モミジアオイ(紅葉葵)の育て方

アジサイ「アナベル」の基本情報

科名:アオイ科 Malvaceae
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属名:フヨウ属(ヒビスクス属)
   Hibiscus
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学名:Hibiscus coccineus
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和名:モミジアオイ(紅葉葵)
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別名:コウショクキ(紅蜀葵)
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英名:Scarlet rosemallow
   Texas star
   Brilliant hibiscus
   Scarlet hibiscus
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原産:米国南東部
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開花時期:7月~9月
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高さ:1.5m~2m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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モミジアオイ(紅葉葵)の特徴

モミジアオイ(紅葉葵)は、アメリカのバージニア州南東部からフロリダ州・ルイジアナ州にかけて自生するアオイ科ヒビスクス属の多年草で、ハイビスカスに似た20㎝弱の大きな花を咲かせます。

草丈は2m近くまで高くなり、茎を伸ばしながら7月~9月にかけて赤・白・ピンク色の花を咲かせます。

ハイビスカスと同じく一輪の花の寿命は1日で、朝に花開き夕方には花は萎みますが、生育が順調であれば蕾も沢山でき毎日花を楽しむことができます。

和名の「モミジアオイ(紅葉葵)」は葉がモミジのような形をしていることに由来します。

属名の「Hibiscus」はラテン語で「タチアオイ/マロウ」を表す言葉が由来で、種小名の「coccineus」はラテン語で「深紅の・赤色の」を意味しています。

モミジアオイ(紅葉葵)の管理/置き場所

モミジアオイ(紅葉葵)は直射日光が良く当たる陽当たりと風通りの良い環境で、腐植質に富む保水性の良い場所で育てます。

自生地のモミジアオイは、海岸近くに広がる平野の沼地の周辺など比較的水分量の多い土地に自生しています。

そのため水切れや極度に乾きやすい土質で育てると生育が止まったり、花が咲かなくなることがあります。

光量が足りないと開花量が減るか咲かなくことがあるため、生育期間は直射日光がよく当たる場所で育てます。なお夏の強い日差しの下でも問題なく育ちます。

一年の生育サイクルは、春を起点にすると地表から茎を伸ばして生育を始め、7月~9月にかけて茎を伸ばしながら開花を続け、秋までに草丈は1.5~2mの高さまで育ち、冬に地上部の茎は枯れて越冬します。

ハイビスカスのような見た目ですが、耐寒性は高く幅広い地域で植栽できます。

※「USDA hardiness zone」を目安にすると「6-9」で「(-23.3℃~-17.8℃)-(-6.7℃~-1.1℃)」です。ただし自生地域の平均最低気温であり、日本で流通するモミジアオイがどの地域由来かが分からないため、あくまで耐寒性の目安です。

モミジアオイ(紅葉葵)の年間管理表

モミジアオイ(紅葉葵)の植え替え

モミジアオイの苗お入手した場合は、なるべく早めに地植えにするか大きな鉢へ植え替えます。特に根詰まりや水枯れすると生育が著しく悪くなり、その後の開花などに影響がでます。

また鉢植えの越冬株の植え替えは、生育が止まる冬から早春が良いですが、厳寒期が過ぎて芽吹く前の3月中~5月上旬の植え替えが理想的です。

地植え

植える場所は山砂や真砂土など極度に乾きやすい土質を避けて植え付けるか、土質を作り変えてから植え付けます。

比較的固い土質でも生育・開花しますが、ポットの苗などの小さな株でも少なくとも直径・深さが30㎝~50㎝は掘り返して土を柔らかくした方が生育が良くなり花数も増えます。

掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。土が砂質の場合は赤玉土も一緒に混ぜ込み、土内の保湿できるようにします。

鉢植え

一般的な植物の植え替えでは、適度に土が乾いて空気が入るように1~2回り大きな鉢に植え替えることが多いですが、モミジアオイを植え替える場合は大型になる草花なので鉢もやや大き目のものに植え替えます。

鉢は12~13号(少なくとも10号)あたり大きさでやや深鉢のものに植え付けます。小さめの鉢の場合は根詰まりや水枯れしやすくなり連続的な開花が望めなくなります。

草丈は鉢の大きさに左右されますが、地植えよりやや低めで秋までに1~1.5mくらいの高さまで育ちます。

自宅で栽培中の鉢栽培のものは極力毎年植え替えます。

3月~4月の芽吹く少し前の時期に、鉢から根鉢を抜き取り土を落として新しい土に取り替えます。

この際に新しく根を張る場所を作るため、傷んだ根や細かな根を土と一緒に取り除いたり、太い根を部分的に切り取ります。

また根量が多すぎる場合は株分けするか、株の一部を切り取って減らして植え替えます。

モミジアオイ(紅葉葵)の用土の選び方

有機質に富んだ保水・排水の良い土質に植えると健康的に育ちます。

地植え

植えこむ周囲の土量に対して完熟堆肥を2~3割と完熟有機肥料を混ぜて植え付けます。

新築の庭で山砂や真砂土などが入っている場合は、土中の保水力を上げるため堆肥以外に赤玉土小粒を掘り上げた土に等量混合します。

鉢植え

赤玉土小粒:腐葉土:完熟堆肥=6:2:2を混合した土に植え替えます。

モミジアオイ(紅葉葵)の水やり

モミジアオイの水やりは一般的な樹木の水やりと同じですが、水枯れを嫌うため土が乾ききる前に水を与えるようにします。

地植え

根付いた株は基本的に水やりの必要はありませんが、夏場に晴天が続くようであれば土表面の乾きに応じて夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

また定植した年は植えた直後にたっぷりと水を与え、表土の乾きを確認しつつ根付くまでの間は水やりを行います。

鉢植え

基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えますが、鉢栽培は水枯れしないように注意が必要です。

モミジアオイ(紅葉葵)の肥料の与え方

地植えの場合は、土質改良のための完熟堆肥とともに完熟の有機肥料か根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

鉢植えの場合は、元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

以降は地植え・鉢植えともに5月~9月まで追肥として1ヶ月に1回の頻度で株回りの株元から離れたところに置き肥を与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

モミジアオイ(紅葉葵)の手入れ
花摘み・花柄取り

生育の良い株は7月~9月の期間は毎日のように花咲くため毎日のように咲き終わった花柄ができます。

種採りをしない場合は咲き終わった花茎を元から折り取って種を付けさせない方が開花しやすくなります。

また咲き終わった花弁は落ちますが、葉の上に花弁が絡まって葉を傷めたり見た目を悪くするため適宜取り除きます。

枯れ枝取り

冬に地上部の茎は全て枯れて休眠します。枯れた茎は傷んで倒れるまで残り続けるので、冬に切り取ります。

茎は樹木ほど固くはないですが、太い茎は手で折り取ることが難しいため剪定鋏かノコギリを使い地表部あたりで切り取ります。

なお枯れ枝切りは新芽が伸び始めると切りにくくなるため、早春までに終わらせた方が良いです。

モミジアオイ(紅葉葵)の増やし方

モミジアオイ(紅葉葵)は株分け・種まきで増やします。

株分け

時期は植え替えと同じく3月末~5月上旬に行い、新芽の動き始めか動き始める少し前あたりが良いです。

大きく育ったモミジアオイの株は太めの根が幾本も育っています。太い根の地表側に新芽があるので、根と新芽がセットになるように切り分けるとその年の生育が早いです。

なお切り分ける際は剪定鋏かノコギリを使って切ると株分けしやすいです。

種まき

種採り:開花期間終盤の9月中~下旬に開花した花を摘み取らずに残しておき、種を付けさせます。

種が生育すると蒴果ができ、内部に数十粒の種ができます。蒴果の色が変わって種が充実したら採種し、春まで種を保管します。

撒き方:時期は5月~6月に行います。やや種の皮が厚いため、ヤスリかカッターなどで種皮を削ってから1晩水につけて給水させます。

ポット(できればロングポット)に培養土を入れ種を数粒まき、軽く覆土して水を与えます。

発芽後から本葉が数枚になるまでの間に1ポット1苗になるように適宜間引きます。

ポットである程度生育させてから定植しても良いですが、ポット内で根詰まりさせないようにします。

モミジアオイ(紅葉葵)の病害虫

害虫として「アブラムシ」「ハマキムシ」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は新芽や蕾周辺などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「ハマキムシ」はハマキガという蛾の幼虫で、一枚~複数枚の葉を巻き取って幼虫が葉の内側から食害します。

巻いた葉の内側にいるため薬剤で直接退治が難しいため、被害葉を虫ごと除去するか浸透移行剤で退治します。

退治・治療

「アブラムシ」「ハマキムシ」が発生した場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また草丈が1m以下での害虫類の場合は、アセフェートやクロアチニジンを含む殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防ができます。特にハマキムシの予防・退治に向いています。

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