ハクチョウゲ(白丁花)の育て方

 ハクチョウゲ(白丁花)の基本情報

科名:アカネ科 Rubiaceae
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属名:ハクチョウゲ属(セリッサ属) Serissa
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学名:Serissa japonica
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異名(Synonym):Serissa foetida
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和名:ハクチョウゲ(白丁花)
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別名:ハクチョウボク(白丁木)、ハクチョウゲ(六月雪)、ハクチョウゲ(白鳥花)
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原産:日本(沖縄)、中国、台湾、インドシナ、タイ
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開花時期:4月中旬~6月
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高さ:~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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 ハクチョウゲ(白丁花)の特徴

ハクチョウゲ(白丁花)は樹高1mくらいの常緑小低木で、春に小さな白い星形の花を咲かせます。花色は白花で満開時は樹が白く彩られますが、蕾や花弁裏側はややピンクがかるため、近くで観賞する場合は別の魅力があります。

病害虫に強く管理も楽なため庭木として植栽されたり、刈り込みに強く細かな枝葉は密に茂るため低めの生垣に使われることもあります。また剪定で樹形が作りやすく景観を壊さない小さな花が咲くことから盆栽としても親しまれています。

元々の自生地は沖縄以南のため、ある程度の耐寒性はあり暖地や関東以南の温暖地では常緑樹として戸外で越冬できますが、関東以北や温暖地でも比較的冬期に冷え込む地域では落葉することがあります。

緑葉・白一重花以外にも、葉に斑が入る「フイリハクチョウゲ」、二重や八重の花が咲く「フタエハクチョウゲ」「ヤエハクチョウゲ」、ピンクの花が咲く「ピンクミスティック」などの品種もあります。

 ハクチョウゲ(白丁花)の由来

和名のハクチョウゲは、漢字では「白丁花」「白鳥花」「六月雪」などで書き表します。

「白丁花」という名は、花を横から見ると「丁字型」のため「白い丁字型の花」とする由来や、白い「チョウジ(丁子/丁字=クローブ)」のような花が由来となっているようです。

「白鳥花」は「ハクチョウゲ」という読みを元にした当て字です。

「六月雪」は、中国でのハクチョウゲの名を元にしており、六月に雪が降ったかのように白く咲く姿を表しています。

 ハクチョウゲ(白丁花)管理/置き場所

ハクチョウゲ(白丁花)は陽当たりと排水性の良い場所が理想ですが、ある程度の多湿や乾きやすい土でも育ちあまり土質を選びません。

また耐陰性もあり日陰の場所でも十分生育はします。ただし日陰では開花量が少なくなったり、極度の日陰では花が咲かなくなったり樹形が乱れたりするので極力明るい場所で育てた方が良いです。

開花は5月~6月で、暖かい地域では4月中下旬から開花が始まることがあります。

 ハクチョウゲ(白丁花)育て方/年間管理表

 ハクチョウゲ(白丁花)植え替え

ハクチョウゲ(白丁花)の植え替えは猛暑期、厳寒期を除いて周年植え替えができます。ただし開花期や開花期間近で植え替える場合は、開花に影響がでないよう根を傷めずに植え替えします。

露地植えの場合:株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わりますが、ポットの苗などの小さな株でも少なくとも直径・深さが30㎝~50㎝は掘り返した方が良いです。根鉢が20㎝以上ある場合は、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘った方が良いです。掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

鉢植えの場合:ポットサイズより2回り大きなサイズの鉢に植え替えます。成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

同じ大きさの鉢に植え替える場合は、土を落として根を整理するため開花後~新芽が伸びる時期に植え替えます。古い鉢から根鉢を抜き取り、鉢土を1/3~半分落とします。新しく根が張る場所を作るため、傷んでいる根と共に細根も切って整理し、以前と同じ大きさの鉢に植え替えます。根を切る場合は株のダメージを軽減するため、枝の剪定も同時に行うと良いです。

 ハクチョウゲ(白丁花)用土の選び方

やせ地でも良く育ちますが、保水・排水の良い用土で植え替えると健康的に育ちます。

鉢植え:市販の樹木用の培養土や観葉植物用の培養土で植え替えできます。また市販の花や野菜用の培養土でも育ちますが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるものもあるため、排水の良いものを選ぶと良いです。

混合して作る場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えます。

庭・花壇に植え:植えこむ周囲の土量に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

 ハクチョウゲ(白丁花)水やり/肥料の与え方

水やり:ハクチョウゲ(白丁花)は一般的な花苗や樹木の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、梅雨前までは晴天が続く場合のみ水を与えて下さい。一度根を張ると夏までは水やりをしなくても元気に育ちます。一方で夏場は晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

二年目以降は夏で晴天が続くような場合を除けば、基本的に天候任せで大丈夫です。

肥料:植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに与えます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

定植後の株は、1月~2月あたりに寒肥として完熟堆肥とともに完熟有機肥料を株回りに混ぜ込みます。6月~7月の開花後にお礼肥として有機肥料を株元から離した株回りに与えます。

 ハクチョウゲ(白丁花)の剪定/刈り込み

ハクチョウゲは開花後に剪定します。翌年開花する花芽は開花後に伸びた枝につき、夏に花芽を形成します。

梅雨時期開け以降の強剪定は、花芽形成時期までに充実した新枝が育たないことがあるため避けます。また夏以降も花芽ごと剪定することになるので強剪定は避けます。生垣などで夏~秋に樹形を整えたい場合は、伸び過ぎた枝のみを剪定すると良いです。

 ハクチョウゲ(白丁花)増やし方

ハクチョウゲ(白丁花)は挿し木で増やすことができ、4月~7月に行います。またハクチョウゲは樹木としてはやや寿命が短く10年前後のため、ある程度年数が経過した株がある場合は挿し木することで株の更新を行います。

挿し穂の作り方:前年伸びた枝を10㎝前後で切り、水につけて給水させます。湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。また挿し穂に発根剤を使うことで発根率が上がります。

発根するまで日陰に置き、水を与えながら管理します。

 ハクチョウゲ(白丁花)病害虫

病害虫に強い樹木ですが害虫として「アブラムシ」が発生することがあります。

「アブラムシ」は蕾や新芽などに発生します。極度の日陰や風通しが悪い場所で大発生しやすいため、茂りすぎた場合にも発生しやすくなります。剪定などで発生しにくい環境作りも重要になります。特に病害虫に強いので、環境改善だけでも病害虫の発生を抑えることができます。

「アブラムシ」の退治には、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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