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トクサ(砥草)の基本情報
科名:トクサ科 Equisetaceae
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属名:トクサ属 Equisetum
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学名:Equisetum hyemale
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和名:トクサ(砥草・木賊)
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別名:モクゾク(木賊:生薬名)
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英名:Rough horsetail
Scouring rush
Scouringrush horsetail
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原産:北半球の温帯北部~亜寒帯南部
(日本での北海道~本州中部)
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株幅:30㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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トクサ(砥草)の特徴
トクサ(砥草)はシダ植物門に分類されるトクサ科トクサ属の多年草で、北半球の亜寒帯南部~温帯北部に分布し、日本では北海道~本州中部の山間の明るい湿地などに自生しています。
近い仲間では春先のツクシとして馴染みのあるスギナ(Equisetum arvense)が同属で、スギナと同じくたくさんの節がある草姿で、トクサにもツクシの茎が長いツクシのような胞子茎ができ、スギナと同じく胞子で増えます。
トクサの茎表面は紙ヤスリのようなケイ酸でできた細かなザラつきがあり、砥石のように物を研ぐことができることから「砥草」という名がついています。
実際に研磨材として使われてきた歴史もあり、現代でも工芸品などで一部使用されることがありますが、現在では実用よりは独特の草姿を活かして観賞されることが多いです。
日向から半日陰まで良く育ち、耐暑・耐寒性も高いことから庭園の植栽や和の鉢植えとして観賞された、生け花などにも利用されます。
なお近縁種に「ヒメトクサ(Equisetum scirpoides)」「ミズトクサ(Equisetum fluviatile)」があり、ヒメトクサは株姿がコンパクトなので小型の盆栽仕立てで楽しまれ、ミズトクサは浸水環境で育つため睡蓮鉢やビオトープなどの水辺の演出に使われます。
トクサ(砥草)の管理・置き場所
トクサ(砥草)は年間通して明るい日陰や午前中のみ陽が当たるような環境が良いです。
秋から冬までは一日中日が当たる場所でも大丈夫ですが、夏は葉が焼けたり、地温が上がりすぎて傷むことがあるので、少なくとも夏場は明るい日陰か午前中のみ陽が当たる場所が良いです。
湿地周辺の植物で適度に湿度を保てる排水の良い土質が理想ですが、ある程度乾きにも強いため極度に乾きやすい土質でなければ土をあまり選びません。
地植え・鉢植えともに育てることができますが、トクサは地下茎で広がるため地植えの場合は植栽範囲を限定できるように囲いを作ってから植えた方が良いです。
耐寒性は比較的強い方で温暖地・暖地では冬でも地上茎が残りますが、寒さの厳しい地域では強い霜などで地上部は枯れることがあります。
トクサ(砥草)の年間管理表
トクサ(砥草)の植え付け・植え替え
植え付け・植え替えは3月~7月に行います。暖かい地域であれば猛暑期と厳寒期以外の時期であれば植え替えができます。
地植え
トクサが広がりすぎないような区切りがある場所か、植え付け場所に予め囲いを設けてから植え付けます。
また植え付け場所の土質が山砂や真砂土のように夏に乾きやすい土質の場合は、赤玉土小粒と腐葉土をそれぞれ2~3割程度混ぜてから植えた方が良いです。
鉢植え
一般的な草花のような頻繁の植え替えは必要ありませんが、根詰まり緩和のために数年に1回は植え替えを行います。
株が増えて鉢とのバランスが悪くなった場合は、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けもかねて植え替えを行います。
なお植え替えずに放置した鉢では、地下茎が鉢の外周に集まって地上茎が鉢の縁のみ生えることがあり、一回り大きな鉢に植え替えても見た目の改善まで時間がかかります。
根詰まり株の場合は、株分けするか鉢土を全て落として地下茎を整理してから植え替えた方がよいです。
トクサ(砥草)の用土の選び方
鉢植えの場合は、排水の良い用土が良いので、市販の草花の土の場合は赤玉土小粒を3割くらい混ぜてから使います。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
地植えの場合は、植え付け場所の土質が山砂や真砂土のように夏に乾きやすい土質の場合は、赤玉土小粒と腐葉土をそれぞれ2~3割程度混ぜてから植えた方が良いです。
トクサ(砥草)の水やり
地植え
夏に晴天が続く場合を除き基本的に水やりの必要はありません。
ただし地植えでも囲いがあることで土量が少ない場合があるので、土量が少なく土が乾きやすい場合は、鉢栽培と同じように表土の乾きに見ながら定期的な水やりが必要になります。
鉢植え
鉢土の表面が乾いたら鉢下からでるくらいにたっぷり水を与えます。
特に春~秋の気温が高い時期は水やり頻度が多く、低温期は水やり頻度が減ります。
トクサ(砥草)の肥料の与え方
トクサは肥料を与えなくても良く育ちますが、鉢植えや地植えで土量が少ない場合や定植後に早く株を茂らせたい場合は肥料を与えた方が良いです。
肥料を与える場合は生育期の3月~9月に、緩効性の化成肥料を置き肥として1ヵ月に1回の頻度で与えるか、薄めた液体肥料を月に数度与えます。
トクサ(砥草)の手入れ
枯葉取り
トクサは古い茎が黄変したり茶色く枯れますが、密生している場合は元気な地上茎の間に枯れた茎などが溜まることがあります。
黄化した茎や枯れた茎は都度取り除いて、見た目の良い状態を維持ます。
トクサ(砥草・木賊)の増やし方
トクサは「株分け」「挿し木」で増やすことができます。
株分け
生育期前半の3月~5月が良いですが、霜が穏やかな暖かい地域では猛暑期を除く春~秋まで株分けできます。
鉢から根鉢を取り出し大き目のナイフやハサミなどで根鉢を分割して株分けするか、鉢土を崩して地下茎を切り分けてッ株分けします。
分割した株は植え替えに使う用土と同じもので新しい鉢へ植え替えます。
挿し木
挿し木は固く充実した茎を使って行います。茎を2~3節で切り取るか折り取って、湿らせた赤玉土小粒などに挿します。
トクサは節毎に仕切りがあるので、茎を折り取る場合は挿し穂の下側に仕切りがつくように切り取ります。
また土に挿す際は茎の上下が逆にならないように注意して挿します。
土に挿した後は明るい日陰で発根または新芽が出るまで水を与えながら管理します。
トクサ(砥草)の病害虫
トクサは病気・害虫に強く、目立だった病害虫被害はありません。