ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの育て方

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの基本情報

科名:ブドウ科 Vitaceae
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属名:ツタ属 Parthenocissus
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学名:Parthenocissus tricuspidata
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和名:ツタ(蔦)
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別名:ナツヅタ(夏蔦)
   モミジヅタ(紅葉蔦)
   アマヅラ(甘蔦)
   ボストンアイビー
   ジャパニーズアイビー
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英名:Boston ivy
   Japanese ivy
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原産:日本(本州~九州)
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ツルの長さ:~10m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの特徴

ツタ属はアジアから北アフリカにかけて自生するツル植物類で、日本にはツタ(蔦=Parthenocissus tricuspidata)の一種が自生しています。

春から夏にかけて照りのある濃緑の葉を茂らせて冬は落葉しますが、秋には美しく紅葉します。

英名で「Boston ivy」「Japanese ivy」という一般名で、ツル植物に「アイビー」の名が充てられることがあるためツタもアイビーとして扱われることがありますが、一般的にアイビーと呼ぶ場合はウコギ科キヅタ属(ヘデラ属)のヘデラの仲間を指すことが多く、ブドウ科ツタ属のツタとは別種です。

常緑性のキヅタ(ヘデラ)と比較して夏に葉があり冬に落葉するため「ナツヅタ(夏蔦)」という別名がある他、樹液から甘味料が採れることから「アマヅラ(甘蔦)」という別名もあります。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの管理と置き場所

ツタ(ナツヅタ)は陽当たり・風通しの良い環境が良いですが、自然環境下では樹木などを蔦って茂るため、ある程度の日陰や風通しの悪い環境でも良く育ちます。

ただし極度に陽当たりと風通しが悪い環境では害虫類が発生しやすくなり、秋も紅葉しなくなるため注意が必要です。

また土質は選びませんが保水・排水性のバランス土質を好みます。

木・コンクリート・レンガ・錆びた鉄など凹凸があるものに気根を下ろして這い上るため、壁面を這わせたい場合は上記のような材質を設置します。

一方で家や木などに這い上ることもできるため、不必要な場所に伸びていかないように適宜切り取って整えます。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの年間管理表
 
ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの植え替え

植え替えは早春から春までの芽吹きからツルの伸び始めあたりが適期です。冬期も植え替えできますが土が凍る厳寒期を避けて植え付けた方が良いです。

植え付ける周辺を耕し、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの用土の選び方

ツタ(ナツヅタ)は多くの場合壁面演出として庭植えにするため、植栽場所の土質を改良した上で植栽します。

前項と同じく土質を改良するための完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

新築の庭で山砂や真砂土などの土質の場合は、堆肥類以外にも黒土や赤玉土なども1~2割程度混ぜ込み保水・保肥力も改善した方が良いです。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの水やり

ツタ(ナツヅタ)の水やりは一般的な樹木の水の与え方とほぼ同じです。

植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの肥料の与え方

ツタ(ナツヅタ)は肥料を与えなくても良く育ちますが、早く茂らせたい場合は春に固形の油粕を株元から離した株回りに与えます。

一方で十分に茂った株の場合は肥料を与えすぎると茂りすぎてしまうため、葉色の悪化などの症状が表れなければ基本的に肥料は必要ありません。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの剪定

ツタ(ナツヅタ)はツルを伸ばして地を這うか壁面を這いあがります。

木・コンクリート・レンガ・錆びた鉄など凹凸があるものに気根を下ろして這い上るため、家や木などに這い上ることがあるので不必要な場所に伸びていかないように適宜切り取って整えます。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの増やし方

ツタ(ナツヅタ)は挿し木・蔓伏せで増やします。

挿し木

挿し木は3月~5月・9月~10月に行います。ツルを3~4節くらいで切り取り、下葉を落として水に漬けておくか清潔な挿し木用土などに挿します。

日陰で水を与えながら管理します。適期であれば1~2週間くらいで発根します。

蔓伏せ

通常は伸びた枝を土の上に固定させることで根を出させてから分ける増やし方ですが、地表を這っている枝は各節からすでに根が出ていることが多いため、根ごと枝を切り取り植え替えます。

植え替え方は挿し木の場合と同じく、育苗トレイやポットに花用の土を入れ、根が土中に入るように枝を地表に置きピン止めするか、地表から数㎜のところに植えこみます。

ツタ(蔦)/ ナツヅタ(夏蔦)/ ボストンアイビーの病害虫

病害虫に極めて強いですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」
葉裏や葉柄の付け根などに発生し、特に極端に日陰の場所や風通りの悪い場所で発生しやすいため、環境を改善するだけで発生を抑えることができます。

退治・治療方法

もし被害が酷い場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「樹木類」の登録と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またツルが1m以内の小さな株の頃であれば、アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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