ニチニチソウ(日々草)の育て方

 ニチニチソウの基本情報

科名:キョウチクトウ科 Apocynaceae
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属名:ニチニチソウ属 Catharanthus
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学名: Catharanthus roseus
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原産:マダガスカル
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開花時期:5~11月
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高さ:10~80㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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 ニチニチソウの特徴

ニチニチソウは赤、白、ピンク、紫などの花色から白花に赤ブロッチや赤花に白ブロッチなどの複色の花色まであり、日々花が咲き続けることから「日々草」の名前がついています。

自生地ではやや匍匐ぎみに伸びる低木で、本来多年草ですが、日本では冬場の低温で枯死するため一年草として扱われます。

暑さに強く直射日光を好むため、夏の鉢植えや花壇の植栽に最適で、開花期間も気温の上がる5月から11月の秋遅くまで咲き続けて、高温期の庭を華やかに演出できます。

 ニチニチソウの管理/置き場所

ニチニチソウは陽当たりよく、風通りと排水性の良い土など過湿を避ける環境で育てて下さい。

花は日々咲き続け華やかですが、花後に実と種が付きやすく、大量に実が付くと開花に影響を与えるため、花後に花柄だけでなく花茎も一緒に取り除いて実が付きにくいような手入れがお勧めです。

本来はかなり過湿を嫌う傾向があり「立ち枯れ病」という病気をおこしやすい花で、日本の梅雨時期で傷むことが多いですが、近年では耐病性も高い品種も作られていますので、お庭の状態に合わせて強い品種を選ぶと良いです。

 ニチニチソウの育て方/年間管理
 ニチニチソウの植え替え

5月あたりから苗が出回ります。苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えて下さい。

ニチニチソウは直根性という比較的真っすぐ下に根を伸ばす性質があり、移植や根痛みを嫌いますので、植え替えの際に根を傷めないようポットの土を崩さないように植え替えて下さい。

 ニチニチソウの用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が良く育つこともあります。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、梅雨時期の長雨も考慮して土を排水良くしておくと良いです。完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

 ニチニチソウの水やり/肥料の与え方

ニチニチソウの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。一方で夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

ニチニチソウは連続開花をするため比較的肥料が必要となります。植えるときの元肥や開花中の追肥を与え、肥料切れがおきないようにしましょう。ただし夏場の高温期に高濃度の肥料を与えると根が傷みやすいため注意が必要です。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度は与えた方が良いと思います。

 ニチニチソウの剪定/刈り込み

7月~8月あたりで茂りすぎた場合は、全体的に半分くらいまで刈り込むことで高さや株張りを抑えることができます。ただし高温期の刈り込みで葉が残らないような切り方をした場合に枝の枯れ混むことがあるので、葉を残しながら刈り込みように気を付けてください。

 ニチニチソウの増やし方

ニチニチソウは種まきで増やします。低温では芽が出ないため5月~6月あたりが種まきの適期です。

移植を嫌うため、ポットやセルトレイなどで種まきを行います。

また嫌光性という、種子に光が当たると発芽が抑制される性質があるので覆土など種に光があたらない撒き方をおこないます。

種を撒く場合は市販の種まき用土か花用の土を入れて、3粒ずつ種を撒き、5㎜ほど覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。

発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ってください。本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

 ニチニチソウの越冬とスタンダード仕立て

ニチニチソウは本来は多年草で寒さから守れば越冬することができます。越冬した株の枝は木質化し、一年目の草のような姿から木のような姿へと変わっていきます。

近年ではあまり見かけなくなりましたが、越冬した株でスタンダード仕立てという仕立て方を作ることもできます。

スタンダード仕立ては2~3年かけて作る仕立て方で、株の移動ができるように鉢植えでおこないます。

まずは地際から伸びる枝を真っすぐ上方へ伸びる1本だけ残しその他の枝を切り取ります。残した1本に支柱を立て真っすぐ育てます。お好みの高さまで伸ばした後、枝の先端をピンチ(芽摘み)することで枝の成長を止め枝を増やします。その後先端付近で枝数が増えるようにピンチを繰り返すことで、スタンダード仕立てができあがります。

仕立ての途中で冬を間に挟むので、寒さで株が傷み始める前に室内や温室など防寒できる場所へ移動させます、冬季は観葉植物のように管理し翌年気温が上がり始めたら屋外の陽当たりへ移動させます。

 ニチニチソウの病害虫

「立ち枯れ病」「アブラムシ」が発生することがあります。

「立ち枯れ病」は土や株回りの過湿で発生します。根痛みや茎に黒い染みが発生し、やがて株を枯らします。特に梅雨時期や長雨など過湿条件で発生しやすいため、あらかじめ土の排水性などに注意して植えることで発生を予防できます。

「アブラムシ」は葉裏や花弁裏などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「立ち枯れ病」は薬剤での対処も可能ですが、ニチニチソウにかんしては被害株を抜き取り、土などの環境を改善し新しく増え直した方が良いかもしれません。

「アブラムシ」の場合では、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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