レモングラス

 基本情報

科名:イネ科 Poaceae
————————
属名:オガルカヤ属 Cymbopogon
————————
学名: Cymbopogon citratus
————————
別名: バジリコ( basilico/イタリア語)
————————
原産:インド、スリランカ、東南アジア
————————
高さ:~1.5m
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:弱い
————————

シトラールというレモンと同じ香りの成分を含み、レモンに近い香りがあることからレモングラス(Lemon grass)と呼ばれています。

爽やかな香りをティーとして楽しむだけでなく、トムヤンクンなどのエスニック料理の香りづけにも使われます。

また香り成分が虫よけ効果があるため、天然の防虫剤や虫よけスプレーとしても使われ、使い道の幅広さも魅力です。

 年間管理表
 育て方/置き場所

レモングラスは陽当たりを好む植物なので、基本的には屋外で良く陽の当たる場所であれば地植え・鉢植えどちらでも問題なく育ちます。

レモングラスは熱帯性のイネの仲間で、半耐寒性(または非耐寒性)の多年草です。暖地・温暖地域では寒さや雪でも多年草として庭植えできます。一方で寒冷地や中間地、温暖地でも標高が高い地域などは、防寒対策をするか、地植えなら掘りあげる必要があります。

葉は3月あたりの寒さが落ち着いた頃から出始め、根が張れる場所なら夏場の生育は旺盛です。

寒くなり始める11月あたりから生育がとまりで、寒さや霜などで上部の葉は枯れ始めます。

霜や雪が降るだけでは全草が枯死することはないですが、降雪量や氷点下の期間の長さで越冬できるかできないかが変わります。

積雪がない暖地、積雪しても年に1~2回程度で半日以内に雪が溶けてしまうような地域ならば、冬場の枯れた葉を切り取らずに株元の保護用に残しておくだけで簡単に越冬できます。

積雪が1日から2日ほど消えないような地域、夜間の氷点下が頻発する地域では、秋に葉を刈り取り、株元に丸めた新聞紙などを幾重にもあてたうえで、全体をビニールで覆うなどの防寒対策が必要になります。なお、さらに寒い地域であれば1年草として扱った方が良いかもしれません。

 植え替え

レモングラスは鉢植え・地植えどちらでも育てられますが、高さと横幅ともに大きく育つハーブで根詰まりが早いので、鉢植えの場合は根詰まりがおきたら植え替えをしてください。

苗を2回りくらい大きな鉢、またはプランターに植え替えます。鉢植えの場合は成長が遅くなったり、葉の色が悪くなった場合には根詰まりを考えて植え替えしたほうが良いです。

 用土の選び方

鉢植えの場合は市販の花と野菜の土、またはハーブの土で植え替えできます。

庭や花壇に植える場合は完熟の牛糞や馬糞堆肥と肥料を周囲に混ぜ込み植えてください。何も混ぜずに固い土の場合でもレモングラスの生命力は強いので枯れにくいですが、生育速度が極めて遅くなりあまり収穫が期待できなくなります。

土に空気が入り、柔らかくなるだけでも育ち方はかなり良くなります。

 水やり・肥料の与え方

レモングラスは特に夏場の生育速度がはやい植物なので、生育期間中は水も肥料も必要です。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。バジルがかなり茂ってくる7~9月では土が乾く頻度がかなり早いので水枯れしないように気を付けてください。

庭植えの場合は植えた当初はおおむね雨まかせでも大丈夫ですが、夏場は夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。ただし植えて数年経っている株は夏場でもほぼ水やりの必要はないかもしれません。

肥料は置き肥・液肥を与えていきます。与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えならば置き肥なら月に1度は与えた方が良いと思います。

なお食べることが目的なので、気になる方は有機肥料タイプのもので与えていくこともお勧めです。

 収穫/刈り込み

レモングラスは夏場の生育中に随時切り取りながら収穫できます。収穫後、フレッシュハーブまたはドライハーブとして利用してください。

なおレモングラスの葉の両端はやや鋭利なので、手を切らないよう手袋を付けるか、注意して収穫してください。

また秋に刈り込む際に、沢山収穫できたものを一気にドライハーブにすることもできます。ただし刈り込んだ場合は寒冷地では防寒をしてください。

もし冬場に枯れ葉を残していた場合は、新芽の伸び始める3月か少し前の2月末あたりに枯れ葉を切り取ってください。枯れ葉を取り除かないと枯れ葉の中から新芽が吹き始め、見た目が悪い状態になります。4月以降の枯れ葉の除去は、新芽と枯れ葉が混在している状態での手入れになるためとても面倒です。

 増やし方

増やし方は株分けがお勧めです。株分けは3月~6月あたりの生育期の初期から暑くなる前あたりが良く、特に株を掘りあげて株分けする場合は3~4月がお勧めです。

まず株を掘りあげ、根を温存しつつ土を少し落とします。手袋をはめ、株の葉の側を握ります。根の方に向かって割く様に割ると株分けできます。

 病害虫

レモングラスは病害虫に悩まされることがほとんどないハーブですが、害虫がまったくいないわけではないので紹介します。

レモングラスの害虫は「ハダニ」「メイガ」「ネキリムシ」が発生することがあります。

「ハダニ」は通常屋外では大発生はしにくいですが、雨が降らない日が続いたり、屋根下で育てている場合などで発生しやすくなります。

「メイガ」は種類により食害パターンが異なりますが、葉巻の症状が起きていたらメイガの可能性があります。

鉢で育てている方は「ネキリムシ(コガネムシの幼虫)」が鉢の土で発生することがあります。

食べるものなので消毒はしたくないでしょうから、防虫ネットで予防するか捕殺または傷んだ葉と一緒に除去することになります。ただ生育旺盛なため害虫の発生も気にならないことも多いです。

もし消毒が可能であれば市販のスプレータイプの薬剤で「野菜類」と該当害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

なお市販薬品のスプレーでも天然成分を主体としたものもありますので、防虫ネットや捕殺は面倒だけど、化学薬品は嫌だという方は天然成分の薬剤を使うのも良いかもしれません。

上記の害虫の中で「ネキリムシ」だけ土中に発生するので、植え替えて土をかえるか、「ネキリムシ」が退治できる粒剤を使う必要があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする