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アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の基本情報
科名:キク科 Asteraceae
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属名:カッコウアザミ属(アゲラタム属)
Ageratum
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学名:Ageratum
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和名:カッコウアザミ
(郭公薊=Ageratum conyzoides)
和名:ムラサキカッコウアザミ/オオカッコウアザミ
(紫郭公薊/大郭公薊=Ageratum houstonianum)
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別名:アゲラタム
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英名(カッコウアザミ):
Billygoat-weed
Chick weed
Goatweed
Whiteweed
英名(ムラサキカッコウアザミ):
Lossflower
Bluemink
Blueweed
Pussy foot
Mexican paintbrush
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原産:熱帯アメリカ
(中央アメリカ・メキシコ・米国)
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開花時期:5月~11月
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高さ:15㎝~1m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:弱い
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アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の特徴
「アゲラタム」の名で店頭に並ぶ草花は、アゲラタム属をもとにした園芸品種を含む草花を指し、原種のアゲラタム属は中央アメリカからメキシコ(一部米国)にわたる熱帯地域原産の半耐寒性の多年草で、40種以上が自生しています。
現在「アゲラタム」として流通している草花は主に二つの原種をもとにしており、アザミを小さくしたような花姿から「カッコウアザミ(郭公薊)」の和名が付いている「Ageratum conyzoides」と「ムラサキカッコウアザミ(紫郭公薊)」の和名が付いている「A. houstonianum」の2種の園芸品種がほとんどです。
園芸品種のアゲラタムには、草丈が高いカッコウアザミと草丈が低いムラサキカッコウアザミをもとに園芸品種が作られているため、アゲラタムには草丈60~1mくらいの高性種と15㎝前後の矮性種があります。
属名の「Ageratum」は「a(否定の接頭語)」と「geras(ギリシヤ神話の老いの神)」をもとにした「老いない・古くならない」というような意味があり、花が長く咲き続ける姿に由来しているようです。
日本では多くの地域で冬に枯れるため一年草として育てますが、開花期が長いため庭植え・鉢植えともに長く楽しめる魅力があります。
また花もちの良さは庭植え・鉢植えでも活かせますが、高性種の場合は切花として長く楽しめるという魅力にもなります。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の管理と置き場所
アゲラタムは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。
自生地では多年草ですが、寒さは苦手で霜・雪または地面の凍結で株が傷み枯死するため、春から種を撒くか苗を植えて一年草として育てます。
また比較的耐暑性は高いものの、多くの品種は猛暑期は開花しにくくなるため夏場に切り戻しを行って風通しを良くし、晩夏~初秋の開花に向けて準備します。
多湿が苦手で、梅雨時期の長期間の長雨で葉が黒く枯れ混むことがあるため、梅雨時期は軒下などの雨の当たらない場所に移動します。
また矮性種の場合、葉が密に茂って株内側の風通しが悪くなるため、込み合った葉を取り除くなどを行います。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の苗の選び方
アゲラタムは高性種・矮性種などの品種があるため、どのように植えたいのかを考え購入時に品種や性質を知ったうえで種・苗を選んだ方が良いです。
鉢植えの場合は矮性種の方が育てやすく、高性種を育てる場合は10号前後の大き目の鉢に植え付けます。
地植えの場合は矮性種であれば花壇前方に植え、高性種では花壇後方に植えることになります。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の年間管理表
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の植え替え
苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。
鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
地植えの場合は、陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。
植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の用土の選び方
市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の水やり
アゲラタムの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の肥料の与え方
アゲラタムは断続的開花をするためある程度肥料が必要となりますが、多肥や窒素が多い状態で葉が大きくなり開花量が少なくなるため、適量で与えます。
元肥
鉢植えでは根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付け、庭植えでは土質改良のための堆肥類と一緒に根を傷めない緩効性の化成肥料か完熟有機肥料を株の周囲の土に混ぜ込んで植え付けます。
追肥
鉢植えでは6月~7月・9月~10月に1回ずつ緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、1ヵ月に1回薄めた花用の液体肥料を与えます。
庭植えでは元肥だけで良く育ちますが、夏の暑さあが落ち着く9月~10月に1回、緩効性の花用の化成肥料を株元から離した株回りに与えると秋の開花が良くなります。
なお肥料を与える量はお持ちの肥料の説明に準じます。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の剪定と刈り込み
花穂摘み
アゲラタムは花がある程度咲き進むと脇から次の花が立ち上がって開花します。
花は咲き終わると花柄が黒くなるため、花房の花が半数以上咲き終わったら花房ごと付け根から切り取ります。
切り戻し
夏場は開花しにくく株内側が蒸れやすくなるため、株の半分まで切り戻しを行います。
ただし高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るような剪定を行います。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の増やし方
アゲラタムは種まき・挿し木で増やします。
種まき
撒き時期は4月~5月で、種が細かいため種まき用土やピートバンなどを使い種を撒きます。
まずピートバンや種まき用土にたっぷりと給水させた後、種が重ならないようにばら撒きするか筋蒔きします。
種まき後、数㎜程度覆土し、再度たっぷりと水を与えます。
発芽するまで明るい日陰に置き、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。
間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ると周りの苗を傷めません。
本葉が2~3枚くらいでポットに植え替えるか花壇に定植します。ポットで苗を育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。
挿し木
5月~9月に挿し木できますが、越冬をさせない場合は年内に開花を楽しめる5月~7月上旬に行った方が良いです。
挿し木は比較的簡単で、矮性種であれば株元近くの枝は発根していることがあるので、切り取って日陰に挿しておけば簡単に増やすことができます。
厳密に行う場合は、枝を3~5節くらいで切り取り、葉を2~3枚残して下側の葉を落とします。
その後、挿し穂を水につけて給水させます。挿し木専用土や赤玉土の小粒など清潔な土を準備し、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。
アゲラタムは比較的発根しやすいですが、発根剤を使うことでより成功率が上がります。
日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。
アゲラタム(カッコウアザミの仲間)の病害虫
害虫として「ハダニ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が発生することがあります。
害虫
「ハダニ」は夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。
また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。
主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。
発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。
蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をしてください。
「アブラムシ」は新芽や花穂に発生しやすいです。特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。
「カイガラムシ」は葉の付け根や枝などに発生します。アブラムシ同様に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。
退治・治療方法
市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と「ハダニ」「アブラムシ」「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。
またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。