スカエボラ(ブルーファンフラワー)の育て方

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の基本情報

科名:クサトベラ科 Goodeniaceae
————————
属名:クサトベラ属(スカエボラ/スケボラ属)
   Scaevola
————————
学名:Scaevola aemula
————————
流通名:ブルーファンフラワー
    スカエボラ
    スケボラ
————————
英名:Scaevola
   Fairy fan-flower
   Common fan-flower
————————
原産:オーストラリア南部
————————
開花時期:4月~10月
————————
草丈:10㎝~20㎝
株幅:~1m
————————
耐暑性:やや弱い~やや強い
————————
耐寒性:弱い~やや弱い
————————

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の特徴

「スカエボラ(またはスケボラ)」は、オーストラリア・ポリネシアを中心に130種があるクサトベラ科クサトベラ属(スカエボラ属)の亜熱帯性の多年草で、半円状の扇のような花形から「ファンフラワー(fan-flower)」「ハーフフラワー(half-flower)」という名が付いています。

流通名で「ブルーファンフラワー」とも呼ばれ、スカエボラ属の中で青花を基本種としたスカエボラ・アエムラ(Scaevola aemula)やアエムラをもとにした園芸品種などを指しますが、現在ではピンク花・白花などの園芸品種も多くあるためか属名由来の「スカエボラ」や「スケボラ」の名で店頭に並ぶことも多いです。

草丈低く横に広がるように茂るため、花壇の前景やハンギングポットで楽しむことができます。

自生地では多年草ですが、霜で枯れるため日本では多くの地域で一年草として育てます。

また夏の高温多湿を嫌い、開花しにくくなったり、根腐れしやすいですが、近年では高温に強い品種なども作られており、品種の選び方や管理の仕方で春から秋まで開花を楽しむことができます。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の管理・置き場所

スカエボラは風通りと排水の良い環境で、陽当たりまたは木漏れ日のような部分的に日陰になる場所を好みます。

春・秋は陽当たりが良い方が花付きが良く元気に育ちますが、猛暑期は多くの品種が弱りやすいため明るい日陰や木漏れ日の場所が夏越ししやすいです。

耐暑性が高く夏場も開花しやすい品種の場合は、陽当たりが悪いと花付きが悪くなるので、上記のような木漏れ日の場所か朝から半日程度は日光が当たる日陰が良いです。

コンパクトな草姿の品種や分枝性の高い品種を除き、枝は真っすぐ伸びて枝先に開花し枝分かれしにくいため、植えただけでは株は茂りません。。

枝数や花数を増やしたい場合は「剪定」の項で説明するように、ピンチ(摘芯)や刈り込みを行って枝数を増やします。

霜に当たると枯れるため、軒外で育てる場合は一年草となりますが、暖地や温暖地の場合は雪・霜の当たらない軒下で越冬することがあります。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の年間管理表
 
スカエボラ(ブルーファンフラワー)の植え替え

植え替えは4月~6月の温かい時期であれば行えます。

購入した苗や鉢花は、購入後に一回り大きな鉢や花壇などに植え替えます。

鉢植え

根を深く張る植物ではないため、植え替えに使う鉢は比較的浅めの鉢で育ちます。

ただし枝が伸びて下垂するため、枝垂れても良いように吊り鉢・ワインカップ型の鉢などに植え替えるか、鉢を地面より高い場所に置くと良いです。

直径24㎝くらいの鉢であれば3株を目安に植え付けます。1株でもピンチを繰り返すと大きく育ちますが、こんもりとした株姿に育てるためには1鉢に複数株植えた方が良いです。

猛暑期を過ぎたあたりで根詰まりを起こした場合は、根鉢を崩さずに一回り大きな鉢に植え替えると秋に花・葉を綺麗な状態で育てることができます。

地植え

草丈が高くならないため、花壇の前方や外周に植え付けます。高温期の多湿を嫌うため、堆肥類を混ぜて排水性を良くします。

スカエボラ周辺にやや草丈がある草花を植えると、猛暑期の暑さからスカエボラを守ることができます。

越冬株の植え替え

4月あたりに根鉢の土を1/3~半分くらい崩し、新しい鉢・新しい土を使ってに植え替えます。

枝葉が茂っている場合は、土を崩したことによる株の負担を減らすため、葉を残しつつ株の半分まで刈り込みます。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の用土の選び方
鉢植えの場合

