ルクリア/アッサムニオイザクラ(アッサム匂い桜)の育て方

ルクリア/アッサムニオイザクラの基本情報

科名:アカネ科 Rubiaceae
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属名:ルクリア属 Luculia
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学名:Luculia
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流通名:ルクリア
    ニオイザクラ(匂い桜)
    アッサムニオイザクラ(アッサム匂い桜)
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英名:Luculia
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原産:ヒマラヤ・中国南部
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開花時期:11月~12月
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高さ:50㎝~1m
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耐暑性:やや弱い
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耐寒性:弱い
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ルクリア/アッサムニオイザクラの特徴

ルクリアはヒマラヤから中国南部にかけて自生するアカネ科ルクリア属の半耐寒性常緑小低木~低木で、秋~冬に花と香りを楽しむ鉢花の一つです。

「ルクリア」の名は属名に由来しますが、桜のような淡いピンクの花は仄かに香りがあることから「アッサムニオイザクラ」や「ニオイザクラ」という名前で呼ばれることもあります。

鉢花として店頭にならぶのは晩夏~初秋あたりから流通しますが、自然開花だと主に晩秋~冬にかけて開花します。

年間通して暖かく穏やかな気候を好むため、庭植えにせず鉢花として楽しむことが多いですが、大きく育った株は花数も増えるので、より香りを楽しめるようになります。

ルクリア属は5種ありますが、流通する種類はルクリア・グラティッシマ(Luculia gratissima)とルクリア・ピンセアナ(Luculia pinceana)の改良種などが多く、花色も淡いピンクだけでなく濃ピンク~白まで花色の幅が広がり、花の大きさもバリエーションが増えています。

ルクリア/アッサムニオイザクラの管理と置き場所

ルクリアの自生地は標高が高く年間通して穏やかな気候なので、日本の夏の高温多湿や冬の低温に耐えられないため、基本的に鉢管理します。

春と秋は直射日光下が良いですが、真夏の日差しで葉が焼けることがあるので、朝日だけ当たる明るい日陰や落葉樹の下などの木漏れ日の場所に置くか寒冷紗で遮光して育てます。

また室内が空調で適温維持されている場合は、8月までは室内の窓辺で管理できます。

ルクリアは短日植物で夜の長さが一定を超えると花芽を作る性質があり、自然の日照条件では9月あたりから花芽ができます。

屋内管理している鉢や屋外管理で夜間も電気が付いている場所に置いていると花芽が付かなくなるので、夜間暗くなる場所に移動します。

寒さが苦手で冬に霜が当たると枯れるため、10月中~下旬から室内に取り込み南側の窓辺で育てて、開花は11月あたりから咲き始めます。

花が咲き終わってもそのまま室内で管理し、春の霜の心配がなくなってから屋外へ移動させます。

ルクリア/アッサムニオイザクラの年間管理表
 
ルクリア/アッサムニオイザクラの植え替え

植え替えは4月~5月に行い、根詰まり解消のため毎年~2年に1回は植え替えた方が良いです。

購入後の鉢は根詰まりしやすいので、翌年の春に植え替えます。

ルクリアは根痛みを嫌うため植え替え作業は、鉢から根鉢を崩さずに一~二回り大きな鉢へ植え替えます。

植え替え時の鉢のサイズが大きすぎると夏・冬の生育が鈍くなる時期に土の過湿で根が傷むことがあるので、二回り以上の鉢への植え替えは避けます。

ルクリア/アッサムニオイザクラの用土の選び方

ルクリアは市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、排水と保水性を良くするために赤玉土小粒や鹿沼土小粒を2割ずつ混ぜて排水良く作り替えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:鹿沼土小粒:調整済ピートモス=4:3:3の土に植え替えもできます。

ルクリア/アッサムニオイザクラの水やり

ルクリアの水やりは、春・秋の生育が活発な時期は一般的な鉢花と同じく土の表面が乾いたら鉢下から水が出るくらいたっぷり水を与えます。

一方で夏・冬は生育が止まるか生育が鈍るので、表土が乾いてから数日~1週間程度待ってから水を与えるか、鉢を持ちあげて軽く感じるまで待ってから水を与えます。

なお夏・冬の場合でも室内に取り込んで適温維持している場合は、春・秋と同じく表土が乾いてから水を与えます。

室内は乾燥するため葉が傷んだり、ハダニが発生することがあるので、葉裏や幹など株回りへの定期的な霧吹きなども行うと良いです。

ルクリア/アッサムニオイザクラの肥料の与え方

ルクリアの肥料やりは、植え替え時の元肥は控えて、追肥のみを与えます。

追肥は5月~11月に1ヵ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、1ヵ月に1~2回薄めた液体肥料を与えます。

夏も肥料切れしない程度に与えますが、施肥量が多いと根を傷めることがあるので、規定の量よる少な目または規定の希釈より薄めにして与えます。

ルクリア/アッサムニオイザクラの手入れ
花摘み

花が咲き終わって放置すると落ちた花柄が葉に付着したり、灰色かび病の原因になるので、咲き終わり次第適宜花柄を取り除きます。

剪定・切り戻し

新芽が動き始める5月中旬~6月に剪定または切り戻しをします。

切り戻す際は葉がなくなるほど切り込むと枝が枯れ混むことがあるので、葉を残しながら剪定します。

コンパクトな株に剪定したい場合は、葉が残るのであれば大きく切り込むこともでき、切り込み方次第である程度株の大きさをコントロールできます。

自然の日照条件では9月あたりから花芽ができ、7月~8月に剪定すると9月までに花芽が付く充実した枝が育たないかもしれないので、剪定・切り戻しは6月までに行った方が良いです。

ルクリア/アッサムニオイザクラの増やし方

ルクリアは「挿し木」で増やします。

挿し木

時期は5月~6月に行い、前年の枝を3節前後で切り取って挿し穂にします。

挿し穂下側1~2節分の葉を落として蒸散を抑えるため残った葉を半分に切り、挿し穂下端を斜めに切り直して水に漬けて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

挿し穂に発根剤付けたり水に活力剤などを混ぜて使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆って保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

ルクリア/アッサムニオイザクラの病害虫

害虫として「アブラムシ」「カイガラムシ」「ハダニ」が発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
花・新芽・葉裏などに発生します。大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

陽当たりや風通しが悪い場所で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

「カイガラムシ」
葉の付け根や枝などに多く発生します。アブラムシと同じく大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

陽当たりと風通しの悪い環境や極度に陽当たりが悪い場所で発生しやすくなります。

「ハダニ」
乾燥する環境下で葉裏にから広がっていき、葉裏から吸汁するため、葉色がかすれた色合いになります。またハダニはクモの仲間なので、大発生すると蜘蛛の巣状の糸を張り始めます。

室内管理中や軒下に置いて雨があたらない場所などの乾燥する環境で発生しやすいため、葉裏から株全体に定期的に水をかけることで発生を抑えることができます。

退治・治療方法

「アブラムシ」「カイガラムシ」「ハダニ」が発生した場合では、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防や退治をすることができます。

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