ウメ(梅)の育て方

 ウメ(梅)の基本情報

科名:バラ科 Rosaceae
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属名:プルヌス属 Prunus
あるいは アルメニアカ属  Armeniaca
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学名:Prunus mume あるいは Armeniaca mume
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開花時期:1月下旬~4月上旬
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高さ:~10m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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 ウメ(梅)の特徴

早春に開花する代表的な花木で、歴史も古く食用や観賞として利用されるだけでなく詩、絵画など多くの文化的に影響してきた花木です。もとの自生地は中国で、弥生時代に朝鮮半島経由で中国から伝わったという説や奈良時代に遣唐使より伝わったという説などがあります。

ウメの学名については、スモモなどを含めたプルヌス属(Prunus)に分類しPrunus mumeとする場合や、ウメやアンズなどのアルメニアカ属(Armeniaca)として独立して分類したArmeniaca mumeとする場合などがあります。

ウメの品種は500種以上あると言われ、一般的に(園芸的に)「梅」と呼ばれる植物にはウメ以外にも、ウメとアンズの交配種、ウメとスモモとの交配種など、ウメの近縁種との交配種もウメとして扱われています。

早春の開花する地域が多いですが、全国的に植えられていることもあり開花時期は1月末~4月上旬までと地域によって差がでます。

 花梅と実梅の違い

ウメは利用目的によって、花や香りなどを楽しむ観賞用の「花梅」と実を食用などに利用する「実梅」と呼び分けることがあります。もちろん実梅の花も観賞できますが、花梅の方が花色が豊富です。

実梅:白花系が多く、「鶯宿」という品種やウメとアンズの交配種である「豊後」系に薄紅花がありますが、ほとんどが白花~極めて薄い桃花です。

またウメには自家不和合性という性質があり、自身の花粉で実が付きにくい(1品種だけ植えても実が付きにくい)性質があります。

花梅:白花~赤花まで幅広い花色があり、一重咲~八重咲と花形も幅広い品種があります。

実が付かないわけではないですが、八重咲(雄蕊が花びらに変わる変異)品種のように花粉量が少ない場合や雄性不稔性(花粉に着果能力がない)の品種もあり、着果量は実梅に及ばないことがあります。また実梅同様に自家不和合性で1品種だけでは実が付きにくいです。

 ウメ(梅)の管理/置き場所

ウメは庭植え・鉢植えともに、陽当たり、風通し、排水性の良い環境で育てて下さい。暑さ・寒さに強いですが、地域によって耐寒性の高い品種を選ぶなどの工夫をすると良いです。

 ウメ(梅)の育て方/年間管理
 ウメ(梅)の植え替え

植え替えは12月~3月で、主に落葉期間(落葉後から翌春の葉芽が生育始めるまで)に行います。ただし開花間近~開花中に根を傷めると開花に影響がでることがあるので根鉢を崩すような植え替えは避けて下さい。

庭植えの場合:株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。

鉢植えの場合:成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。また植え替え時の鉢の大きさは1回り~2回りまでにします。大きすぎる鉢を選んだ場合、生育が良くなる一方で翌年の花付きが悪くなることがあります。

 ウメ(梅)の用土の選び方

赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えてください。市販の花や野菜用の培養土で育たないわけではないですが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがありますので避けた方が良いです。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

 ウメ(梅)の水やり

ウメの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植えの場合:概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えて下さい。9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合:年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

 ウメ(梅)の肥料の与え方

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜて下さい。

その後新芽が出始める3月あたりに、芽の成長を促すため有機肥料を株元を避つつ株回りに与えます。

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、12月~1月の間に寒肥を施します。樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

 ウメ(梅)の剪定/刈り込み

ウメの花芽は、他の春開花の花木と同じくその年の夏までに伸びた枝につきます。通常、花芽を切り落とさないように開花後に剪定することが多いですが、ウメの剪定は樹形を整えたり樹勢を抑えるために夏剪定・冬剪定の2回行うか、夏剪定・冬剪定・開花後剪定の3回行う場合もあります。また庭植えの場合と鉢植えの場合での剪定も若干違いがあります。

夏剪定:ウメの花芽は開花後から伸びた新芽が充実した枝に育った枝に着き、新枝に全体に花芽が着く傾向があります。夏に枝が込み入った状態になっているようであれば、新枝を剪定しても花芽は残ります。(ただし新枝を根元から剪定すると花芽はなくなります)

不必要であれば新枝でも根元から剪定し、通風と枝全体の陽当たりが良くなるようにします。特に徒長枝が通風を悪くするため、樹の中心から出ている徒長枝は根元から切り取ります。

