ガーデンシクラメンの育て方

ガーデンシクラメンの基本情報

科名:サクラソウ科 Primulaceae
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属名:シクラメン属 Cyclamen
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学名:Cyclamen
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流通名:ガーデンシクラメン
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英名:(海外でのガーデン用耐寒性野生種)
   Hardy Cyclamen
   Frost-hardy Cyclamen
英名:(ガーデンシクラメンが該当する英名)
   Micro Cyclamen
   Mini Cyclamen
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原産:ヨーロッパ南部・北アフリカ・中近東
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開花時期:10月~3月
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高さ:10㎝前後
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや弱い
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ガーデンシクラメンの特徴

ガーデンシクラメンは鉢花用として流通するシクラメン(Florist’s cyclamen)を元に耐寒性のある原種などと交配して作られたミニシクラメンやマイクロシクラメンで、鉢花用のシクラメンより耐寒性があるため屋外植栽などで楽しまれます。

秋から店頭に並ぶようになり、赤・紫・ピンク・白や複色の花色があり冬の寄せ植えなどで温かみのある色合いをもつ冬の花の一つです。

また花弁が真っすぐ立ち上がる基本的な花形以外に、花弁が下側に反る品種やフリル咲き、八重咲き品種などもあります。

ガーデンシクラメンという名前で流通しますが、ガーデンシクラメン・鉢花用シクラメンともに半耐寒性のシクラメン・ぺルシカム(Cyclamen persicum)という原種を元に生み出されています。

鉢花シクラメンより耐寒性があるガーデンシクラメンでも霜や雪などへの耐性は低く、戸外の屋根下など直接寒さが当たらない環境で楽しみます。

ガーデンシクラメンの管理と置き場所

ガーデンシクラメンは地表部分に球根(厳密には「塊茎」)があり、秋から春まで生育し夏に休眠する多年草で、夏越しさせて育てることもできますが、高温多湿が苦手なので一年草として扱われることもあります。

開花期間が長く、しっかりと育てられた苗であれば晩秋から春まで花が絶えず咲き続け、生育中は陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てます。

海外でのガーデン利用されるシクラメンは耐寒性の高い原種シクラメンが使われますが、日本では開花期間の長いぺルシカム系のミニシクラメンやマイクロシクラメンなどが元になっていることが多く、雪・霜は避けて5℃までで管理した方が花付きも良く寒さにより枯死もありません。

以下に球根を夏越しさせて開花させる場合について説明します。

夏越し~開花

原種のシクラメンは多くが夏に葉を枯らし休眠しますが、ガーデンシクラメンや鉢花シクラメンを夏越しさせる場合は、乾かして葉を落とし完全に休眠させる方法と、土の湿度を保った状態で葉を残し半休眠状態で夏越しさせる方法があります。

休眠させる場合は翌年から咲き始めますが、半休眠で夏越しさせた場合は年内から咲き始めます。

休眠夏越し
晩春~初夏で葉が黄化し始めたら水を切って土を乾かし葉を枯らします。

夏期は雨の当たらない明るい日陰に置いて夏越しし、9月あたりで芽吹き始めたら陽当たりに移動させます。

半休眠夏越し
気温が上がるとともに水やり頻度を減らしつつも夏も土の湿度を維持します。

初夏までに風通し良く明るい日陰に移動させて、高温にならないように管理します。

特に湿度が高い状態で地温が上がると球根が腐りやすいため、樹下や他の植物の合間などの土の温度が上がりにくい環境に置くと夏越しさせやすくなります。

9月あたりから徐々に陽当たりに移動させ、水やりも頻度も上げ、葉の数を増やしつつ開花させます。

ガーデンシクラメンの年間管理表
 
 
ガーデンシクラメンの苗の選び方

葉が硬く株がグラつかない苗が良く、葉数が多いほど開花に有利なので葉が多いものを選びます。

特に株の内側(葉の付け根当たり)に浸水状の模様や灰褐色のカビなどがないか確認すると良いです。

また葉の下側に花芽が多いものは長く開花しますが、蕾が大中小と様々な大きさがあるものを選ぶとより長く花を楽しめます。

ガーデンシクラメンの植え替え

10月~12月あたりから苗が出回り、春先にも流通します。苗を購入後、一~二回りの大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えます。

植え替えの際は、球根上部が半分程度土上に出ているように植え替えて球根が土内に埋まらないようにします。

夏越しした株の植え替え

9月上旬~中旬に同じ大きさの鉢か一回り大きな鉢に植え替えます。

半休眠状態で葉が残っている株は根鉢から抜き取り1/3~半分程度落として新しい鉢に植え替えます。

休眠状態で葉がない株は根鉢の土を全て落とし球根だけにして新しい土で植え替えます。

どちらの植え替えの場合でも、球根が土内に埋まらないように球根上部半分程度を土上にでるように植え替えます。

ガーデンシクラメンの用土の選び方

市販の花用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えます。

根腐れが気になる場合は、市販の培養土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割まぜて排水を良くしたものを使うこともできます。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:軽石小粒(または日向土小粒)=4:4:2の土に植え替えもできます。

