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ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の基本情報
科名:トウダイグサ科 Euphorbiaceae
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属名:ニシキソウ属 Chamaesyce
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学名:Chamaesyce hybrid ※
または Chamaesyce hypericifolia ’Inneuphe’
(Euphorbia hypericifolia ’Inneuphe’ )
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和名:オトギリバニシキソウ
(弟切葉二色草/弟切葉錦草=Chamaesyce hypericifolia)
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原産:米国南部・メキシコ・西インド諸島・南米地域(Chamaesyce hypericifolia 自生地域)
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開花時期:4月~11月
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高さ:15㎝~40㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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※ニシキソウ属はトウダイグサ(ユーフォルビア)属に近しい種でトウダイグサ科ニシキソウ属またはトウダイグサ科トウダイグサ属ニシキソウ亜属として分類されることもあるようです。
ダイアモンドフロストは Chamaesyce hypericifolia から2004年にドイツで選抜された「Inneuphe(インユーフェ)」という品種で、日本での「ダイアモンドフロスト」、海外での「DIAMOND FROST」などは商標名です。
当サイトではニシキソウ属とトウダイグサ属のどちらを正名するかの判断はできないため、植物の国際ブランドのPW(PROVEN WINNERS)の記載内容や種苗登録に関わる記事などを元にしています。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の特徴
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」はトウダイグサ科ニシキソウ属の非耐寒性低木です。
暑い季節も開花し小さな白い花(実際は白い苞葉)を春~晩秋まで咲かせ続け、本来は低木ですが枝を横張りながら草花のように茂りこんもりとした株姿へと育ちます。
小さな白い花を散りばめるように咲かせるため、単植では上品で爽やかな雰囲気を楽しむことができ、寄せ植えや花壇に植えると花束に入ったカスミソウのように他の花を引き立てる優秀な脇役にもなれます。
また乾燥に強く夏の暑さでも開花するという魅力だけでなく、夏までの間に大きく茂ると葉陰で地温が上がりにくくなり、周囲に植えている植物が暑さにより傷むのを防ぐこともできます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の管理と置き場所
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。性質は強健なので環境さえ整っていれば管理はとても楽になります。
他のトウダイグサ科の植物と同じく枝葉が折れたり傷つくと白い乳液がでるため、肌が荒れやすい場合は手袋などを付けた上で作業をします。
原種のオトギリバニシキソウ(Chamaesyce hypericifolia)は自生地では低木で、ダイアモンドフロストも大きな株に育つと株元は木のようになりますが、非耐寒性で屋外管理では寒さにより枯れるため一年草として扱います。
越冬させる場合は晩秋から屋内の陽当たりの良い場所に取り込むことで冬を越させることもできます。
越冬株の根元は概ね木のようになりますが、その場合でも翌年屋外に出した後は草花のように育てることが多いため、低木として大きく育てるよりは非耐寒性多年草としての扱いになります。
ほとんどの地域で屋外越冬は難しいものの、暖地でも夜間の人・車通りが多い市街地や沿岸部などの霜が降りにくい地域や雪・霜のない地域では越冬できる場合もあります。
ただし地面が凍ると枯れるためウッドチップや腐葉土などで厚くマルチングし地表や株元が凍らせない必要があります。
以下は「鉢植え」「庭植え」の場合の説明です。
鉢植え
鉢管理する場合の利点は移動できることです。基本的には直射日光の当たる場所で育て、梅雨時期のみ軒下など雨の当たらない場所へ移動します。
単色した場合は枝葉はやや垂れ下がるようにこんもり茂り、生育が旺盛なため早く立派な株へと育ちますが、水の乾きも早くなるので水枯れしないように注意が必要です。
また寄せ植えなどでは適宜刈り込んで周囲の植物とのバランスを保ちます。
庭植えと同じく晩秋までに株を刈り込んで室内の陽当たりの良い場所に取り込みます。
庭植え
庭植えのユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」で気を付ける時期は梅雨~夏です。
梅雨の多雨で根腐れしやすく、梅雨明けは梅雨で光量が減った状態から夏の日差しへ変わることで葉焼けやを起こすことがあります。
植える場所は梅雨の多雨も想定した排水の良い場所に植えます。土質を排水良く作り替えるか土を盛って排水を良くし梅雨時期でも水が滞留しない場所は育てやすくなります。
梅雨明けは多水と弱光で軟弱になった枝葉が日差しで葉焼けを起こすことがあります。
傷んだ部分を刈り込み新しい枝葉を芽吹かせますが、刈り込み過ぎはさらに弱らせるため注意が必要です。
晩秋~冬にかけて枯死するため庭植えの場合は掘り上げない限り一年草として育てます。掘り上げる場合は9月末~10月あたりに掘り上げて鉢に移し、株を刈り込んで室内に取り込みます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の年間管理表
