ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の育て方

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の基本情報

科名:キジカクシ科 Asparagaceae
————————
属名:イトラン(ユッカ)属 Yucca
————————
学名:Yucca filifera
————————
異名(Synonym):
   Yucca baccata var. filifera
   Yucca canaliculata var. filifera
————————
流通名:ユッカ・フィリフェラ
————————
英名:St. Peter’s Palm
   Palma China
————————
原産:チワワ砂漠(メキシコ)
————————
高さ:4m~12m
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:強い
————————

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の特徴

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)はメキシコ北東部にあるチワワ砂漠原産のユッカの一種で、葉の縁にフィラメントがある濃緑の葉とタンクの役割がある太い幹が特徴です。

自生地では樹高が9m以上に育つことがあり分頭しながら茂るようですが、日本で流通する株は大きくても数mあたりの株が多く単幹の株がほとんどで、生育も極めて遅いため樹形が崩れにくく植栽後の景観を維持しやすい利点があります。

一方で幼株から幹立ちの株まで育てるまでには10年単位の時間が必要になります。

濃い緑の葉は硬くて葉先は鋭く、幹先端にロゼット状に茂っている株を多く見かけますが、本来は幹部まで緑の葉が覆い、枯れた葉は幹に付いたまま下垂しながら幹を覆いますが、やがて古い枯葉から順に落葉し幹部が露わになります。

USDA(アメリカ合衆国農務省)のHardiness Zoneを参照すると8a~11aで、低温側の平均最低気温では-12.2℃まで耐えることができ、暑さだけでなく寒さに強い性質です。

また降雪に対する耐性もあり、数日間の積雪ならば問題なく地植えで育ちますが、一方で多湿で根が傷みやすいため排水の良い環境で育てる必要があります。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の管理と置き場所

ユッカ・フィリフェラは耐暑性・耐寒性ともに高く、直射日光下であれば管理も極めて簡単な屋外観葉植物です。

また積雪しにくい地域(または積雪期間が短い地域)では地植えすることもでき、排水の良い環境を整えれば良く育ちます。

生育も極めて遅く景観を乱しにくいですが、幼株から幹が立ち上がる株に育つまでに極めて長い時間が必要なので、ドライガーデンとしてある程度整った景観を作る必要がある場合は生育している株を使って植栽した方が良いです。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の年間管理表
 
ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の植え替え

ユッカ・フィリフェラは乾燥に強く、一方で過湿を嫌うため頻繁な植え替えは必要ありませんが、数年に1度は植え替えます。

植え替えは気温が高くなり始める5月(温暖な地域では3~4月から)からの植え替えが良く、5月~9月あたりに行います。

10月以降でも植え替えは可能ですが、生育が止まる季節が近いので、翌年5月あたりまで待って植え替えるか、鉢が割れそうなくらいの緊急性があるなら冬場に根腐れし難いように一回り大きい鉢(大きすぎない鉢)で植え替えすると良いです。

地植えの場合は、排水性の良い土を好むため土質に応じて改良を行います。

特に粘土質の場合では、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して山砂・軽石小粒・鹿沼土小粒をそれぞれ2~3割ずつ混ぜて植え付けます。

また植える場所をレイズドベッドのように一段盛り上げて排水の良い状態にするとより良いです。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の用土の選び方

鉢植えでの理想的な土質としては、硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土での植え替えが良いです。

ヤシ繊維はベラボンようなアクの少ないものを使い、赤玉土は茨城用土などの潰れにくい硬質タイプを使います。

ただ性質が比較的強いため、良く発根している株ならば赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土でも十分育ちます。

また市販の観葉植物用の土に軽石などを3割程度混ぜて排水を良くした用土でも植え替えできます。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の水やり

ユッカ・フィリフェラは乾燥地の植物で、幼株時から乾燥に強いですが、タンクが形成されていない状態で極度に乾くと根や株を傷めることになるので、土の状態を確認しつつ乾いたら適宜水やりを行います。

タンクが形成され幹が立ち上がるくらいに生育した株は乾きに極めて強くなります。

地植え

ほぼ天候任せで水やりの必要はありません。

鉢植え

夏期や気温が高い時期ははかなり水を必要としますし、生育も早くなります。

夏期は鉢土の表面が乾いたら鉢下から水がでるくらいたっぷりと与えます。

一方で春・秋は鉢土の表面が乾いて数日待ってから水を与えるくらいで良いです。冬場は月に一度ほどの水やりくらいで十分です。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の肥料の与え方

肥料やりは5月~9月あたりまで緩効性の置き肥を鉢土の上に与えるか、液体肥料を水やりの際に与えます。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の手入れ

手入れなどの作業はほぼありませんが、幹を目立たせたい場合は幹の中間あたりまでの葉や枯葉を切り落とします。

ただし緑の葉は切り落とし過ぎると生育に影響を与えるため、株が小ぶりな場合や生育を早めたい場合は生きている葉は切り落とさないようにします。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の増やし方

ユッカ・フィリフェラは「種まき」で増やします。

種まき

種まきの場合は、販売されている種を取り寄せて種まきをします。

種まきは気温が高い5月~9月が良いです。ポットなどに排水の良い培養土を入れ、種をまき種が隠れるくらいに覆土します。

水を与え、発芽までは直射日光のあたらない明るい日陰に置きます。発芽は品種にもよりますが1~2週間くらいで発芽します。

ユッカ・フィリフェラ(Yucca filifera)の病害虫

比較的病害虫も少なく管理しやすい観葉植物ですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」
葉裏や葉の付け根等に発生することがあり、陽当たり・風通しの悪い環境や過湿・極度の乾燥など植物が弱る環境下で発生しやすくなります。

治療方法

カイガラムシが発生した場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする