アグロステンマ/ムギセンノウ(麦仙翁)の育て方

 アグロステンマの基本情報

科名:ナデシコ科 Caryophyllaceae
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属名:ムギセンノウ属(アグロステンマ属) Agrostemma
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学名: Agrostemma
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和名:ムギセンノウ(麦仙翁=Agrostemma githago
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英名:Common corn-cockle
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原産:ヨーロッパ、地中海沿岸、西アジア
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開花時期:4月~6月
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高さ:70㎝~1m
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや強い
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 アグロステンマの特徴

アグロステンマは70㎝~1mの草丈まで茂り、春にピンク、青紫、白などの花を咲かせる1年草です。アグロステンマは自生地では数種の原種がいますが、主に観賞にされるのはアグロステンマ・ギタゴ(Agrostemma githago)でムギセンノウ(麦仙翁)という和名もあり、野生種よりやや花の大きな園芸種も作られています。

アグロステンマはヨーロッパでは麦畑などの雑草的な位置づけで、日本へは麦などの農作物に紛れて入ってきたのではないかと言われ、種の販売もありますが一部帰化している地域もあります。

 アグロステンマの管理/置き場所

アグロステンマは秋まきの春咲きの一年草です。開花時期は地域によって違いますが、4月~6月あたりに開花します。草丈は1m前後に育つこともあるので基本的に庭や花壇で育てることになりますが、草丈は低くなるものの鉢植えで育てることもできます。

育てる場所は、陽当たり・風落とし・排水性のが良い場所で育てます。草丈が高いため生育が悪くなった場合の草姿は著しく悪化するので、特に陽当たりは直射日光が良く当たる場所が良いです。

草丈が1mになる場合は周囲に草丈の高い植物があれば支えられるように自立しますが、アグロステンマを単独で植えている場合は倒れることがあります。草丈が伸び始める春に支柱などで支えた方が良いです。

アグロステンマ育て方/年間管理
 アグロステンマ植え替え

秋から種を撒いてできた苗を、暖地や温暖地では10月~11月あたりで植え付け、霜が降りる時期までには植え付けます。寒冷地では春まで防寒し、翌春の3月あたりに植え付けします。

降霜期や降霜期の直近に植え付けて根が張れていない場合は、霜柱でポットの土や根が土からでてしまうことがあります。霜が降りた場合は、根が持ち上げられていないかのチェックと株元や根が土から飛び出している場合は元の状態に戻します。

 アグロステンマ用土の選び方

鉢植えの場合は、市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:調整ピートモス=5:3:2の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、アグロステンマは酸性土壌を嫌うので、苦土石灰などを混入し土のpH調整を行います。苦土石灰を混入して1~2週間おいてから完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

 アグロステンマ水やり/肥料の与え方

水やり:アグロステンマの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

肥料:鉢植えの場合は、10月~5月にかけて緩効性の化成肥料を月に1回与えます。

地植えの場合は、堆肥などと共に有機肥料などを元肥として混ぜ込んで植え付けた後は、徒長を防ぐために肥料は与えません。

 アグロステンマ増やし方

アグロステンマは種まきで増やします。

種は購入するか採種したものを撒くことになり、撒き方は苗を作って定植するか庭や花壇へ直撒きをします。撒き時期は9月~10月あたりでヒガンバナの開花を目安にすると良いです。

苗作り:種まきトレイなどに種まき用の培養土を入れ、一度水をかけて種まき培土を十分湿らせます。種をバラ撒きし、種と土を密着させるために軽く用土表面を押さえるか、種が隠れる程度に薄く覆土します。

種まき後は、種が乾かないように明るい日陰に置き発芽まで管理します。発芽後陽当たりへ移動し、本葉が2~3枚の頃にポットへ移し替えます。

庭・花壇への直撒き:酸性土壌を嫌うため苦土石灰を撒き中和します。苦土石灰を撒いて耕し土壌混入して水を撒き、1~2週間おきます。さらに完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。もし完熟に達していない堆肥や有機肥料を混ぜる場合は、土に混入後さらに1~2週間おいてから種まきします。

土の準備ができたら、種をばら撒きまたは筋撒きします。もしばら撒きで雑草との区別がつかなくなる恐れがある場合は、筋蒔きにすることで発芽箇所に規則性ができ区別しやすくなります。

種が水やりで流されるのを防ぐため、種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。種まき後に種が隠れる程度に薄く覆土し、再度地表全体に水を与えます。

発芽後本葉が出たあたりで間引きします。なお間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、最終的な株間が20㎝~30㎝までは行った方が良いです。

 アグロステンマ病害虫

害虫:「アブラムシ」が発生することがあります。

「アブラムシ」は9月~11月、3月~6月に葉裏や新芽・花芽の周囲などに発生します。陽当たりや風通しが悪い場所で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

病気:「うどんこ病」「灰色かび病」が発生することがあります。

「うどんこ病」は葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。陽当たりが悪い場合、または風通しが悪い場所や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、環境改善とともに消毒を行ってください。

「灰色かび病」は5月~6月あたりで雨が多いと花や蕾などに発生します。水が染みたような斑紋ができ、やがて灰色~灰褐色のカビや胞子がでます。感染源になる感染部位を除去して消毒します。また雨除けなど多湿を避ける環境つくりも必要です。

「アブラムシ」「うどんこ病」「灰色かび病」が発生してしまった場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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