ブラキカムの育て方

ブラキカムの基本情報

科名:キク科 Asteraceae
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属名:ヒメコスモス属(ブラキスコメ属)
   Brachyscome
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学名:Brachyscome
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和名:ヒメコスモス
   (姫秋桜=Brachyscome iberidifolia)
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流通名:ブラキカム
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英名:Brachyscome
   Swan River daisy(=B. iberidifolia)
   Cut-leaved daisy(=B. multifida)
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原産:オーストラリア・ニュージーランド・ニューギニア
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開花時期:3月~11月
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高さ:10㎝~30㎝
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耐暑性:やや弱い
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耐寒性:弱い
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ブラキカムの特徴

ブラキカムはオーストラリアやニュージーランドなどが原産のキク科ブラキスコメ属の半耐寒性の一年草や多年草で、デージーのような小ぶりな花を咲かせます。

花色は青・紫・ピンク・黄・白などの花色があり、開花期が長く春から秋まで開花を続けます。

枝はしなやかで少し倒れながら育つので、地植えの場合はドーム状の株に育ち、鉢植えの場合もドーム状の株に育ちますが鉢縁からやや垂れ下がるように茂ります。

草丈低めでこんもりと茂るので単植鉢栽培もきれいですが、小輪の花は他の花とも合わせやすいので、花壇前方の植栽から寄せ植えの花材まで幅広く楽しめます。

ブラキカムの名前の由来

ブラキカムの属名は「ブラキスコメ(Brachyscome)」で、ラテン語の「brachys(短い)」と「kome(毛・髪)」が元になっていて、ブラキカムの仲間の短い冠毛(タンポポの綿毛のようなもの)に由来しています。

フランスの植物学者アンリ・カッシーニにより「Brachyscome」として発表され、後にカッシーニ自身によって「ブラキカメ(Brachycome)」という名にスペル修正されました。

現在「Brachyscome」が正名となっていて、「ブラキスコメ」という属名ですが、流通上は「ブラキカム」の名で店頭に並ぶことがほとんどです。

ブラキカムの管理・置き場所

ブラキカムは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

春から秋まで開花しますが、高温多湿が苦手なので夏は木漏れ日が落ちる樹下や明るい日陰に置くと夏越ししやすいです。

また夏も開花させる場合は、昼前まで直射日光が当たるような日陰に置くと花が咲きやすくなります。

半耐寒性のため多年草タイプでも雪・霜が穏やかな地域は屋外越冬ができますが、頻繁に霜で土が凍る地域は陽の当たる屋根下に取り込んで越冬させます。

ブラキカムの年間管理表
 
ブラキカムの植え替え

一年草・多年草タイプともに苗を購入後、一回り大きな鉢、寄せ植えまたは花壇などに植え替えます。

ブラキカムのほとんどは開花株で主に春と秋に花付きの苗が店頭に並びます。

開花株は根詰まりしていることがあるため、根鉢を取り出して根が回っている場合は、根鉢の底と上部を少しずつ崩したうえで植え替えを行います。

多年草タイプの越冬株の植え替えは3月あたりに行い、基本的に毎年1回は植え替えを行います。

鉢植えの場合は根鉢を取り出し、土を半分から1/3程度落として、伸びすぎた根を切って整理し、新しい土と鉢に植え替えます。

ブラキカムの用土の選び方

市販の花用の培養土でも大丈夫です。ただし土の過湿を嫌うため土質によっては赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割程度混ぜて排水良く作り替えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:鹿沼土小粒:調整ピートモス:腐葉土:パーライト=4:2:2:1:1の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ブラキカムの水やり

ブラキカムの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫ですが、夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

鉢植え・庭植えどちらの場合も、夏の土の過湿や冬の凍結などで傷みやすくなるため、夏・冬の水のやりすぎに注意します。

ブラキカムの肥料の与え方
地植えの場合

土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を混ぜてから植え付けます。

追肥は一年草タイプであれば与えなくても開花します。多年草タイプであれば4月に株元から離した株の周囲に緩効性の化成肥料を与えます。

鉢植えの場合

元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。

以降3月~11月の間は追肥として2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えるか、1ヶ月に1~2回の頻度で液体肥料を薄めて与えます。

ブラキカムの手入れ
花柄摘み

開花期間中は花が咲き終わり次第に随時花柄摘みを行います。

花柄摘みは花茎を残すと見た目が悪くなるため、花茎の付け根から切り取った方が良いです。

切り戻し

梅雨から夏にかけての高温多湿や蒸れを嫌うので、6月~7月に株を半分くらいまで切り戻します。

ただし気温が上がる時期なので、葉がなくなるような切り戻しを行うと枝が枯れ込んだり、株が弱ることがあるので、葉が残るように切り戻しを行います。

ブラキカムの増やし方

ブラキカムは一年草タイプは種まき、多年草タイプは種まき・挿し芽で増やします。

種まき

ブラキカムの種まきは9月~10月に行い、市販の種か採種したものを使います。

種のサイズが小さいため用土はピートバンや市販の種まき培土のように土の目が細かいものを使います。

種まきトレイに用土を入れた後、種が水やりで流されないように種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。ピートバンの場合は水に浸して給水させます。

用土が十分給水できたら、種が重ならないようにバラ撒きします。種まき後に覆土をする場合は種が埋まらないように極薄く行います。

発芽後本葉が出たあたりで間引きします。根が傷まないように間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、本葉が4枚になったあたりでポットに植え替えて苗を作ります。

挿し芽

挿し芽は3月~4月に行います。

緑色で固く充実した枝を10㎝前後で切りとって挿し穂下側から数枚葉を落とし、挿し穂を水に漬けて給水させます。

なお挿し穂を作る前日から半日前に親株にたっぷりと水を与え、枝内に水を行きわたらせておくとより活着しやすいです。

湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。また挿し穂の給水に活力剤を使ったり、発根剤を付けることで成功率が上がります。

日陰に置き、土が乾かないように水を与えつつ、発根して新芽が成長するまで管理します。

ブラキカムの病害虫

害虫として「アブラムシ」、病気として「うどんこ病」「灰色かび病」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は新芽や花弁裏側などに発生しやすいです。

特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。

病気

「うどんこ病」は葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。

春先の夜間気温が低い時期や開花期あたりで発生し、特に窒素過多の場合や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。

「灰色かび病」は終わった花柄や枯れた葉に発生します。

長雨など湿度が高い状態で発生しやすく、灰色~灰褐色のカビが伝播していくため花柄や枯れ葉は早めに除去します。

風通しが悪い場所で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

退治・治療方法

「アブラムシ」「うどんこ病」「灰色かび病」の退治・治療は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また害虫の場合はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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