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土がよく、観葉植物用の土も良く育ちます。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合

土を排水良く作り替えるためにも完熟の牛糞堆肥または馬糞堆肥と腐葉土を土に混ぜ込みます。

また元肥として完熟の有機肥料を堆肥と一緒に混ぜ込みます。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の水やり

スカエボラの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合

春・秋の生育期は鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

一方で弱りやすい高温期・低温期はやや乾かし気味に管理します。

低温期に軒下や室内の陽当たりの良い場所で越冬させる場合は、鉢土の表面が乾いて数日後あたりに水を与えます。

また高温期は他の植物の水やりに影響されて毎日水を与えがちですが、あくまで表土の乾きを確認してから水を与えるようにします。

庭植えの場合

植えた直後にたっぷりと水を与えた後はおおむね雨まかせでも大丈夫ですが、根を深く張らないので晴天が続く場合は表土の乾きに応じて水やりを行います。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の肥料の与え方

植えるときの元肥や生育中に追肥を与えます。

地植え

土質改良のための堆肥類とともに元肥として完熟の有機肥料を混ぜ込みます。

生育・開花する4月~7月・9月~10月は1ヵ月に1回の頻度でリン酸が多めの肥料か3成分等量の肥料を追肥として与えます。

鉢植え

緩効性の化成肥料を元肥として土に混ぜ込み、追肥は地植えの場合と同じく生育・開花期にあたる4月~7月・9月~10月は1ヵ月に1回の頻度でリン酸が多めの肥料か3成分等量の肥料を与えます。

鉢植えは肥料切れが起きやすいので置き肥と液体肥料の両方を与えます。

なお置き肥や液肥の与える量・頻度は、持っている肥料の説明を元に与えた方が良いです。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の剪定
ピンチ(摘芯)

スカエボラはコンパクトな品種や分枝性の高い品種を除き、枝は真っすぐ伸びて枝先に開花し枝分かれしにくいため、植えただけでは株は茂りません。

枝数や花数を増やしたい場合は、枝先をピンチ(摘芯)したりや枝の途中を刈り込んで枝数を増やします。

なお枝の途中を切る場合は葉を残しつつ切ります。

新芽は切口近くの葉の付け根から2~3芽が芽吹いて伸びていくので、伸びた枝をさらに切ることで枝数が増えていきます。

特にこんもりした株姿に育てたい場合は、枝先だけでなく枝の途中を長さを変えて切ることで新芽が満遍なく出るようになります。

花柄摘み

花穂が一通り開花が終わったら、枝分かれしているところで切り取ります。

刈り込み/切り戻し

梅雨~夏に切り戻しを行います。

梅雨~夏の切り戻しは蒸れを防ぐため株全体の半分くらい残るように切ります。

ただし高温期は葉の数が極端に減ると弱って、枝が枯れ混んだり根腐れしやすくなるので葉を残しつつ切り戻します。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の増やし方

スカエボラは挿し木で増やします。

挿し木

時期は生育期の4月~6月で行います。越冬させて育てる場合は9月~10月上旬も挿し木はできます。

枝を10㎝前後で切りとって挿し穂下側から数枚葉を落とし、挿し穂を水に漬けて給水させます。

なお挿し穂を作る前日から半日前に親株にたっぷりと水を与え、枝内に水を行きわたらせておくとより活着しやすいです。

湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。

また挿し穂の給水に活力剤を使ったり、発根剤を付けることで成功率が上がります。

日陰に置き、土が乾かないように水を与えつつ、発根して新芽が成長するまで管理します。

スカエボラ(ブルーファンフラワー)の病害虫

害虫として「アブラムシ」「カイガラムシ」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は新芽や花に発生しやすいです。特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。

特に夏場で日陰で管理しているときは、風通しが悪く土が過湿気味になりやすいので注意が必要です。

「カイガラムシ」は枝や枝の分岐部分などに発生しやすく、アブラムシと同じく風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。

退治・治療方法

「アブラムシ」「カイガラムシ」の退治には、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする