リナリア/ヒメキンギョソウ(姫金魚草)の育て方

 リナリア/ヒメキンギョソウの基本情報

科名:オオバコ科 Plantaginaceae
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属名:ウンラン属(リナリア属) Linaria
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学名:Linaria
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和名:ヒメキンギョソウ(姫金魚草=Linaria または Linaria maroccana
和名:ウンラン(海蘭=Linaria japonica
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英名:Toadflax(=Linaria vulgaris), Linaria, Baby snapdragon
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原産:ヨーロッパ、北アフリカ、アジアの温帯地域
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開花時期:3月~6月(寒冷地は7月~8月)
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高さ:30㎝~50㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや強い
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 リナリア/ヒメキンギョソウの特徴

リナリアは、キンギョソウを小ぶりにしたような草姿からヒメキンギョソウ(姫金魚草)とも呼ばれ、細い茎に小さな花が連なるように咲きます。茎の細さから穏やかな風でも揺らぎやすく、花穂は風にそよぐように咲きます。

リナリアは園芸品種も多く花色も様々で、一般にリナリアやヒメキンギョソウと呼ぶ場合はリナリア属の一年草とそれらの園芸種を呼ぶことが多く、多年草のリナリアは「宿根リナリア」と呼ばれます。

繊細そうな草姿ですが、茎が倒れても脇芽が伸びて茂り比較的育てやす花です。

また花・草ともに小ぶりなため庭の演出上主役になりにくいですが、広めの場所にリナリアを様々な色合いで咲かせると少量の株で咲くときとは異なる壮観さがあります。

 リナリア/ヒメキンギョソウの特徴

リナリアに関わる名前として「リナリア」「ヒメキンギョソウ(姫金魚草)」「ウンラン(海蘭)」などがあります。

店頭で見かけるときはリナリアやヒメキンギョソウの名で苗が並ぶことも多く、ウンラン属に見られるようなウンランの名を店頭で見かけることはほぼないと思います。

リナリア属には150種くらいの種類があり、一年草と多年草があります。

和名でヒメキンギョソウ(姫金魚草)やウンラン(海蘭)と呼ばれる花は、ヒメキンギョソウ(=Linaria maroccana またはLinaria purpurea)、ウンラン(=Linaria japonica)などの原種リナリアに付けられた名前です。

それ以外にもホソバウンラン(=Linaria vulgaris)、ムラサキウンラン(=Linaria bipartita)などの和名が付いているリナリアの原種があります。

ガーデニングの花材としてリナリアの園芸品種が増え、種や苗が多く出回ることで、園芸上の呼び名として学名や和名から「リナリア」「ヒメキンギョソウ」と呼ばれるようになりました。

一方でリナリア属の中で多年性の種類は「宿根リナリア」という名前で店頭に並ぶことがあります。

 リナリア/ヒメキンギョソウ管理/置き場所

リナリアは陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てます。

耐寒性はあるものの冬の霜や雪で傷むことがあり、また夏の高温多湿も苦手です。

寒い地域では春に種まき・苗の植え付けを行い夏に開花させ、暖かい地域では秋に種まき・苗の植え付けを行い春に開花させます。暖かい地域でも、霜や雪で傷まないように天候によって防寒が必要な場合があります。

 リナリア/ヒメキンギョソウ年間管理表
 リナリア/ヒメキンギョソウ植え替え

開花する時期の違いから苗の流通する時期が異なりますが、主に晩秋~冬と春に店頭に並びます。特に春は育成用の苗だけでなく開花苗も多く見かけることになります。

どちらの苗の場合でも、購入後に一回り大きな鉢や花壇などに植え替えます。なお花壇に植える場合、リナリアは酸性土壌を嫌うため予め苦土石灰などで土を中和してから植えます。

リナリアを植え付ける場合は株間を15㎝~20㎝くらい開けて植え付けます。株間が狭いと徒長して軟弱な茎になり、茎の細さも合わさって倒れながら開花し、著しく景観を損ねます。

 リナリア/ヒメキンギョソウ用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:軽石小粒(またはパーライト)=6:3:1の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、土を排水良く作り替えるために完熟の牛糞堆肥または馬糞堆肥と腐葉土を土に混ぜ込みます。また元肥として完熟の有機肥料を堆肥と一緒に混ぜ込みます。

 リナリア/ヒメキンギョソウ水やり

リナリアの水やりは一般的な花の水の与え方に準じますが、他の草花と比較するとやや水やり頻度を抑え乾かし気味に管理した方が倒伏しにくい締まった株に育ちます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。土が乾かないうちに水やりを行い続けると、軟弱な草姿に育ったり根腐れで枯死することがあるので注意が必要です。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

 リナリア/ヒメキンギョソウ肥料の与え方

植えるときの元肥や開花中の追肥を与えますが、肥料の与え過ぎにより徒長して倒れやすくなったり、病害虫が増えることもあるため多肥を避けます。特に窒素肥料の過多に気を付けます。

鉢植えの場合:鉢土に少量の緩効性肥料を混ぜて植え付けます。

庭植えの場合:酸性土壌を嫌うため苦土石灰を撒き中和します。苦土石灰を撒いて耕し土壌混入して水を撒き、1~2週間おきます。さらに完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。もし完熟に達していない堆肥や有機肥料を混ぜる場合は、土に混入後さらに1~2週間おいてから種まきします。

以降は鉢植え・地植えともに追肥は与えず、元肥のみで育てます。

 リナリア/ヒメキンギョソウの摘芯/切り戻し

摘芯(ピンチ):種から育てた場合や未開花苗を植える場合は、苗が小さなころに摘芯(芽の先を摘み取り)します。

摘芯することで脇芽がでて開花量が増えるだけでなく、苗を倒れにくくすることができます。

切り戻し:リナリアの花は小さいため、沢山植栽している場合は一つ一つの花を咲き終わりとともに摘み取るのは難しくなります。そのため植栽しているリナリア全体の開花が一段落したあたりで切り戻しを行うと2番花が開花します。

切り戻しは草丈の半分くらいか、花穂の基(最初に開花した花の下あたり)で切り取ります。

 リナリア/ヒメキンギョソウ増やし方

リナリアは種まきで増やします。

種まきは春または秋に行います。住んでいる地域の気候によって撒き時期が異なり、寒地や寒冷地では春(4月~5月上旬)に種を撒き、温暖地や暖地では秋(9月~10月)に種を撒きます。

リナリアの種は好光性種子(明るい環境下で発芽する種子)のため覆土はせず、種も極めて小さいため用土はピートバンや市販の種まき培土のように土の目が細かいものを使います。

種まきトレイに用土を入れた後、種が小さく水やりなどで流されやすいため、種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。ピートバンの場合は水に浸して給水させます。

種が固まりになったり重ならないように注意しながらバラ撒きか筋撒きします。以降の水やりは種が流されないように霧吹きで行うと良いです。

発芽後は霧吹きから通常の水やりへ戻し、本葉が2~3枚出るまで育てます。

定植やポットへの移植の際は、根が傷まないように苗の周りの土ごと取り出すか、土を解しながら苗を取り出します。

暖地や温暖地など秋に苗を庭へ植える場合は、早めに植え替えすることで根が張りやすくなり耐寒性が上がります。

 リナリア/ヒメキンギョソウ病害虫

害虫:「アブラムシ」などが発生することがあります。

「アブラムシ」は花や葉裏などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「アブラムシ」の退治には、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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