アイスランドポピー(シベリアヒナゲシ)の育て方

 アイスランドポピーの基本情報

科名:ケシ科 Papaveraceae
————————
属名:ケシ属 Papaver
————————
学名: Papaver nudicaule
————————
和名:シベリアヒナゲシ(シベリア雛罌粟)
————————
英名:Iceland poppy, Icelandic poppy
————————
原産:シベリア~極東地域
————————
開花時期:3月~5月
————————
高さ:~30㎝
————————
耐暑性:弱い
————————
耐寒性:強い
————————

 アイスランドポピーの特徴

アイスランドポピー(Papaver nudicaule)は和名でシベリアヒナゲシという名もあり、薄い和紙で作ったようなやや皺のある花弁とケシやオニゲシよりも小ぶりな草姿で、シベリアから中央アジア山間部、極東地域に自生しているケシの仲間です。

もとは北極探検隊に参加していた植物学者がシベリアで発見されたことからシベリアヒナゲシという和名の由来になっており、英名のアイスランドポピーは発見されたシベリアとアイスランドの気候が似ていることが由来だそうです。名前に反してアイスランドに自生しているわけでもなく、アイスランドの国花でもないようです。

現在流通しているアイスランドポピーは多くが園芸種です。原種は白から黄系の花色ですが、園芸種は白、黄色、クリーム、オレンジ、ピンクなどの花色があります。

ポピー(ヒナゲシ:Papaver rhoeas)が白、ピンク、赤などの赤系統の花色なのに対して、アイスランドポピーは花色のバリエーションが豊富です。

花茎が立ち上がり、花弁も大きくカラフルなため、花が風にそよぐ様は春の訪れを感じることができとても魅力的です。

 アイスランドポピーの管理/置き場所

アイスランドポピーは自生地では二年草または短命な宿根性多年草ですが、寒冷地の植物のため寒さには強いですが、暑さや蒸れに弱く、日本では一年草扱いになります。

育てる環境は、陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てます。

開花は地域によって差がありますが、3月上・中旬~5月上旬あたりで、寒冷地の植物のため他のケシ類と比べて春早く開花するという特徴があります。

ケシ(Papaver somniferum)の仲間ですが、麻薬成分は含まれておらず園芸植物として問題なく育てることができます。ただし毒性のあるアルカロイドを含んでいるため、こぼれ種が畑で芽吹き誤食する等が起こらないよう注意してください。

 アイスランドポピー育て方/年間管理
 アイスランドポピー植え替え

11月~12月あたりから苗が出回り、春先にも開花苗が流通します。苗を購入後、一~二回りの大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えて下さい。

アイスランドポピーをはじめケシの仲間は直根性(根が下方に真っすぐ伸びる性質)で植え替え等で根を傷めることを嫌うため、根鉢やポットの土を崩さずに植え替えます。また種から育てる場合は、最初から観賞時に使う鉢やプランターに直撒きもできます。

 アイスランドポピー用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。根腐れが気になる場合は、市販の培養土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割まぜて排水を良くしたものを使うこともできます。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇へ植え付ける場合は、アイスランドポピーが酸性土壌を嫌うため苦土石灰を撒き中和します。苦土石灰を撒いて耕し土壌混入して水を撒き、1~2週間おきます。

その後、土質改良のために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

 アイスランドポピー水やり

アイスランドポピーの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

 アイスランドポピー肥料の与え方

種を花壇などに直撒きする場合は、予め有機肥料などを元肥として混ぜ込んでから種まきします。苗を定植する場合は、定植するまでに元肥を混ぜ込んでから植え付けます。

翌春に蕾が大きくなったあたりに追肥として株の周囲に追肥を与えて下さい。与える肥料の量は、お持ちの肥料の説明に準じます。

 アイスランドポピー増やし方

アイスランドポピーは種まきで増やします。種は購入するか採種したものを撒くことになりますが、自宅で虫媒結実した種を採種した場合は白花が優性発現しやすいため、白花の比率が増えることがあります。

種まきは9月末~10月あたりが適期です。

ケシの仲間は直根性で移植を嫌うため、種を撒く場合は、庭や観賞時使う鉢やプランターに直撒きするか、ビニールポットで苗を育てます。

種は「芥子粒」の言葉通り極めて小さく、好光性種子(明るい環境下で発芽する種子)のため覆土はしません。

庭・花壇への直撒き:酸性土壌を嫌うため苦土石灰を撒き中和します。苦土石灰を撒いて耕し土壌混入して水を撒き、1~2週間おきます。さらに完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。もし完熟に達していない堆肥や有機肥料を混ぜる場合は、土に混入後さらに1~2週間おいてから種まきします。

土の準備ができたら、種をばら撒きまたは筋撒きします。もしばら撒きで雑草との区別がつかなくなる恐れがある場合は、筋蒔きにすることで発芽箇所に規則性ができ区別しやすくなります。

種が小さく水やりなどで流されやすいため、種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。種まき後に土表面を軽く押さえ、種と土が密着させた後、再度地表全体に水を与えます。なお地表の乾燥が不安な場合は、バーミキュライト小粒を極少量だけ種の上に被せることもできます。

発芽後本葉が出たあたりで間引きします。根が傷むのを嫌うため、間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、最終的な株間が15㎝前後までは行った方が良いです。

ポット撒き:ビニールポットに培養土を入れ、水をかけて土を湿らせます。軽く土を押さえて種と土を密着させ、再度軽く水を与えます。直撒きと同じく土表面の乾きが不安な場合は、バーミキュライト小粒を種の上に極少量被せることができます。

発芽後は直撒きと同様に間引きを行い、1ポットに1苗になるまで間引きつつ育成します。

なおポットで育てた場合の注意点として、直根性のためポット内で育ちすぎると、ポットから移植しても大きく育たなくなります。ある程度育てた段階で定植してください。

 アイスランドポピー病害虫

アイスランドポピーには害虫として「アブラムシ」「コナジラミ」「ハダニ」、病気として「うどんこ病」などが発生することがあります。

「アブラムシ」は花裏や葉裏などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「コナジラミ」「ハダニ」はともに葉裏に発生し、葉裏から吸汁する害虫です。どちらの害虫も発生初期で吸汁により葉色が悪くなります。

コナジラミは白く小さな成虫が飛び回るようになって気づくことがあります。またハダニは被害が酷くなると、葉の周囲に蜘蛛の巣状の糸を張り巡らせます。陽当たりや場所や風通しが悪い場所で大発生しやすいためアブラムシと同じく環境改善も行うと良いです。

「うどんこ病」は葉の表面に白い粉のようなカビが発生します。陽当たりが悪い場合、または風通しが悪い場所や株が茂りすぎて通風が悪くなると発生しやすくなります。被害が酷くなると株の成長が著しく悪くなるので、消毒の前に環境改善を行ってください。

「アブラムシ」「コナジラミ」「ハダニ」「うどんこ病」が発生してしまった場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする