コウライシバの
基本情報
科名:イネ科 Poaceae
————————
属名:シバ属 Zoysia
————————
学名: Zoysia pacifica
————————
原産:本州から九州
————————
高さ:~11㎝
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:強い
————————
芝生には年中緑の葉が茂る西洋芝と冬期は茶色く枯れ混み休眠する日本芝があります。日本芝は寒さだけでなく暑さにも強く日本の気候に適した品種も多くあります。
コウライシバは日本芝の中でも暑さ寒さに強く、葉も細いので密に茂らせることができ管理しやすい種類です。
コウライシバの
管理/置き場所
コウライシバは陽当たりの良い場所と排水の良い土を好みます。初春から芽が出始め、晩春まで成長を続けて鮮やかなグリーンに茂ります。冬期は茶色く葉を枯らし休眠し寒さにも耐える多年草です。
陽当たりと土の過湿や極度の渇きで生育が良し悪しが著しく変わるため、芝生を敷く面は十分な陽当たりと滞水や乾燥などが起きにくい土へ作り替えてください。
コウライシバの
育て方/年間管理
コウライシバの
植え付け前の土づくり
2月~5月あたりの活動期または活動期の少し前の植え付けが良いです。また敷いた直後は根が地表面にしかないため気温が上がる前の方が芝生の成長も良く管理もしやすいです。
芝生を張る場合は、元の土質に合わせて土を作り替えます。粘土質の場合は山砂や真砂土などと堆肥と庭の土とを混合します。この際に地表から深さ10~15㎝は混合し土を作りかえた方が良いです。
また極度に砂質の場合は堆肥類と肥料を混合し、保水力と保肥力を上げてから植え付けてください。
土づくりの際に、側溝など排水設備に向けて庭土表面をなだらかに傾斜をつけることで滞水部分ができにくくなります。排水設備がない場合や極度に排水が悪い場合は土中に暗渠工事を行って排水させる場合もあります。
コウライシバの
植え付け
コウライシバは芝生をシート状に育てられたものが束になって販売されています。(正方形のシート9枚1セットで販売されていることが多いです)
正方形のシートを土づくりを終えた上に敷きますが、市松模様のように格子状に並べる市松張り、シート間を数㎝あけてずらしつつ張る目地張りなどのように芝生をならべて敷き、芝生と芝生の間を目土で埋めます。
芝生と芝生の間隔を空けるほど芝生の必要枚数は減りますが、目土量が増えたり、芝生が覆うまでに時間がかかるため雨で芝生間の土の流出などが起きやすくなります。
すぐに綺麗に茂った芝生にしたい場合は、ベタ張り(平張り)という隙間なく敷く方法もあります。
コウライシバの
水やり/肥料の与え方
植えた直後にたっぷりと水を与えてください。以降は1~2日に一度水を与えてください。梅雨を挟むと根も張り、晴天の日が続くようであれば1~2日に一度は水を与えてください。根が張ってしまえば雨任せでも大丈夫な場合もありますが、夏場は乾きやすいため2年目以降でも晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。
肥料はあまり必要としませんが、葉色や生育のために、鉢植えならば春・秋の年2回、地植えならば春に年一度与えてください。肥料を与える量などはお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いです。
コウライシバの
剪定/刈り込み
コウライシバは生育期間中は伸びるたびに刈り込みを行います。刈り込みのタイミングは伸び具合にあわせて行うので、春秋は月に1~2回の刈り込みで、成長の早い夏場は月に2~4回の刈り込みが必要な場合もあります。刈り込む高さは2/3~1/2を残すように刈り込んでください。
コウライシバの
病害虫
病気として「ブラウンパッチ病」「フェアリーリング病」、害虫として「ネキリムシ」「ネキリムシ(コガネムシ幼虫)」「ツトガ」などがあります。
「ブラウンパッチ病」「フェアリーリング病」はどちらもキノコや糸状菌の病気で土中や半土中にキノコや病原菌の菌糸が広がることで芝生に円形の枯れが発生します。
「ブラウンパッチ病」の場合は梅雨時期など土が過湿になる時期に発生しやすく、「フェアリーリング病」は地下に菌床というキノコの母体ができることで水が浸透しにくくなり、より枯れやすくなります。
「ブラウンパッチ病」はオーソサイド水和剤などのキャプタン剤で治療します。
「ネキリムシ(ガの幼虫)」は日中は日陰や半土中にいて、夜間に地際の茎を食害します。
「ネキリムシ(コガネムシ幼虫)」は完全に土中で生活しており、土中を芝の根を切りながら食害し、芝生の生育が悪くなります。
「シバツトガ」の幼虫は枯れ葉や砂などを集めて袋のような(ツト)をつくり、その中に潜んでいます。
市販の薬剤で「芝生」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。