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カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の基本情報
科名:ムクロジ科 Sapindaceae
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属名:カエデ属 Acer
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学名:Acer
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和名:カエデ(楓)
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別名:モミジ(紅葉 / 椛)
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英名:maple
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原産:北半球の温帯地域
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高さ:5m~25m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや強い
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カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の特徴
カエデの仲間(カエデ属)は北半球の温帯地域を中心に150種あり、日本には26種が自生していて、多くが春の新緑や秋の紅葉(黄葉)を観賞する庭園樹として楽しまれます。
カエデ属には切れ込みのない単葉のヒトツバカエデ(Acer distylum)や三枚複葉のメグスリノキ(Acer maximowiczianum)などもあり、通称として「カエデ」と「モミジ」と呼び分けていますが植物として同種で、葉の切れ込みが大きいものにモミジ、葉の切れ込みが浅いものにカエデの名前が付くことが多いです。
カエデやモミジとして代表的な種類はイロハモミジ(Acer palmatum)、オオモミジ(Acer amoenum)、ハウチワカエデ(Acer japonicum)、イタヤカエデ(Acer pictum subsp. dissectum)などがあり、一般的にカエデやモミジとして店頭に並ぶ場合はそれらの種の変種や園芸種も含めてカエデやモミジと呼んでいます。
特に園芸種では葉の形・秋の葉色などが様々で、葉は一般的なモミジ葉型以外に細葉やチリメン葉の品種や、秋に葉が赤や黄に色づくだけでなく若葉が赤い品種などもあります。
また樹形も木立ち樹形だけでなく枝垂れ樹形があり、庭の景観や栽培環境の雰囲気に合わせた種類を選ぶこともできます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の管理と置き場所
カエデの仲間は陽当りと風通しの良い環境が良く、腐植質に富んだ保水・排水性のバランス土質を好みます。
特に土の乾燥に弱いため、真砂土や山砂などの乾きやすい土質の場合は堆肥類以外に赤玉土や黒土などを混ぜて保水性を高めてから植え付けます。
明るい日陰でもある程度は生育でき、品種によっては夏場に直射日光が当たる場所ではやや葉に痛みがでることがありますが、日陰環境では害虫の発生が増えることがあるので陽当たりの良い場所が良いです。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の年間管理表
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の植え替え
植え替えは12月~3月で、主に落葉期間(落葉後から翌春の葉芽が生育始めるまで)に行います。
ただし積雪や土が凍る時期(あるいは凍る直前の時期)を避けて植えた方が良いです。
庭植え
株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。
土の乾燥に弱いため、真砂土や山砂などの乾きやすい土質の場合は堆肥類以外に赤玉土や黒土などを混ぜて保水性を高めてから植え付けます。
鉢植え
鉢植えの場合は庭植えと比べると鉢土が凍りやすいため、比較的霜の穏やかな地域の植え替えは12月から行うこともできますが、霜の強い地域では2月末~3月に行った方が良いです。
苗から育てている株の場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、12月~3月の間に適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
ある程度育って鉢のサイズが大きくできない場合は、2~3年に一回の頻度で上記植え替え時期に植え替えを行います。
同じ大きさの鉢に植え替える場合は、根鉢を鉢から取り出して土を崩し、傷んだ根や伸びすぎた細根などを整理して新しい用土で植え替えます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の用土の選び方
鉢植えにする場合は赤玉土:腐葉土:黒土=6:2:2の土で植え付けます。
庭植えの場合は土質を改良するための完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土を植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
新築の庭で山砂や真砂土などの土質の場合は、堆肥類以外にも黒土や赤玉土なども1~2割程度混ぜ込み保水・保肥力も改善した方が良いです。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の水やり
カエデの仲間の水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の肥料の与え方
元肥は土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を株回りに混ぜ込んでから植え付けます。
追肥は12月~3月に、庭植えの場合は寒肥として完熟堆肥と完熟有機肥料を樹冠真下の土を掘り返して混ぜ込み、鉢植えの場合は固形油粕などの有機肥料を株元から離した株の周りに与えます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の剪定
カエデの仲間の剪定は落葉後(11月末~12月上旬)~早春(2月上旬~2月中旬)までに行います。
徒長枝・樹木の内側に向かって伸びている枝・込み合った枝などの一般的な庭木と同じく樹形を乱したり生育上不要な枝を剪定し、樹形を整えます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の増やし方
カエデの仲間は「種まき」「接ぎ木」で増やします。
園芸品種の場合は親株と同じ性質の株を増やすために主に接木で増やすことが多く、性質にこだわらない野生種の場合は種まきで増やすことが多いです。
ここでは比較的難易度が低い「種まき」について説明します。
種まき
秋に羽根のついた種(翼果)を採種し、そのまますぐに種まきするか翌春に種まきします。
カエデの種は湿った状態で低温に曝されないと発芽できないため、撒く時期で若干の注意点があります。
秋から種まきする場合は屋外ならば冬の低温に曝されますが、春に発芽するまで乾かないように定期的に湿らせる必要があります。
春から種まきする場合は意図的に寒さに曝す必要があるため、湿らせたキッチンペーパーなどにくるんだ後にビニールなどに入れ、一ヵ月程度冷蔵庫内で保管してから種まきします。
種まきする場合は、花用の土などをポットなどに入れて種を撒き、軽く覆土した後にたっぷりと水を与え、発芽するまで明るい日陰に置きます。
また種が乾かなければ庭に種をばら撒いても芽が出るため、比較的湿度が保てる場所にそのまま種をばら撒いて軽く土を被せ、定期的に水を与えると春に芽がでます。
カエデ(楓)/ モミジ(紅葉)の病害虫
害虫として「イラガ」「アブラムシ」「テッポウムシ(カミキリムシ)」、病気として「うどんこ病」などが発生することがあります。
害虫
「イラガ」
蛾の一種で幼虫は黄緑色の短い毛虫です。棘に触れると激痛があることから地域によってはデンキムシという名でよばれることもあります。発生時期は6月~7月、9月~10月上旬の年2回です。
「アブラムシ」
主に新芽などに発生しやすく、陽当たりや風通しが悪い環境では大発生しやすくなります。
被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあります。
「テッポウムシ(カミキリムシ)」
カエデ類にはゴマダラカミキリの幼虫で別名テッポウムシとも呼ばれ、枝や幹内を食害することがあります。
幼虫が幹内を食害すると周辺に鋸屑のような木屑が溜まるため、木屑周辺から上部の幹や枝を確認してテッポウムシ用の薬剤などで退治します。
なお被害が酷いと樹が枯れることがあるため、なるべく早めに被害に気が付くことで枯死を防ぐことができます。
病気
「うどんこ病」
春から梅雨にかけて湿度が多い時期に発生しやすく、葉の表面に白い粉をまぶしたような病状が発生します。
陽当たりや風通しが悪い環境で発生しやすく、大発生すると観賞価値が下がる他、生育にも影響がでます。
消毒で予防や治療ができますが、生育環境の改善を行い発生しにくい環境づくりが重要になります。
退治・治療方法
市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木類」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
なお「テッポウムシ(カミキリムシ)」は幹や枝内を食害し、一般的な散布剤では退治できないため、テッポウムシ専用の樹幹注入できるスプレー剤などで退治します。