます。
地植えであまり繁茂させたくない場合は追肥を抑えた方が良いですが、葉色が悪くならないように春~秋に数回固形油粕などの有機肥料を株元から離した株の周りに与えます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の剪定
カナリーキヅタ(オカメヅタ)はツルを伸ばして地を這うか壁面を這いあがります。
木・コンクリート・レンガ・錆びた鉄など凹凸があるものに気根を下ろして這い上るため、家や木などに這い上ることがあるので不必要な場所に伸びていかないように適宜切り取って整えます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の増やし方
カナリ―キヅタ(オカメヅタ)は挿し木・蔓伏せで増やします。
挿し木
挿し木は3月~5月・9月~10月に行います。ツルを3~4節くらいで切り取り、下葉を落として水に漬けておくか清潔な挿し木用土などに挿します。
日陰で水を与えながら管理します。適期であれば1~2週間くらいで発根します。
蔓伏せ
通常は伸びた枝を土の上に固定させることで根を出させてから分ける増やし方ですが、地表を這っている枝は各節からすでに根が出ていることが多いため、根ごと枝を切り取り植え替えます。
植え替え方は挿し木の場合と同じく、育苗トレイやポットに花用の土を入れ、根が土中に入るように枝を地表に置きピン止めするか、地表から数㎜のところに植えこみます。
カナリーキヅタ(オカメヅタ)の病害虫
病害虫に極めて強いですが「カイガラムシ」が発生することがあります。
害虫
「カイガラムシ」
葉裏や葉柄の付け根などに発生し、特に極端に日陰の場所や風通りの悪い場所で発生しやすいため、環境を改善するだけで発生を抑えることができます。
退治・治療方法
もし被害が酷い場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「樹木類」の登録と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。
またグランドカバーの場合(地際から草丈1m以内の場合)はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。