庭や花壇へ植え付ける場合は、土質改良のために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ガーデンシクラメンの水やり

ガーデンシクラメンの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

ガーデンシクラメンの肥料の与え方

定植時に元肥として根が傷まないような緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んでから植え付けます。

以降は地植えの場合は追肥は必要ありませんが、鉢植えの場合は9月~5月までは月に1回頻度で緩効性化成肥料を置き肥として与えるか、液体肥料を月に1~2回の頻度で与えます。

ガーデンシクラメンの増やし方

ガーデンシクラメンは「種まき」で増やします。種は前年度採種したものを使いますが、親株と同じ性質(花色や育ち方など)にはなりません。

採種

受粉が終わった花は花茎が丸まりながら葉の下に移動し、実大きくなります。

種は数か月で実が付くので、採種したい場合は2月~3月あたりから花を全て摘み取らずに採種用に花茎を残します。

実は熟すと先端が割れて内部に数㎜の黒~茶褐色の種があるので、採種して秋の撒き時期まで冷暗所で保管します。

種まき

種まきは9月末~10月あたりが適期です。

シクラメンの種はエライオソームという糖やアミノ酸からなる栄養分が表面にあって、エライオソーム目当てのアリなどに種を運ばせて巣穴で発芽したりします。

そのためシクラメンの種は嫌光性種子(暗い環境下で発芽する種子)のため、種まきの際も土内に埋めて発芽させるか、土表面あたりに種を撒く場合は段ボールなどを被せて発芽まで暗くします。

ポットや育苗トレーに培養土または種まき用土を入れて、種を5㎜~1㎝程度の深さになるよう土を被せ段ボールなどを被せるか、種に光が当たらないように2㎝程度埋めこみます。

その後たっぷりと水を与え、おそよ1ヵ月~2ヶ月くらいで発芽するので乾かないように水を与えつつ管理します。

発芽後、育苗トレーの場合は本葉が数枚になった頃に、根を傷めないように丁寧にポットに移し替えます。

ガーデンシクラメンの手入れ
花柄・枯葉摘み

咲き終わった花柄(および花茎)・黄化した葉・枯葉は病気の原因になるため適宜摘み取ります。

また花茎や葉柄の摘み残しがあると、残った茎が病気の原因になるため、付け根から摘み取ります。

摘み取り方は、球根を抜き取ってしまわないように株元を押さえ、花茎や葉を捩じながら取ると根元から取り除くことができます。

葉組み

葉数が多いほど花数も増えるため、秋に葉が伸び始めるころから「葉組み」という作業を行って、葉数を増やします。

葉組みは球根や下部の葉を陰にしてしまう葉を株の外側へと移動させる作業で、外側の葉から順に中央に向かって渦巻き状に組み替えていきます。

葉組みをすることで、球根中央に光が入り新しい葉がでるようにしつつ、全ての葉に良く陽が当たるようになります。

ガーデンシクラメンの病害虫

害虫として「ホコリダ二」「ハマキムシ」、病気として「灰色病」「軟腐病」などが発生することがあります。

害虫

「ホコリダ二」
高温乾燥も環境で発生しやすく、新芽などの成長点周辺を吸汁加害するため被害が酷いと葉が変形したり生育がとまります。

特に夏越しの株などで発生しやすいため、生育期に入る少し前(8月下旬あたり)から球根や芽の周りなどを消毒すると発生を抑えられます。

「ハマキムシ」
ハマキガの幼虫で葉を巻き取って内側から食害します。発生時期は春から秋までなので、10月あたりからガーデンシクラメンを植えた場合や翌春の4月あたりに発生することがあります。

葉を巻き取るため見た目が悪くなり、また幼虫は巻き取った葉の内側にいるため浸透移行性の薬剤でなければ退治しにくいので、見つけ次第葉ごと除去・捕殺します。

病気

「灰色かび病」
低温環境で多湿の場合に発生しやすく、咲き終わった花柄や枯れた葉に発生します。

初期は葉柄や花茎に水浸状の被害でて、後に灰色~灰褐色のカビして周辺に伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去して発生を抑えます。

「軟腐病」
高温の多湿環境で発生し、暖房の効いている部屋で球根周辺が湿った状態が続くと発生しやすくなります。

ガーデンシクラメンを室内で育てる場合や夏越し株などに発生しやすいので、風通しの悪い場所では球根が濡れないような管理を心掛けて発生を抑えます。

退治・治療方法

各病害虫が発生してしまった場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

ただし軟腐病の場合は枯死することが多いので、他の植物に伝播する前に早めに破棄した方が良いです。

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