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の植え替え
苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えます。
鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
また夏場の植え替えは避けた方が良いですが、鉢植えで1日に何度も水やりする必要がある場合は一回り大きな鉢に植え替え、水やり回数を減らすようにします。(ただし盛夏は鉢が熱くなり根が蒸れて傷むことがあるので、朝日だけが当たる場所に移動し鉢が熱くならないようにします。)
年を越した株は盛夏の除く春から秋までに行います。鉢から根鉢を抜き取り土を1/3~半分落とし、同サイズか一回り大きな鉢へ植え替えます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の用土の選び方
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭や花壇に植える場合は、梅雨時期の長雨も考慮して土を排水良くしておくと良いです。完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の水やり
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。
鉢植え
基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
夏期に株が茂っている場合は1日に2回の水やりする場合があるため、1日に2回水やりができないときは大きな鉢に植え替え、水やり回数を抑えるようにします。
庭植え
植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
一方で夏場は雨が降らない日が続くようであれば早朝か夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の肥料の与え方
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は連続開花をするため比較的肥料が必要となります。植えるときの元肥や開花中の追肥を与え、肥料切れがおきないようにします。
元肥
鉢植えでは根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付け、庭植えでは土質改良のための堆肥類と一緒に根を傷めない緩効性の化成肥料か完熟有機肥料を株の周囲の土に混ぜ込んで植え付けます。
追肥
鉢植えでは4月~9月の期間1ヵ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、1ヵ月に1~2回薄めた液体肥料を与えます。
庭植えでは4月~9月の期間2ヵ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えます。
なお肥料を与える量はお持ちの肥料の説明に準じます。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の切り戻し
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は草姿が荒れたところで適宜切り戻しを行います。
特にダイアモンドフロストは生育が良いため、寄せ植えや花壇植栽の場合は周囲の植物よりダイアモンドフロストが茂りすぎることがあるので、周囲とのバランスを考えつつ切り戻します。
また梅雨明けから傷むことがあるので切り戻しますが、高温期の切り戻しは少量に留めます。
大きく切り戻すと葉からの蒸散ができなくなり生育が悪化したり、地植の場合は地表がむき出しになり地温が上がり傷みやすくなります。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の増やし方
※注 ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は種苗法に基づく登録品種のため、あくまで自家用としての増殖のみで販売等はできません。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」は「挿し木」で増やします。
挿し木
6月前後に行います。挿し穂にする枝は先端の柔らかい枝を除く充実して固くなった枝を使います。
枝を3~5節くらいで切り取り、挿し穂下側の土に挿す1~2節分の葉を落とします。
枝を切ったり葉を落とした際に出る乳液を流水で洗い流し、挿し穂を水につけて給水させます。
挿し木専用土や赤玉土の小粒など清潔な土を準備し、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤を使うことでより成功率が上がります。
衣装ケースなど保湿できる容器に入れ、明るい日陰で水を与えながら管理します。
新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。
ユーフォルビア「ダイアモンドフロスト」の病害虫
害虫として「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。
害虫
「アブラムシ」
新芽や葉裏などに発生します。大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。
陽当たりや風通しが悪い場所で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
「カイガラムシ」
葉の付け根や枝などに多く発生します。アブラムシと同じく大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。
陽当たりと風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
退治・治療方法
「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
また殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防や退治をすることができます。