アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の育て方

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の基本情報

科名:キジカクシ科(クサスギカズラ科)
   Asparagaceae
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属名:リュウゼツラン属(アガベ属)
   Agave
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学名:Agave geminiflora
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流通名:アガベ・ゲミニフローラ
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英名:Twin-flowered Agave
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原産:メキシコ ナヤリット州
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高さ:60㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の特徴

アガベ・ゲミニフローラは細い葉と葉の縁に繊維状のフィラメントが特徴的なアガベの一種です。他のアガベに見られる葉の縁の鋸歯はないですが、先端は尖っています。

メキシコ・ナヤリット州の固有種で、エル・オコティリョという町の北方3~16㎞の極めて狭い地域で自生しているそうです。

アガベ・ゲミニフローラは他のアガベより比較的コンパクトな種類で、やや濃いめのグリーンの葉色と細い葉のつくる株姿は、アガベやユッカで作るドライガーデンで良いアクセントになります。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の置き場所と年間管理

暑さはもちろん寒さにも比較的強く、年間通して良く陽の当たる屋外で管理します。-4℃の屋外でも十分越冬できましたが、冬期は積雪や霜などが当たらない場所で育てて下さい。

ドライガーデンのような地植えの場合は、アガベ・ゲミニフローラよりも寒さに強いアガベ・アメリカーナ(アオノリュウゼツラン)などの周囲に植えて寒さ除けにすると良いです。

USDA(アメリカ農務省)のHardiness Zoneから自生地の最低平均気温を参考にすると-6.7℃までは屋外で育てることが可能だと考えられます。

ただし積雪または寒風で葉が傷んだ経験があり、日本の場合は積雪(または積雪期間)、霜、寒風の当たり方などで自生地と日本の状況は違うようです。

一方で雪・霜が当たらない場所では-4℃でも問題ありませんでした。

または株が小さいころは耐寒性が低いなどの理由から極度の低温は避けた方が良いと考えられます。

アガベ・ゲミニフローラをふくむアガベの仲間は、株の成熟後に開花は生涯で一度だけ行います。その後に株は枯死しますが、開花後の種か子株で出ることで増えていきます。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の年間管理表
 
アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の植え替え

乾燥に強く、過湿を嫌うため頻繁な植え替えは必要ありませんが、鉢土をリフレッシュするために数年に1度は植え替えをしてください。

植え替えは気温が高くなり始める5月あたりからがお勧めです。温暖な地域では3~4月からの植え替えでも問題ありません。

8月~9月でも植え替えは可能ですが、生育が止まる季節が近いので、翌年5月あたりまで待って植え替えるか、鉢が割れそうなくらいの緊急性があるなら冬場に根腐れし難いように一回り大きい鉢(大きすぎない鉢)で植え替えすると良いです。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の用土の選び方

排水の良い用土を使って植え替えます。

アガベや塊根植物用の培養土での植え替えが理想です。またブレンドする場合は硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土に植え替えが良いです。

ヤシ繊維はベラボンようなアクの少ないものを使い、赤玉土は茨城用土などの潰れにくい硬質タイプを使います。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の水やり

アガベは乾燥地の植物で、庭植えの場合はほぼ天候任せで、水やりの必要はありません。

一方で鉢栽培の場合は、夏期や気温が高い時期はかなり水を必要としますし、生育も早くなります。

夏期は鉢土の表面が乾いたら鉢下から水がでるくらいたっぷりと与えます。

一方で春・秋は鉢土の表面が乾いて数日待ってから水を与えるくらいで良いです。冬場は月に一度ほどの水やりくらいで十分です。

水の渇きで簡単に枯れる植物ではないですが、極端に乾いている状態で放置すると、根の枯死から始まり、葉先から傷み始めます。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の肥料の与え方

肥料やりは生育が始まる5月から8月あたりまで緩効性の置き肥を鉢土の上に与えるか、液体肥料を水やりの際に与えます。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の手入れ
枯葉取り

アガベやリュウゼツランの仲間は剪定はほぼ必要ありませんが、新しい葉の展開に伴い、古い葉が茶色く枯れ始めたら切り落としてください。なお棘が刺さりますので、厚手の手袋と剪定ばさみなどで切ることをお勧めします。

生葉を切り取る場合は、傷口が湿っていることと傷口が大きさから、株を傷める原因になります。傷口が早く乾くように雨の日などは避けてください。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の増やし方

アガベ・ゲミニフローラは子株の株分け、種まきで増やすことができます。

株分け

他のアガベと同じく株の根元などから子株がでます。

発根するくらいの大きさに育った子株を取り分け、切り口に殺菌剤を粉の状態で塗して乾いた専用培土で植え替えます。

3~5日間日陰で静置して切り口を乾かしてから水を与えて下さい。

種まき

アガベの仲間は生涯に一度だけ開花しますし、上記の通り開花までにかなりの年数を要します。

開花まで育て種を採取するより、ネットなどから種を取り寄せて種まきをすると良いかもしれません。

種まきは気温の上がる6月以降が良いです。ポットなどに赤玉土の細粒か多肉植物用の土を入れ、種をまき種が隠れるくらいに覆土します。

水を与え、発芽までは直射日光のあたらない明るい日陰に置きます。発芽は品種にもよりますが1~2週間くらいで発芽します。

アガベ・ゲミニフローラ(Agave geminiflora)の病害虫

比較的病害虫も少なく管理しやすい観葉植物ですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」は葉や葉の基部などに発生しやすく、風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。大発生すると葉色が著しく悪くなり、すす病などを併発することがあります。

退治・治療方法

大まかなカイガラムシを布などで拭きとり、市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンの粒剤を定期的に鉢にばら撒いて予防ができます。

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