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アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の基本情報
科名:ヒユ科 Amaranthaceae
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属名:ツルノゲイトウ属(アルテルナンテラ属)
Alternanthera
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学名:Alternanthera ficoidea
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異名(Synonym):
Alternanthera tenella
Acyranthes ficoidea
Telanthera ficoidea
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和名:モヨウビユ(模様莧)
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別名:アキランサス
テランセラ
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英名:Joseph’s coat
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原産:西インド諸島~南米
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観賞時期:10月中旬~12月中旬
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高さ:5㎝~15m(越冬株では~50㎝)
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の特徴
アキランサスはカリブ海周辺~南米にかけての熱帯地域原産の非耐寒性多年草で、特に気温が下がる初秋~初冬にかけて葉色が赤や黄色等に色づくのでカラーリーフとして寄せ植えやガーデンに使われます。
熱帯地域原産で霜にあたると枯れますが、気温が低い方が葉色が鮮やかになるため、初秋から店頭にならび霜が降りるまでの一年草として扱うことが多いです。
分類はアルテルナンテラ属(Alternanthera)ですが、旧学名のアキランサス属(Acyranthes)やテランセラ属(Telanthera)から現在でも流通上は「アキランサス」「テランセラ」の名前で店頭に並ぶことが多いです。
アルテルナンテラ属に分類されたことで、流通名での「アキランサス」「アルテルナンテラ」の明確な区分けはないですが、一般的に旧アキランサス属に分類されていた赤・黄色に葉色が色づく細葉種に対してアキランサスと呼ぶことが多いです。
また性質がよく似たイレシネ属(Iresine)もアキランサスに混ざっていることがあります。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の管理と置き場所
アキランサスは陽当たりと風通りの良い環境、保水・排水性のバランスが良い土で育てます。
熱帯性の多年草のため日本では多くの地域で無加温越冬は難しく、一年草として育てることが多いです。
アキランサスの生育は、春から晩夏までの高温期に生育し、気温が下がる秋から生育が遅くなりつつ葉色が鮮やかになるため、一般的には初秋に色づいた苗が店頭に並ぶことがほどんどです。
新芽周辺の葉が鮮やかに色づくため、生育が活発な時期は新芽はすぐに緑葉へと変わることから、気温の高い時期は葉色は控えめです。
そのため暖地や温暖地では、あまり早い時期に購入すると再度生育が始まり葉色が鮮やかさがなくなることがありますが、気温低下とともに鮮やかさが戻ります。
また葉色は低気温以外に十分な光量も必要なため、直射日光の良く当たる屋外で育てます。
もし越冬させる場合は、鉢栽培または庭から掘り上げて、冬期は室内のカーテンをかけない直射光が当たる窓辺などに置くことで越冬させることもできます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の年間管理表
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の植え替え
アキランサスは一般的に秋に店頭にならぶ苗を入手することが多く、入手後に花壇・鉢・寄せ植えなどに植え替えます。
越冬株の場合は、霜が降りなくなった時期から植え替えすることができます。
越冬株は前年の鉢から株を抜き取り、鉢土の半分程度を落としてから、2回りくらい大きな鉢に植え替えます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の用土の選び方
アキランサスは市販の花用の培養土でも大丈夫です。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭や花壇に植える場合は、梅雨時期の長雨も考慮して土を排水良くしておくと良いです。
完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の水やり
アキランサスの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。
なお比較的水を好む方ですが、多湿や蒸れた場合に葉が茶色に腐ることがあるため、過湿にならないような水やりを行います。
庭植え
庭植えの株は基本的に水やりの必要はありません。苗を定植した場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね天候にまかせます。
ただし夏場に晴天が続くようであれば、土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。
鉢植え
鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の肥料の与え方
秋に入手した株の場合は肥料を与える必要はありません。
一方で越冬した株の場合は、春の植え替え時期に根を傷めないような緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え替えます。
春から夏の成長期は2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の手入れ
摘芯・刈り込み
アキランサスは比較的コンパクトな植物ですが、夏場に育ちすぎてバランスを崩れるようならば、摘芯・または刈り込むことで草丈を抑えることができます。
ただし9月以降は刈り込みは、色づく時期までに芽吹きが間に合わない可能性があるため控えます。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の増やし方
アキランサスは「挿し芽」「種まき」で増やします。
挿し芽
時期は5月~6月あたりに行い、地際の固く木質化した枝を避けつつ固く充実した枝を使って挿し芽します。
挿し芽をする場合は3~4節分くらいで枝を切り取り、挿し穂下側数節分の葉を取り除き、挿し穂を数時間水につけて給水させます。
湿らせた赤玉土小粒やバーミキュライトに挿します。
発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。
種まき
種まきは4月末~6月が適期で、前年採種したものを使って種まきを行います。
ビニールポットに培養土を入れ、種を撒いた後に種が隠れるように覆土し、たっぷりと水を与えます。
発芽後は直撒きと同様に間引きを行い、1ポットに1苗になるまで間引きつつ育成します。
アキランサス / モヨウビユ(模様莧)の病害虫
比較的病害虫に強いですが、害虫として「ハダニ」「ハマキムシ」「ナメクジ」等が発生することがあります。
害虫
「ハダニ」
乾燥する環境下で葉裏にから広がっていき、葉裏から吸汁するため、葉色がかすれた様な色合いになります。
地植えではあまり大発生することはありませんが、鉢栽培で屋根下や室内に置いている場合は乾燥しやすく発生しやすくなります。
またハダニはクモの仲間なので、大発生すると蜘蛛の巣状の糸を張り始めます。
葉裏から株全体に定期的に水をかけることで発生を抑えることができます。
「ハマキムシ」
ハマキガの幼虫で葉を巻き取って内側から食害します。
発生時期は春から秋までなので、10月あたりからガーデンシクラメンを植えた場合や翌春の4月あたりに発生することがあります。
葉を巻き取るため見た目が悪くなり、また幼虫は巻き取った葉の内側にいるため浸透移行性の薬剤でなければ退治しにくいので、見つけ次第葉ごと除去・捕殺します。
「ナメクジ」
日中は鉢の裏側・草陰・半地中のやや湿気のある場所で休んで、夕方から夜に葉や茎を食害します。
特に幼苗の時に被害にあうと生育に著しい影響を与えます。
退治・治療方法
「ナメクジ」ともに夕方や夜間に活動するため捕殺する場合は夕方や夜に行います。
また捕殺だけでは効率よく退治はできないので、食害が酷い場合は薬剤退治も行うと良いです。
「ハダニ」「ハマキムシ」は浸透移行機能のある薬剤やスプレー剤で「花き類」の登録と「ハダニ」「ヨトウムシ」の記載がある薬剤を使うと退治できます。
また「ヨトウムシ」は予め浸透移行系の殺虫粒剤を株回りに撒くことで予防・退治ができます。
「ナメクジ」は貝類なので、専用の誘引剤で退治するか直接噴霧するスプレー剤などで退治します。