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皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の基本情報
科名:キク科 Asteraceae
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属名:テンジクボタン属(ダリア属)
Dahlia
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学名:Dahlia imperialis
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和名:コダチダリア(木立ダリア)
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別名:コウテイダリア(皇帝ダリア)
キダチダリア(木立ダリア)
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英名:Bell tree dahlia
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原産:メキシコ・中央アメリア・コロンビア
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開花時期:11月下旬~12月上旬
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高さ:1m~6m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや強い
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皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の特徴
ダリアの仲間(ダリア属)の原種は中央アメリカを中心に北米南部~南米北部にかけて40種前後あります。
「皇帝ダリア」は、和名で「コダチダリア(木立ダリア)」という茎が木質化するダリア属の一種で、草丈が数m~6mの高さまで育ち、晩秋にややピンクがかった薄紫の花を咲かせます。
流通上は「皇帝ダリア」という名で店頭に並ぶことも多く、学名の「ダリア・インぺリアリス(Dahlia imperialis)」の「imperialis(皇帝の)」に由来します。
薄紫~薄ピンクの花色の一重花が一般的ですが、白花の種類や八重咲きなどの種類もあります。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の管理と置き場所
皇帝ダリアは陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。
また短日植物で夜が長くなると花を咲かせる性質があるため、夜間は暗くなるように街灯などが周囲にない場所で育てる必要があります。
晩秋に開花する多年草で冬に地上部は枯れますが、地中で太い根と塊根が越冬します。
大型に育つダリアなので地植え栽培することが一般的ですが、大き目の鉢を使った鉢栽培で本来の株姿よりコンパクトに育てることもできます。
以下に地植え・鉢植えで管理を説明します。
地植え
草丈は3~4mくらいに育つことが多いですが、5~6mまで成長することもあります。
周囲に風を遮る遮蔽物がない場所で大きな株に育った場合は茎が倒れることがあるので支柱などで支えます。
また支柱などの支えがない状態で育てると、茎は一度倒れた状態から起き上がって育つこともあります。
草丈を低く育てたい場合は6月~8月にかけて切り戻しすることで抑えることができます。
鉢植え
10号またはそれ以上の鉢に植えることで草丈を1~2mくらいに抑えつつ花を咲かせることができます。
なお晩夏~初秋にかけて草丈が高くなると、鉢内で株が傾いたり鉢ごと倒れやすくなるため、茎を支柱で支えたり鉢が倒れないように固定する必要があります。
また鉢栽培の場合は、冬に鉢内が凍結し根が寒さで枯死することがあるので、凍結しない場所に移動させるか、土中に鉢ごと埋めて凍結から守ります。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の年間管理表

皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の植え替え
苗を入手後になるべく早く地植えまたは10号以上の大きな鉢に植え替えを行います。
地植えにする場合は樹木を植え方と同じで、幅・深さともに50~60㎝以上の穴を掘って、掘り出した土に完熟堆肥・腐葉土・完熟有機肥料などを土に混ぜ込んでから定植します。
鉢栽培の株の植え替えや地植え株の移植は、寒さが過ぎて新芽が出始める3月~4月に行います。
皇帝ダリアは大型に育つ植物なので、鉢植えの場合は毎年3月~4月に1回植え替え、根鉢を取り出し古い土を落としてから新しい土で植えなおします。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の用土の選び方
地植え
排水性の良く、腐植質に富んだ土を好むため、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
鉢植え
混合する場合は、赤玉土小粒:腐葉土:酸度調整ピートモス=5:3:2で混合して用土を作ります。
一方市販の花用の培養土でも育ちますが、小さな苗を大きな鉢に植えることになるため植え付け初期が過湿になりやすいので、土質によって赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ2割ずつ混ぜて植え付けた方が良いです。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の水やり
地植え
植え付けた後にたっぷりと水を与えた後は基本的に天候任せで水やりをする必要はありません。
ただし夏場で晴天が続くようであれば、表土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。
鉢植え
新芽がでて葉が枯れるまでの春~晩秋までは表土が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
冬は基本的に水やりを抑えて乾かし気味に管理しますが、乾燥により根が枯死しないように月に1回程度は暖かい日の午前中に水を与えます。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の肥料の与え方
地植え
土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付け、以降はほぼ追肥は必要ありません。
鉢植え
植え付ける際は、元肥として根を傷めにくい緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。
5月~10月の間は追肥として月1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えるか、液体肥料を月に2回の頻度で薄めて与えます。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の手入れ
切り戻し
草丈を抑えたい場合は、6月~8月までの間で伸びた茎を切り戻します。
なお9月以降の剪定では開花までに茎の充実が間に合わず、秋に開花できなくなることがあるため、切り戻しは8月までに行います。
支柱立て
切り戻しを行わない場合は草丈が高く育つため、強い風で倒れたることがあります。
苗の定植時や春の芽吹きの時期に、周囲を囲むように複数本の支柱を立てて倒れにくくするか、若い苗の場合は太い支柱を株横に挿しこんで支える準備をします。
なお定植時以外で支柱を指す場合(前年の株に支柱を立てる場合)は、株の横に太い根や塊根があって傷つけやすいので注意して支柱を立てます。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の増やし方
皇帝ダリアは「株分け」「挿し木」で増やします。
株分け
株分け時期は芽吹き始めの3月に行います。
前年の茎元周辺(茎と塊根の繋ぎ目周辺)に当年の芽があるため、分けた後の株に芽がついているように前年の茎と塊根をセットに切り分けます。
なお塊根は固く大きくて、ハサミやナイフでは切り分けられないため、ノコギリなどを使って切り分けます。
挿し木
挿し穂は前年の固く充実した太い茎を保存して、翌年の3月から挿し木します。
保存は乾燥と凍結から守るために、ビニール袋などに入れ、地中に埋めるか室内で保管します。
寒さが落ち着く3月から、保存した茎を3節毎に切り分けて上下を間違わないように1節分土に挿しこみます。
なお切り分ける場合は節のところで切らずに、挿し穂の上下ともに節から数㎝上または下で挿し穂に節が残るように切ります。
皇帝ダリア/コダチダリア(木立ダリア)の病害虫
比較的病害虫に強いですが、害虫として「ヨトウムシ」など発生することがあります。
害虫
「ヨトウムシ」
ヨトウガの幼虫で初夏~秋にかけて主に夜間に葉や芽を食害します。
特に草丈が低い晩春~初夏は被害が大きくなるため、食害痕がある場合は夕方から夜間に捕殺するか消毒して退治します。
退治・治療方法
「ヨトウムシ」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
また草丈が1m以内の頃であれば、アセフェートやクロアチニジンが含まれる粒剤などを散布することで退治することもできます。