ロウバイ(蝋梅)の育て方

ロウバイ(蝋梅)の基本情報

科名:ロウバイ科 Calycanthaceae
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属名:ロウバイ属 Chimonanthus
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学名:Chimonanthus praecox
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和名:ロウバイ(蝋梅)
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別名:カラウメ(唐梅)
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英名:Wintersweet
   Japanese allspice
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原産:中国
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開花時期:1月~3月(早生種は12月~)
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高さ:2m~5m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ロウバイ(蝋梅)の特徴

ロウバイ(蝋梅)は、その名前が表している通りに蝋細工のようなツヤのある黄色い花を早春に咲かせる落葉の低木~中高木で、花色だけでなく甘い香りも楽しめます。

「蝋梅」の名の由来は中国の薬学書「本草綱目」では、蝋細工のような花の質感と臘月(ろうげつ:陰暦の12月)に開花することにちなむという説明があり、和名の「ロウバイ」は中国での花名を音読したものです。

日本には江戸時代初期に伝わっていて庭先などに植栽されることも多く、花が少ない1月(早生種は12月)から早春にかけて開花し、葉の萌芽に先駆けて黄色い花を咲かせるため目をひきます。

ロウバイの花は黄色で中心部が暗紫色ですが、植栽されているロウバイの多くは、暗紫色がなく花全体が黄色の「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」やソシンロウバイからの選抜種の「マンゲツロウバイ(満月蝋梅)」などが多いです。

ロウバイ(蝋梅)の管理と置き場所

ロウバイは樹高が5mくらいまで育つことがあるため、主に地植えで育てることが多く、陽当たり、風通し、排水性の良い環境で育てます。

暑さ・寒さに強く土質もあまり選びませんが、冬に開花するため地域によっては寒風の当たりにくい場所を選ぶなどの工夫をすると良いです。

ロウバイ(蝋梅)の年間管理
 
ロウバイ(蝋梅)の植え替え

植え替えは落葉期間(落葉後から翌春の葉芽が生育始めるまで)に行いますが、厳寒期~開花までは避けた方が良いので、主に11月~12月・2月末~3月あたりに行います。

庭植えする際は株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

植え付け終る前に植穴に水が溜まるくらいに注ぎ込んで、根鉢や周囲の土に十分水を馴染ませておくと根付きが良くなります。

ロウバイ(蝋梅)の用土の選び方

ロウバイは主に庭植えで育てることが多いですが、鉢栽培する場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

市販の花や野菜用の培養土で育たないわけではないですが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがありますので避けた方が良いです。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ロウバイ(蝋梅)の水やり

ロウバイの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植え

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植え

年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

ロウバイ(蝋梅)の肥料の与え方
元肥

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たると根を傷めることがあります。

もし未完熟の有機肥料を混ぜる場合は、植穴を大きく掘って植穴底側に肥料を混ぜ、肥料の混ざっていない土を上からさらに加えて根から離すようにして植え替えます。

追肥

追肥として成長期の4月~5月あたりに、芽の成長を促すため有機肥料を株元を避つつ株回りに与えます。

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、12月~1月の間に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

ロウバイ(蝋梅)の剪定

ロウバイの剪定は3月あたりに行い、特に開花後~葉が芽吹く前は枝全体が見やすく剪定しやすいです。

幼木時に樹形が乱れる場合は、徒長枝や込み合った枝・枯れ枝などを剪定し樹形を整えます。

ある程度生育すると樹形が乱れることが少ないため、込み合った枝などを間引く程度に剪定します。

園芸品種の場合は接木されていることが多く、ひこばえ(根元からの枝)は台木の枝が出ていることがあるので見つけ次第切り取ります。

ロウバイ(蝋梅)の増やし方

ロウバイは「挿し木」「種まき」で増やします。

挿し木

時期は6月あたりに行います。その年に伸びた枝(新梢)のうち、極度に未熟な枝を避けつつ木質化する前の枝を使います。

枝を15㎝前後で切り取り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

挿し穂下側1~2節分の葉を取り除き、残した葉は半分に切って葉からの蒸散を抑えます。

鹿沼土小粒か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

挿し木後はビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

種まき

9月あたりに壺状の鞘(偽果)の中に10粒前後の種(痩果)ができるので、赤玉土小粒や市販の種まき用土に種を撒きます。

種を2㎝前後の深さに埋めて、たっぷりと水を与えた後、春に発芽するまで水を切らさないように管理します。

本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

ロウバイ(蝋梅)の病害虫

比較的病害虫に強いですが、害虫として「アブラムシ」「カイガラムシ」、病気として「うどんこ病」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
新芽が伸びだすあたりから発生します。特に陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行って発生しにくい環境づくりも大事になります。

「カイガラムシ」
枝回りに発生しやすく、被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、幼木の場合は消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。

成木の場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。

また極度の日陰や風通しが悪い場所で大発生しやすいため、剪定などで発生しにくい環境作りも大事です。

病気

「うどんこ病」
葉の表面に粉状の白い斑紋が発生します。被害が酷いと葉が委縮したり、光合成に悪影響を及ぼします。

陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行うことで、発生しにくい環境づくりも大事になります。

退治・治療方法

各病害虫が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木(類)」の登録と対象病害虫が記載されている薬剤を使って退治します。

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