その他、剪定は各枝によく陽が当たるように、枯れ枝、同じ向きに伸びている枝(並行枝)、交差している枝(交差枝)、垂れ下がるように伸びている枝(下向き枝)などを切り取ります。その後、樹木内側への風通りが良くなるように、幹側へ向かって伸びる枝(逆さ枝)、幹から出る勢いの弱い枝などを切り取ります。

冬剪定:開花時に樹形を乱す枝を剪定して形を整えます。

開花後の剪定:樹の大きさをコントロールするために行います。特に鉢植えでコンパクトな樹形を維持したい場合は必ず行って下さい。開花後の枝を新芽の有無を確認しつつ剪定します。この際に、新芽が株の中心から外に向いている場所を選び、新芽の上を切ります。新芽が外に向かって枝を伸ばすことで枝が込み合うのを防ぐことができます。鉢植えであれば根元から数芽残して思い切った剪定をした方がコンパクトにできます。

なお、庭植えで苗木を植えてから数年間は、樹を育てるために込み合った枝の剪定だけに留めると良いです。

 ウメ(梅)の増やし方

ウメは接木、挿し木、種まきで増やします。

接木:代表的なウメの増やし方です。時期は開花後から3月の新芽がでる前までの期間に行います。台木を用意し、増やしたい品種の枝(穂木)を台木に切り接ぎします。まず穂木に十分水を吸わせるため、数時間から1日間水につけます。良く切れるカッターやナイフで台木に切れ込みを入れ、穂木も斜めに切り直します。切り口が乾かないうちに、穂木と台木の形成層を合わせて繋げ、接木テープで固定します。その後、穂木が乾かないように透明ケースやビニールで覆います。

挿し木:ウメは品種にもよりますが、挿し木の成功率が低い花木です。台木を作りたい場合は野梅系の品種など成功率の高い種類を選んでください。

時期は5月~7月あたりに行います。その年に伸びた枝(新梢)のうち、極度に未熟な枝(剪定後に出た若葉のある枝など)を避けつつ充実しきる前の枝を使います。枝を15㎝前後で切り取り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。葉を挿し穂上部から3~4枚残し、挿し穂下側の葉を取り除きます。鹿沼土小粒か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

種まき:熟すまで育てた果実の種を播種します。ただし種を撒く場合は親木とは異なる花が咲く可能性が高いので注意が必要です。

熟果から種を取り出し果肉を洗い落とします。その後、種をビニールなどに入れ冷蔵庫で保管します。秋に冷蔵庫から取り出し種まきします。種から開花まで育てるには時間がかかるため、数年育ててから接木の穂木にすることで早めに開花させることができます。

 ウメ(梅)の病害虫

害虫:「アブラムシ」「コスカシバ」「オビカレハ」「カイガラムシ」が発生することがあります。

「アブラムシ」は新芽が伸びだすあたりから発生します。特に陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行うことで、発生しにくい環境づくりも大事になります。

「コスカシバ」の幼虫は幹内(樹皮下)を食害します。産卵期は5月~10月と長く、幼虫は樹皮下で蛹化・越冬して春から成虫になります。樹皮下のことで気づきにくい害虫ですが、食害されているときに樹皮上に糞やヤニが発生します。被害が酷いと樹を枯らすことがあるため、気づいた時点で対策を打った方が良いです。樹皮下のため薬剤が効きにくいため、糞やヤニがある部分をドライバーなどで削り取り、幼虫を捕殺する方が効果的に退治できます。

「オビカレハ」の幼虫は毛虫状の見た目で「ウメケムシ」や「テンマクケムシ」とも呼ばれ、毒はないものの葉を食害します。冬に帯状の卵塊を枝に産み付け、春に孵化するとテント状に糸を張った巣を作り過ごします。卵塊や巣を取り除くと効率良く退治できます。放置して幼虫が大きくなると、1匹ずつ単体で行動を始め、樹全体に散っていきます。

「カイガラムシ」は茶色い玉状の殻を被った「タマカタカイガラムシ」が発生します。被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、鉢植えならば消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。生垣などの場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。また極度の日陰や風通しが悪い場所で大発生しやすいため、剪定などで発生しにくい環境作りも大事です。

病気:「うどんこ病」「ウメかいよう病」などが発生することがあります。

「うどんこ病」は葉の表面に粉状の白い斑紋が発生します。被害が酷いと葉が委縮したり、光合成に悪影響を及ぼします。陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行うことで、発生しにくい環境づくりも大事になります。

「ウメかいよう病」は葉・枝・実に発生します。特に実に発生すると赤紫~水浸状の黒い斑点が生じます。人体に影響はないので食用にできますが、見た目が著しく悪化します。冬場に病気が発生している枝を剪定して除去することで発生を抑えることができます。

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