ホウセンカ(鳳仙花)の育て方

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 基本情報

科名:ツリフネソウ科 Balsaminaceae
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属名:ツリフネソウ属 Impatiens
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学名: Impatiens balsamina
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別名:爪紅(ツマベニ/ツマクレナイ)
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原産:東南アジア、インド
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開花時期:6~9月
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高さ:20~60㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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ホウセンカ(鳳仙花)はインパチェンス(アフリカホウセンカ)の仲間で赤、ピンク、白、紫などの一重または八重の花を咲かせます。暑さに強く育てやすい一年草で、学校の教材に使われることもあり、比較的知名度が高い花です。

花の汁を爪を染めることに使ったため、爪紅(ツマベニ/ツマクレナイ)という別名もあります。

開花後にラグビーボールにそっくりな紡錘形の実を付けます。熟した実は割れると種が弾けとぶ朔果(さくか)という性質があり、この性質から英語名の「Rose balsam」の別名に「Touch me not」(私に触らないで)という名もあります。学名のImpatiensもラテン語の「耐えられない/我慢できない」という意味の言葉で、実が弾ける性質に由来しています。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 管理/置き場所

ホウセンカ(鳳仙花)は直射日光を好み、暑さに強いので、屋外のよく陽の当たる場所で育ててください。

暑さに強い一年草で春に種を撒き、6~9月まで開花を続けます。やがて気温の低下とともに枯れだします。

本来は草丈が50㎝~60㎝くらいの花ですが、草丈20㎝~30㎝くらいの品種も作られています。草丈が高い方を「高性種」、草丈が低い方を「矮性(わいせい)種」とよびます。ホウセンカはかなり根を張る植物なので、経験上鉢植えの場合は矮性種を植えた方が管理がしやすいです。種や苗を購入する際に気にかけておくと良いかもしれません。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 育て方/年間管理

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 植え替え

ホウセンカの根は直根性という真っすぐ下方に伸びていく性質のため移植を嫌います。そのため基本的に植え替えは避けますが、ポットの苗を購入した場合やポットに種まきをした場合は、一回り大きな鉢や花壇などにポットの土を崩さないように植え替えて下さい。

また地植えを掘り起こす、あるいは鉢を株分けするなどの根を切るような移植は避けた方が良いです。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。鉢植え・庭植えともに排水性の良い土で植え替えてください。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 水やり/肥料の与え方

ホウセンカの水やりは一般的な花苗の水の与え方に準じます。ただしホウセンカを含むインパチェンスの仲間は比較的水を好むため、多湿による根腐れも注意が必要ですが、乾きすぎても生育がかなり悪くなります。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、梅雨前までは晴天が続く場合のみ水を与えて下さい。直根性で根が地下の水分を獲得しやすい性質なので、一度根を張ると夏までは水やりをしなくても元気に育ちます。一方で夏場は晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

開花とともに随時実を付けますので、生育期間中の5~9月あたりは適宜肥料は与えてください。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、植えるときの元肥を土に少量混ぜて植え込み、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度程度与えた方が良いと思います。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 増やし方

ホウセンカは種まきで増やします。前年採取した種か購入してきた種を4月中下旬~5月あたりに、地植えや鉢などに直播きするか、ポットに種を撒いて苗をつくります。

ポットに種を撒く場合は市販の種まき用土か花用の土を入れて、種を3粒撒きます。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ってください。

苗が生育し根が回る前に定植します。高性種の場合はポットで長期間育てると根がポット内に回り始め、草丈が低く育つことがあるので定植の際に注意してください。

またホウセンカの実は熟すと随時弾けて種を撒き散らします。種を採取する場合は、ある程度種が熟した状態では指で触っただけで弾けるようになりますので、袋や紙で実を包んだ後に弾けさせて種を回収します。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 剪定/刈り込み

ホウセンカは根が真っすぐ下に伸びていくように、茎も直立性といって真っすぐ上へと伸びていきます。そのため剪定や刈り込みなどは基本的に行いません。

 ホウセンカ(鳳仙花)の
 病害虫

生育旺盛なため病害虫の発生が気にならない場合もありますが、もし大発生する場合は育てる環境の改善をすることもお勧めです。

病害虫として代表的なものは「うどんこ病」「ハマキムシ」「コナジラミ」「ハダニ」「アブラムシ」などが発生することがあります。

「うどんこ病」は葉の表面に白い粉をまぶしたような病状がでるカビ由来の病気です。

「ハマキムシ」は葉を巻き取るように丸めて、幼虫が内側から葉を食害します。被害の葉が少数なら葉ごと除去してください。一方で被害が酷い場合は、ほとんどの葉を除去しなくてはならない場合もあるため、葉を残したままで消毒で退治してください。

「コナジラミ」は幼虫・成虫ともに葉裏に発生します。株を触ると白い小さな成虫が舞い飛ぶので判別できます。

「ハダニ」は通常屋外では大発生はしにくいですが、雨が降らない日が続いたり、屋根下で育てている場合などで発生しやすくなります。

「アブラムシ」は花の蕾に発生しやすいです。被害が酷いと花が委縮して咲いたり、その他の病気を併発します。

どの場合でも、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と上記の病害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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